≪第49回スーパーボウル≫ 激戦から改めて見えた、フットボールの面白さ | アメフト交差点

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本文の前に宣伝!
2/12(木)17:00~ / 2/15(日)16:00~
【NHK-BS1】にて、
『NFL ウィークリー 第49回スーパーボウル編』

が放送されます。
試合を観た方も、観てない方も、たった20分であの興奮が蘇るドラマチックでドキュメンタリーな感じになっているので(選手たちの声・コーチたちの声など試合の裏側が中心の編成)、是非見て下さい(≧▽≦)!

いやー、あの激戦ももう1週間以上前のことなのかぁ。

あの興奮はつい昨日のことのようで、でもだいぶ前にあった歴史的な瞬間のようにも思えます(笑)
それだけスゴイ試合でした。

昨年は試合終わってすぐ記事を書いて、けっこう色々な細かい駆け引きとかの分析をしたのですが、今回は時間を置いて落ち着いたこともあるし、戦術的な分析とかよりはもっとシンプルに全体を見ながら、自分なりに振り返ってみようかなと思います。
初観戦の方であったり、なんかすごかったらしいから調べてみたっていう方にも伝わるように書ければなぁと心がけてはいますが、分からなくなったらまたご質問などもしていただければお答えさせて頂きますw
ってもどういう感じになるかは自分でも書いてまとめてみてからのお楽しみ、みたいな気分なのですがww

ではでは、さっそくはじめます!
以下、試合&ハーフタイムショーなど全体的にネタバレ注意です!!

あ、あと記事中には色んなポジションの名前が登場します。
簡単な紹介は()書きで付けていますが、詳しい紹介などは当ブログの「アイシールド21に学ぶアメフト ポジションを知る!」シリーズなどでもしているので、参照して頂ければなと思います!
あんまり気にせず流して下さっても大丈夫です、アメフトってそんなに複雑ではないので!





<試合のハイライト動画>

日本語字幕の説明付きハイライト動画(NFL JAPAN.COM)↓
http://www.nfljapan.com/streaming/20150202-7649.html



【ブレイディの原点・短いパスを散らすオフェンス vs シーホークスらしい役割をこなすディフェンス】

今回の試合では、まず何よりNFLナンバー1のシーホークスの守備に対してペイトリオッツのオフェンスがどう挑んでいくのか?というのが大きな見所でした。
ペイトリオッツは相手に合わせていろんな準備をしてくるチームで、今年のプレーオフでは様々な複雑なコトをしていたのでこの試合でもそういうのを組み立ての軸におくのではないか?という予測もされていましたが、意外というかあえてというか、この試合ではけっこうシンプルに自分たちの得意なパターンでもあり、QB(クォーターバック:パスの投げ手で攻撃の司令塔)である#12トム・ブレイディ原点ともいえる短いパスを色んな選手に散らす、ということをほとんど生命線にしていたという印象です!

本来、シーホークスのディフェンスはまずミドル~ロングのパスというのはカバー能力の高いDB(ディフェンスバック:主にパスカバーや後方の守備を担う選手)陣が相手のレシーバー(パスキャッチ担当の選手)を密着カバーして守り、短いパスに対しては早めにタックルしにいって被害を最小限に食い止める、という形が多い感じです。
ペイトリオッツはそれも分かっているので、あまり長いパスは狙いに行ってませんでした。
それゆえ短いパスをチョイス。
シーホークスはDB陣の怪我の影響などもあって、レシーバーに対して早めのタックルをするというのがなかなかできなかった、タックルミスなども普段よりは目立った、そういう感じがします。
これが短いパスで捕った後走ってボールを進める、じわじわと攻めていくというのが効果的になっていたという理由の一つかなと思います。

もちろんそれだけではなく、QBブレイディの相手守備を読むことができていた、ということも大きな要因としてあります!
特に、アメフトのパスカバーは1対1の「マンツーマンカバー」と、決められた領域を守る「ゾーンカバー」のどちらかを使うもしくは組み合わせて使うのですが、そういうカバーを見抜く力というのがかなり優れているということです。
プレー開始前に選手は一人だけ「モーション」といって、(限られた条件の中ではありますが)動くことが許されるのですが、それを利用してその領域のカバーを見抜いちゃうんですねコレが。

アイシールド21で例えようと思いますが(笑)、例えば攻撃側・泥門のモン太がモーションで右から左に位置を変えた時前に付いていた守備側・神龍寺の細川一休がモン太にひっついて右から左に動いてきたらそこはマンツーマンカバー
付いてこなかったらそこはゾーンカバー

みたいな感じです!
まあ実際はそんなに単純じゃない場合も多いのですが(笑)
とにかくその辺を見抜くのが上手い。
もちろんシーズンを通してシーホークスの守備がどういう守り方をするのか、このシチュエーションではどう動くのか、このプレーに対してはどういう事を意図してくるのかとか相当研究してそれを覚えてっていう努力(これはどのチームでもやりますが)と、それを実際の試合中に整合させ、予めプレー開始前にどこを狙えばうまくいくのか、それを見抜いちゃってるからパスを決めれるのでしょう。
なかなかフィールド上であそこまで落ち着いて見抜くことはできないと思います。
おまけにスーパーボウルの舞台で、シーホークス相手にあんなにパスを散らして決めれるとは思ってませんでした。

もちろんパスをキャッチするペイトリオッツのレシーバー陣、#11ジュリアン・エデルマンや#80ダニー・アメンドラが小気味いい走りで短いゾーンでフリーになることが上手いということも大きかったです。
加えてRB(ランニングバック:主にボールを持って走る選手)の#34シェーン・バリーンまでパスキャッチが上手いので、なかなかちょこまか動き回る選手が多くてシーホークスの守備としてはやり辛い面もあったのではないかと思います。

そうかと思えば、『巨人』のTE(タイトエンド:パスキャッチにブロッキングにと色々こなす何でも屋)#87ロブ・グロンコウスキーも要所で活躍してきましたし、厄介でしょうね。
本来は守備側のキーマン、S(セイフティ:最後の砦の役割)#29アール・トーマスもしくは#31キャム・チャンセラーをグロンコウスキーのマークにずーっと付けときたいところですが、もしそれを続けてしまうと今度は短いパスからのキャッチ後のラン(ランアフターキャッチ)のほうをケアする人数が減ってしまい、そちらで大きな痛手を負う可能性があるからグロンコのカバーはどうしてもパスカバーが不慣れな選手に任せるしかないというシーンも多くなってしまう展開が生まれたのでしょう。
これも ちゃんとこういう理由があって、面白い ところです。

あと試合が進むにつれて、短いトコに早くパスカバーにいこうタックルに行こうとすると今度はその裏手のゾーンが空きやすくなってしまい、今度はそこにパスを通されるというリスクがあるのであまり前へ前へ食いつけないということもあり、試合終盤まで短いパスを粘り強く行うというのが効果的にいった要因でもあります。
普通のチームならもっと前に食いついて、その裏を突かれるのですがさすがにシーホークス側は我慢強く、自分たちのスタイルで守備をできていたようには感じました。
この辺がアメフトらしくて面白い駆け引きです(笑)

しかし、ペイトリオッツも上手くいっていた時もあれば苦しんだ時間帯もけっこうありました。
試合序盤(第1Q2分をきったあたり)、せっかくゴール前まで進んだのにインターセプトで相手にボールを奪われてしまうという展開もありました。
これはシーホークス側のナイスディフェンスでした!
あのシーンはゾーンカバーで分厚く守るような形で、ペイトリオッツとしてもあえてエンドゾーンに広がっていくようなパスプレーを選んでいたと思うのですが、決め打ちのタイミングではシーホークスのカバーが完璧で投げ所がなかったです。
本来なら投げ捨てか、やむなくサックをくらうというのが攻撃側の正解なのかもしれませんが、シーホークスがちょうどいいタイミングでプレッシャーをかけれたのでブレイディも無理にパスを投げてしまってボールを奪われてしまうというような流れでした。
シーホークス守備らしい、「我慢比べ」に勝つディフェンスが体現されていたように思います。
どうしても攻める範囲が狭くなったらあのシーホークス守備を打ち破るのは難しいものです。
さらに第3Q、TEグロンコを狙ったパスをLB(ラインバッカ―:守備の二列目中央の選手)#54ボビー・ワグナーにインターセプトされてしまうシーンもありました。
このシーンもゾーンカバーでした!
けっこうこれはシンプルで、ゾーンで守っていた手前真ん中にいたワグナーが完全に見えていなかったように思えます。
ブレイディとしては珍しいシーンでしたが、シーホークス的には逆に相手の攻撃を見抜いてアレを狙っていたのではないかという動きでした。
試合全体を見ればカバーを見抜いてるシーンが目立ちましたが、こういう大きなプレーの場面ではブレイディを上回る守備の形もあって、見ごたえがありました。
ボールの軌道に入る「いい位置」にいなければボールを奪う、まではできないわけですが、しっかりボールを奪える場所に入れているのはこれも一つ研究&今度は守備側の読みのアタリということもあるわけですね。

ちなみに、シーホークスは曜日ごとにテーマを決めてそれを主軸に練習を行うことでも有名なチームなのですが、木曜日に「Turnover Thursday(ターンオーバーの木曜日):オフェンスはボールの死守、ディフェンスはボールを奪う練習」としてちゃんとスキルも磨いており、これが守備の積極性にも表れているのではないかと思います(*´▽`*)

さらにはだんだん強くなってきたシーホークスのパスラッシュ。
ペイトリオッツのOL(オフェンスライン)の選手たちも押され気味になります。
しかし、こういう逆境こそ力にしてきたのが今シーズンのペイトリオッツで、インターセプトからの立ち直り・修正が早いブレイディ、そしてなんとか1秒でもかせごうと外へラッシュを追いやり、ブレイディが前へ上がるスペースを作るOL陣、さらには試合終盤まで走り回ったレシーバー達(特に足を痛めても走り続けたエデルマン)、そして集中力の高さ。
紙一重のところを冷静に落ち着いて決めていく、そんな強さがありました。

しかしながらシーホークスの守備もすごかった。
Sのチャンセラーなんか足の靭帯を損傷していたそうですが、到底そうは見えないハードタックルとかをしていて、物凄かったです。
そんな素晴らしい守備陣との「我慢比べ」そして「忍耐合戦」を見事に苦しみながらも勝つことが出来た、それがペイトリオッツのオフェンスだったように思います。
今季苦しみながらも何度も立ち直ってきた、それを象徴する勝ち方が体現されていたように思えました。
けっこう戦いとしてはシンプルに「見える」戦いだったけれど(短いパス中心の組み立てvsそれぞれの役割をこなす守備、という意味で。)大変見ごたえのある攻防でした。


【シーホークスのオプションラン&精確ふんわりパスMixオフェンス vs オプション封じ&カバレッジディフェンス】

さて、話はシーホークスのオフェンスvsペイトリオッツの守備にうつしましょう。
シーホークスとしてはオフェンスもいつも通り、まずはQB#3ウィルソン‐RB#24リンチのオプション(相手の守備を見てどちらが持って走るかを決める)プレーでのランを軸に展開されました。
しかし、これに対してペイトリオッツは、徹底的にリンチが持って走るように仕向けるため、絶対アウトサイドはDE(ディフェンスエンド:守備外側一列目の選手)#50ロブ・ニンコビッチもしくは#95チャンドラー・ジョーンズがケア。

このように外側をケアしてしまえばウィルソンが走ることは無く、ほぼ100%リンチに持たせることが出来ます。
あとは他の10人のディフェンスで全力でリンチを止めに行く。
それでもビースト(野獣)パワーランナーのリンチはゴリゴリ進んではしまうのですが(笑)
まだこれだとコントロールできる範囲内となります。
ウィルソンにも走られた場合、奥に抜けられる恐れがあるほかどっちをカバーしたらいいのか混乱して手がつけられなくなるかもしれず、リスクが大きいのでこれはいい対処法だと思います。
実は準決勝でパッカーズも同じような守備をして成功していたので、これはいいお手本になってたのでしょうね。

ただシーホークスは打開策として、ふんわりとした浮かせたパスを用意していました。
QBウィルソンが自分の足も使いながら投げる時間を稼ぎ、ピンポイントにボールを投げ込んでいく!
どうしても「モバイル系で動き回れる」「冷静でミスが少ない」という印象ばかりが伝えられるウィルソンですが、彼は相当いいパサーでもあると思います。
今はなかなかパスプロテクション(パスを投げるためにOLが相手を止めてQBに投げる時間を与える事)が弱いシーホークスですが、これから先はOLを強化するでしょうから、パサーとしてウィルソンがリーグでも一目置かれる存在に成長していくのは間違いないと思います。
そしてそして、この試合、秘密兵器的な人物としてWR#13クリス・マシューズが登場。
身長196cmというサイズを活かしながら、高い位置でボールをキャッチ!
ペイトリオッツ側はカバーしていたのが身長178cmのCB(コーナーバック:パスカバー担当の選手)カイル・アリントンや180cmのCBローガン・ライアンだったので、これではいくら密着カバーしても競り負けてしまいます。
パスが通れば今度はランへの意識が薄まるので、リンチのランが効果的になる。
リンチのランが効果的ならばランフェイク(プレーアクション)のパスが効果的になる。
単純なのですが一人こういう相手選手との「ミスマッチ」を生み出せるポイントが出てくると、一気に攻撃が好循環に入ります(=゚ω゚)ノ
ウィルソンのランはだいぶ防いだペイトリオッツですが(3回39ヤードに「抑えた」といっていいでしょう)、リンチには100ヤード以上走られて、マシューズには100ヤード以上パスで稼がれました。

僕は前半このマシューズの活躍を見て、これはカバーする選手を変えてくるのではないか?と思いました。
この身長差のマッチアップでは勝てないぞ、ずっとやられ続けるぞ、と考えたからです。
しかし、後半の序盤はそのままアリントンがつとめていて、案の定ロングパスを通されるシーンも。
おそらく、エースCB#24ダレル・リービスにはシーホークスのエースWR#89ダグ・ボールドウィンをどうしてもおさえさせておきたい、そして流れや勢いを作れる「持ってる系」のシーホークスWR#15ジャメイン・カースにも仕事をさせたくないからナンバー2CB#39ブランドン・ブラウナーをどうしても付けておきたいというコーチの思惑があり、どれだけマシューズという伏兵に活躍されたとしても勝負の肝になるボールドウィンやカースには絶対活躍させたくないというコーチの考えがあったからなのでしょう。

しかし、このマシューズの活躍を見て、CBブラウナーがに自らマシューズをカバーさせてくれと直訴したようです(;゚Д゚)
ブラウナーは身長193cm。
マシューズとは身長のミスマッチが無く、十分自分なら戦えると判断したのでしょう。

WRマシューズのカバー、CBブラウナー自身が願い出る‐アメフトNewsJapan

結果、これ以後マシューズはレシーブなしでブラウナーが完璧に抑え込みました。
さらに、CBのアリントンやライアンが中々思うようにカバーできないことから、ルーキーS#21マルコム・バトラーを投入。
結果的にはこれが試合を分ける大きな決断となりました…!!
(『例の』あの奇跡のプレーについてはこのあとで)

えっと、一回あの奇跡のプレーの前に戻ります(笑)

結局、マシューズがカバーできたことでパスカバーは盤石、あとはリンチのランへ意識が向けれるようになり、シーホークスは終盤に来てなかなか進めなくなります。


【シーホークスの選択と、ペイトリオッツの選択 ~運命の分かれ目~】

ここからは一つ一つが勝負の分け目に影響してきてるので、全部みていきます!

しかし最後の攻撃の機会では、LBとのスピードのミスマッチを見抜いてリンチへの長いパス、そしてカバーが変わったことで狙いやすくなったカースへのパスがまさかまさかのミラクルキャッチで成功。
次のプレー、
《 1st&10 敵陣49ヤード地点 残り1:55 》 
WRカースへのパスをSバトラーがパスカット。

バトラーはプレシーズンからパスカバーで非凡なところも見せており、元々期待されていた選手だと思うのでこの辺はさすが。

★KEY POINT★
相手守備をチェックして、QBウィルソンがOLに何か指示を送ろうとするもプレークロックが0秒に近付き、間に合わないと判断してやむを得ずタイムアウトをコール。(もしプレークロックが0秒になってもプレーを始めれなかったら反則で5ヤード下がってしまいます。)
シーホークスが後半1つ目のタイムアウト(前半/後半別で3つまで権利を持ってます。)

そしてタイムアウト明けのプレー。
《2nd&10 敵陣49ヤード地点 残り1:50 》
シーホークスのチョイスはパス。

ペイトリオッツのパスラッシュは3人(スリーメンラッシュ)。
しかし、さすがにパスラッシュはなかなかかからない!
時間があることでロングパスを狙える。
奥のマシューズへパス!
しかし、ここはブラウナーが確実にカバー。
身長差を埋められれば、さすがにドラフト外のWRの技術では厳しいのかもしれません。

《3rd&10 敵陣49ヤード地点 残り1:41 》 
シーホークス、WR#83リカルド・ロケットへパス!

この日狙われていたローガン・ライアンがカバーしているところへカムバックのパターンを確実に決めて、1stダウン更新!!
但し、インバウンズなので時計は止まらず進み続けます。

《1st&10 敵陣38ヤード地点 残り1:15 》
そして!!!
コーチが一番嫌であったであろう、「持ってる系」のカースのミラクルキャッチでゴール前へ、ビッグプレーで俄然流れはシーホークスへ!!!
もしペイトリオッツが負けていれば、先ほどのブラウナーの英断への扱いも大きく変わっていたことでしょう。
「だからカースをカバーしといてほしかったのに!!」ってなってたかもしれませんよね(笑)
なお、パスキャッチの後サイドラインを出た、という判定のため、1:06秒で時計は止まりました。

★KEY POINT★
シーホークスが後半2つ目のタイムアウト(残るタイムアウトはあと1つ)
時計は既に止まっているので、おそらくはこの後どういう風にエンドゾーンを狙うか、残りのプランの打合せをするために早めにとった、ということになるでしょう。
次のプレーはこういくぞ、これでだめならあれをやろう、そういうことの確認のためのタイムアウトと考えていいと思います。
あと焦らないで、一旦落ち着こうという意味合いもあるかも。


《1st&GOAL 敵陣5ヤード地点 残り1:06》
シーホークスはRBマショーン・リンチの左サイドのラン攻撃。
ペイトリオッツ側も流れるようにしながら対応し、
☆KEY PLAY☆ #54LBドンテ・ハイタワーが足元・#55LBアキーム・エイヤーズが上半身にタックルして止める。
インバウンズなので当然時計は進みます。

《2nd&GOAL 敵陣1ヤード地点 残り0:26》
シーホークスはWRリカルド・ロケットが中に入ってくるスラントパターンのパスをチョイス。
しかし!!!!!!!!!!!!
ペイトリオッツSマルコム・バトラーがパスコースを完全に読み切った上、インターセプト!!!!!!!!!!!!!!!!!!

この奇跡的なプレーで勝利が決まったと言っていいでしょう。
ってかここまで丁寧に振り返る必要もないくらい、衝撃的な流れと展開でしたよね(笑)

中々語られていない事ですが、その裏にはブラウナーがクロスパターンで外に出てきたカースを自由にさせなかったためにバトラーが前に動くことができた、ということも何気にあって、チームスポーツらしさを感じるところです。


で、この最後のパスのコールですよね、ずいぶん話題になっているのは(笑)
何故なら、リンチのランもしくはオプションキープでウィルソンが自ら走るパターンで、これまで何度もタッチダウンを決めているという事実もあるし、リーグNo.1のラン攻撃の担い手の2人がいるのだからランでいいじゃないか、ということが多く言われていることですね。

これに関して、何故パスのコールなのかを解説して下さっている記事などをまずご紹介しておこうと思います。

① 日本社会人X League オービックシーガルズ/日本代表 QB 菅原俊選手の見解‐X League Facebookページ
https://www.facebook.com/xl1996/posts/939867072691368

② 2014年WEEK22「オードリーのNFL倶楽部」の感想~あと45分は語りたい‐ブログ「MAJIK MIRROR」さん
※ 5.最後のインターセプトについて大論争 にて小坂ディレクターのTwitterからの引用アリ
http://packmania.blog61.fc2.com/blog-entry-3188.html

③ SEAのプレーコールを擁護してみる‐ブログ「イルカ観察日記 - NFLとMIAMI Dolphins-」さん
http://miadolphins.tumblr.com/post/109883939874/sea


それぞれ分かりやすく解説されています。

簡単にまとめると、
◎ 時計は動き続けている。でもタイムアウトは1回。つまり、自分たちでインバウンズのプレーをした場合時計を止めれるのはあと1回だけ。
◎ 攻撃回数は、2ndダウン・3rdダウン・4thダウンの最大3回。(タッチダウンを2nd、3rdでタッチダウンを取れればいいが取れなければ3回目までいくことになる)
◎ ペイトリオッツ側、タイムアウト2つあるのにとってこない。
◎ 今自分たちがタイムアウトを取れば、インバウンズのプレー、つまりラン攻撃はこれ以後1回たりともしにくい。なぜならランでインバウンズになった場合、残り時間が減っていってタイムアップになってしまう。
◎ 今ランプレーをやれば、タッチダウンできなかった場合にタイムアウトを取って3rdダウンに挑むことになる。こうなればもう3rd、4thはパスで狙うしかない(ランやったら時計止めれなくなっちゃうから)。
◎ 「パスしかない」シチュエーションになれば相手も必ずパス守備を引いてくるのでリスクが高くなる。
◎ 今(2ndダウン)なら、ランでもパスでもいける!もしタッチダウンできなくてもここでパス失敗ならば時計は止めれる。つまり3rdも4thもラン/パス両方やれる。

ということで、パスのチョイスも妥当な判断かなと思います。
てか簡単なことなんですが、文章にするとややこしいね(笑)
つまりは今のうちにパスをやらないと逆に次からは相手もパス守備強化してくる、今パスならば失敗してもランの可能性も残せる、そう思って頂ければ良いかもしれません。

あくまで「たら・れば」の議論でランにしとけばよかったのに、というのもアメフトの面白さの一つなので良いと思います。
しかし巷でいわれるように「べき論」でヘッドコーチやオフェンスコーディネーターを批判するのはいかがなものかな、という感じですね。
別にそんな批判するものでもないし、まずインターセプトされることなんてありえないようなプレーチョイスで、結果的に奇跡的な動きで(もちろん研究と練習に基づいたプレーだったようですが)インターセプトしたバトラーを褒めるべきであってシーホークスの首脳サイドは責められるようなことは無いと思います。

むしろタイムアウトの浪費が早かったこと、そのあたりは言われても仕方ないかもしれないなーとは思いますがあのプレーチョイスにそこまで口出しできるものではないと思いますね。
ランしてたとしても、100%タッチダウンということも無いわけですしね。
4thダウンまでやる時間がなかったとしても、あと2回オプションのランをしてれば、1回はタッチダウンになっているというのも多くの方と同じように僕の意見ではありますが、あそこでPassのコールをあえてやるのもいい決断だったと思いますよ。
ただ、それをペイトリオッツ側が上回った、それを褒めるべきでしょう。
ああいう微妙なシチュエーションもアメフトでは多く生まれるし、1ヤードを取るっていうことが意外とめちゃくちゃ難しいことなので、どういう決断をするか?
それも面白いです。
自分だったらどうするのか?も含めて考えながら見て頂けると、ますますアメフトは面白くなります。
「たら・れば」を後から考えて楽しむのもぜんぜんアリだと思いますし、それを友人やネット上で議論するのも楽しいです。
ただ、当のコーチや選手を批判するのはもちろん馬鹿げていると思いますが(100%こっちのほうがイイとかはないし、本当にゲームに参加している人間でしか分からないこともあるのであくまで我々は「観る者」としての楽しみなので)。
フットボールに答えは無い、だからこそ面白い(´ω`*)
なので、積極的に「ここは俺ならこう行く!」とかを考えてみれば楽しいです。

しかしペイトリオッツのベリチックHC(ヘッドコーチ)には驚きました。
本来、タッチダウンされてしまった後のことを考えて自分たちの攻撃の時間を残すためにタイムアウトを取るものなのですが、あえて取らずにディフェンスに勝負を託したこと。
さらに、ゴールラインディフェンスを敷くことで相手が裏をかくためにパスを狙おう、という気になってくれることを願っていたようで(後述するURL参照)、あの2ndダウンのプレー、願ってもないタイミングでシーホークスがレシーバーを増やしてきたこと、これゆえ、あの2ndダウンのプレーが始まる直前に、「マルコム(バトラー)が(守備に)はいれ!」という指示がコーチ陣から出たこと。
そして結果ああいう結末になったこと。
最後のインターセプトまではさすがに考えてなかったようですが、確信はないけど直感を信じるという形ではありながらも、ある程度計算してタイムアウトを取らなかったようですし、最後の最後で守備に託したと言うのはスゴイです。
それだけ今季守備への信頼も高くなったということなのでしょう。
昔は守備がやられるだろうからって信頼が全くなくて、勝ってるのに無理やりオフェンスに4thダウンギャンブルさせたこともある人なので、まさかでした(笑)

≪参考≫
勝敗分けた決断、ベリチックHCがタイムアウト取らなかった理由‐NFL JAPAN.COM
http://www.nfljapan.com/headlines/64658.html

※どうも本文の意訳が間違っているようなので、コメント欄で正確な和訳と解説をして下さっている方がいます。そちらを見て頂ければ、と思います!


もうほんっとに色~んな要素が複雑に絡み合って、勝敗が決する。
ホントに良くできたスポーツだなと思いますね。
観る者を魅了する、スゴイ試合でした。
ネットでいろいろ見てると、スゴイ試合だったのに日本ではなんで人気でないんだろ?っていう声も多く見かけました。
アメフトはルール自体はそんなに複雑じゃないし、戦術とかも何回か観てると基本的なコト分かってくるし、是非多くの方に好きになって頂きたいです。
アメフトはなんか難しそう、っていうイメージが観戦やルール理解への障壁になっちゃってると思うので、当ブログでもまた「アイシールド21」の力も借りながらアメフトの解説などもオフシーズンの間はしていけたらなと思っておりますので、良ければまたお付き合いください(笑)

あ、そうそう。
ケイティ・ペリーのハーフタイムショーも大仕掛けが多くて、楽しかった!
スーパーボウルのハーフタイムショーは毎年期待を裏切らない素晴らしい仕上がりになっていますね。
一部記者会見のときにケイティ・ペリーが「サメとライオンが登場する」って言っておいて、大仕掛けのライオンと着ぐるみのサメかよがっかりだよみたいなことも言われてますが(笑)
あれはでもアメリカの会見とかでありがちな『ハデに言っておく』部分と『演出のコミカルさの表現の一環』ではないかなと思います。
なんかああいう記者会見ってそういうコミカル的に意味ありげな発言をするのがアメリカという印象があるので、僕としてはむしろ「ライオン、サメ、こういうことか!www」って楽しませてもらいました(笑)
来年は誰がやるんだろ、日本でも大人気のLady Gagaさんが出てくれると話題性もあるし日本のニュース番組でも積極的に取り扱ってもらえそうだから期待してます(=゚ω゚)ノ

さて、明日はうまく時間が作れそうなので「ドラフト・デイ」を見に行ってきます。
感想を早く書けたらいいんだけどこれもまたいつになるやら(笑)
楽しみにして下さっている方は気長にお待ちください、ドラフト・デイってなんぞや?っていう方は検索して、上映映画館に直行しましょう←
(笑)