森博嗣の『すべてがFになる』です。











2年ぶりぐらいに再読しました。





名作すぎる!!!!!!





すベてがFになる (講談社文庫)
森 博嗣
講談社
売り上げランキング: 7718



内容(「BOOK」データベースより)
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。




















こないだツイッターのタグで「好きな小説10冊を選べ」みたいなタグがあって、自分にとってのベストミステリを10冊選んでみて、その中に「すべてがFになる」を入れたんですが、選んでから







「選んだわりに内容覚えてねぇな^^」



って思ったので、もっかい読むことにしました(笑)。










まずは概要から入りましょう。


今作は「理系ミステリ」と称される理系っぽい雰囲気のミステリを書く作家、森博嗣のデビュー作です。処女作ではないですがデビュー作です。





「すべてがFになる」から始まる今シリーズ「S&Mシリーズ」は全部で10作です。これは単発でも面白いのですが、一作目から連続して読むことによって面白さが倍増するところが魅力なんですよ。前作のちょっとした記述が次作の伏線になってたりしますからね。特に一作目の今作は絶対に読まないといけないです。





さて「すべてがFになる」自体の内容についてですが、今作はN大の准教授である犀川創平と、N大の学生である西之園萌絵の二人が、孤島の研究所で密室殺人事件に出くわす話です。





ちなみにS&Mシリーズは全てが密室モノです。というかS&Mシリーーズに限らず、森ミステリは基本は密室モノです。密室が大好きなんでしょうか??全部読むと密室トリックのすべてのパターンを網羅できるかもしれません。







今作はデビュー作ながら森博嗣の最高傑作とも言われ、その密室コレクションの中でもインパクト最大の密室だと思います。






出入りのできない孤島にそびえ立つ、窓のない直方体の研究室があり、その地下にある、窓のない部屋に15年間、厳重に閉じ込められていた天才科学者が死体となって出てくる、っていう内容です。











これ、ハンパないですよね!!!


非現実さが極まってますよね(笑)!!!!





でもこれが不自然ではなく思わせるのが森博嗣の文章力かなぁ。










今回は天才科学者の話だったので、多少の不自然さも



「それが天才だ」


と言えば、自然に流してしまえるというズルさはあるんですが、それを差し引いても、やはり自作で「天才」を出すというのは、天才を上手く描写するという難しさが存在するわけで、そういう意味でも今作は見事に天才を天才らしく描いているなぁと思うんですよ。

天才すぎて意味わからないですもんwwwww








正直に言うと僕は今作は、初めて読んだときに、よく理解できなかったんですよね。
とりあえず分かったのはトリックが意表を突いていたということぐらいしかわかりませんでした。



すでにネタを知ってしまった今また読み直すことで、色んなことが伏線になっていたのだと知ることができるのは再読の楽しみ方のひとつでもありますが、本当に色々伏線張ってたんですよねぇ。なんかため息出てきます。すんごいなぁ・・・。




冒頭の会話も伏線ですし、大学の研究室でのコンピューターウイルスの話もそうですし、あれもそうで(ネタバレになりそうなので自粛)、全てが自然な形で伏線になっていたのだなぁと思うと卓越しすぎて驚きますね。









既にシリーズ読破してる人からすると犀川先生の言動が少し俗っぽく思えたり、萌絵の言動も少しブリブリに思えたり、地の文も少し硬いように思えたり(シリーズが進むにつれて詩人になっていきます)、という点で違和感というか、ひっかかりを感じたりもするんですけどね。そういうところも面白いです。






僕にとって一番のお気に入りのシーンは、犀川がトリックに気がついたときの、犀川創平の中の一番粗暴な人格が顔を出すところです。一番粗暴な人格が顔を出しているところを一生懸命に抑えようとしている犀川先生が最高すぎます!!





そしてトリックも凄かったと思うんですよ。非現実的ですけど、これは類例を知らないんですよねぇ。類例知ってる方、こっそり教えてください(笑)。新手かな??ううん、でもまぁザックリと分類するなら・・・、いや、ここではやめときましょうか。





全体的に理系の匂いを出しまくっているので理解できない文章も見受けられるのですが、それでも雰囲気だけでも分かれば十分楽しめるハズですよ。僕は理系なのに理解できてません(*´д`*)



そして僕の名前の由来になってるデボラと久しぶりに会うことができたのも良かったです(笑)。そう、そう言えばこのブログのタイトルを自分で忘れていました。今作を読んで「あ、このセリフをブログのタイトルにしたんだった」と思い出しました。




なんか語り始めたらネタバレ無しでは語りきれなくなりそうなのでそのうち、ネタバレ有りもアップしますね。とりあえず僕のキャラ萌えの原点はS&Mシリーズです!!!!






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