米澤穂信の『さよなら妖精』です。



突然現れた異邦人マーヤと一緒に日常の謎に挑んでいく、ほろ苦い青春モノでした。


さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)
米澤 穂信
東京創元社
売り上げランキング: 354023



内容(「BOOK」データベースより)
一九九一年四月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。謎を解く鍵は記憶のなかに―。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。気鋭の新人が贈る清新な力作。




















米澤穂信は『インシテミル』『折れた竜骨』に続き3作目ですかね。いずれもノンシリーズです。あ、ちなみに以下に書いてある今作の僕の感想は、少し低めです(笑)。



まぁ内容は上のあらすじを参照していただくとして、この物語の見どころなんかを書いてみると、今作は父親の仕事の都合でユーゴスラビアからやってきたマーヤが、将来の夢のために日本を丁寧に探索するうちに沸いて出た日常の謎を主人公たちに質問する場面が良く出てくるんですね。マーヤが逐一色んなことに疑問を持って、他の人が通り過ぎていくような謎を聞いてくるんですよ。



それは日本特有の謎のこともあるし、日本人にとっても謎の出来事だったりするんですが、その謎が僕にはひとつひとつ小さすぎるような気がしてイマイチ面白くなかったんですよね。なんか小ネタが並んでいるような気がして、もう少しそういう小ネタが後半でまとまってきたりすると面白かったと思うんですけど、どれも単発で、さざ波のようでしたね。ビッグウェーブがなかったなぁって感じです。


そして主人公の男の子がマーヤに惹かれていく様子もよく分からなくって、「えっ、お前、なんでそんなに熱くなってんの?」って感じもしてしまいました。なんとなくストーリーが急すぎるような感じがして、冷めてしまいました。そして他の登場人物の気持ちも、何が何やら良く分からなかったというのが正直なところですね。う~ん、僕には馴染めませんでした(ーー゛)


マーヤが帰ったあと、マーヤの祖国とは、ユーゴスラビアのどこだったのか(ユーゴスラビアは解体して6つの国になりましたね!僕は世界史とか地理とか大好きですがここら辺の知識はイマイチでしたので久しぶりに大学受験の参考書とかwikiとか見てみたりしました。)という謎があるんですが、なんだかイマイチ論理的だったような気がしなかったんですけど僕の読み違いですか?もう本を返してしまったので検証できないんですけど、何かに引っかかった覚えがあるんですが・・・・。




最後にオチというか、結末もしっかりあるんですけど、まぁ予想の範囲内で、僕としては『折れた竜骨』のほうが面白かったなぁというか、前評判を聞きすぎて期待のハードルが高すぎたかな、という感じでした。




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