Still Warm
同じ時刻を消費する距離で
無意味な予定を重ねて
湿った空気のせいで
呼吸の音が擦り切れる
余白の消えた部屋の中
感情だけが邪魔になって
触れたはずの柔らかい場所が
最後まで治らなかった
⸻
ほどけた順番も
もう思い出せず
音だけ増えていく
⸻
まだ 冷えきらない
壊れたままの体温で
今日を越えている
灰になるほど強くはない
消えるほど弱くもない
このぬるさで生きてる
⸻
自分は器用な方だと
疑わずに歩いてきたけど
中身は欠けた部品だらけで
夜にだけ動かなくなる
噛み合わない歯車なのに
速度だけが揃っていって
「普通」って言葉の意味を
初めて信じかけた
⸻
泥の底から
引き上げていた
温度のある腕
⸻
まだ 冷えきらない
壊れたままの体温が
ここに残ってる
信じるなんて言葉より
隣の距離の確かさが
嘘をつかない
⸻
完全じゃなくていい
疑いが残っていてもいい
それでも手を伸ばせる距離なら
人間のままでいていい気がした
まだ 冷えきらない
この壊れ方のままで
生きていく