森博嗣のシリーズ外作品『カクレカラクリ』です。




コカ・コーラ120周年記念作品ということでコカ・コーラが何度も出てきます(笑)。そして「120年の意思」がテーマです。




カクレカラクリ An Automaton in Long Sleep (MF文庫ダ・ヴィンチ)
森 博嗣
メディアファクトリー
売り上げランキング: 143106




内容(「BOOK」データベースより)
郡司朋成と栗城洋輔は、同じ大学に通う真知花梨とともに鈴鳴村を訪れた。彼らを待ち受けていたのは奇妙な伝説だった。天才絡繰り師・磯貝機九朗は、明治維新から間もない頃、120年後に作動するという絡繰りを密かに作り、村のどこかに隠した。言い伝えが本当ならば、120年めに当たる今年、それが動きだすという。二人は花梨たちの協力を得て、絡繰りを探し始めるのだが…。廃墟マニアの大学生とメカ好きのヒロインたちが挑む、カクレカラクリの謎。かつて天才絡繰り師が仕掛けたというその絡繰りは、いったい何のために作られ、そして、どこにあるのか。全編にわたって張りめぐらされた伏線、論理的な展開。謎解きに加えて、個性的な登場人物たちのユニークなやりとりも楽しい爽やかな青春ミステリィ。




















森博嗣が初めからドラマ化される予定で書きおろした『カクレカラクリ』です。映像化しやすそうなシチュエーションにこだわったようですが、ドラマは大コケしたらしいです(僕は見てないです)。


内容は大学の夏休みに、廃墟巡りを趣味としてる工学部生の男子2人がクラスの女子の実家のそばにある工場を探検しつつ、村に伝わっているカクレカラクリを見つけようとする話です。


特に事前情報がなかったので読みながら、「やけにコーラが出てくるな」と思ったら大人の事情のようですね。まぁ小説の中ということなら、森先生の茶目っけかもしれません。思わずコーラを数年ぶりに買って飲んでしまいました。関係ないですけど、コーラってなんだか歯を猛烈な勢いで溶かしに来ているような感じがしてあんまり好きじゃないんですよね~。まぁ味はおいしいですけど。


ところどころに森先生らしい、どうしようもない意味無しジョークも入ってたので最初のほうはすごいハイテンションで読めました。だって道路の標識に「呼吸停止」って書いてあるんですよ。どういう意味?「呼吸停止」→「〇〇〇〇」です(敢えて言わない)。下らなさすぎる!!どうしたコレ(笑)。そんなテンションで読めてしまう今作です。


廃墟と化した無人の工場の中とかトンネルとか、まぁ村の中をアチコチ探検して、120年前の天才からくり師が発明したカクレカラクリを探します。天才からくり師が120年後に作動するようなカラクリを作って、村のどこかにそれが隠れているという言い伝えです。そこからの話の展開が理系の森博嗣らしい展開で、


「120年も動かなかったものが突然動きだす、というのはどういうプログラムだろうか。そもそも素材は?鉄だったらサビてしまうし、木材だったら腐ってしまう。カクレカラクリが小さいものであればあるほどサビなどの影響を受けやすいから、そこそこの大きさが必要だ。それをこの村のどこに隠せるのだろうか。村が120年後にどうなっているのかも予想がつかないのに、それを見越してカクレカラクリを隠しておくことができるのか。そして120年という時間をどうやってカウントすることができるのか。そしてその目的は?」



ってな感じで推理していきます。で、暗号とかも出てきますし、なんかそういう作品です。人が死んだりもしないし、どんでん返しみたいなものもないですね。波の少ない展開です。まぁ読みながら心だけでも夏休みを過ごしましょう。






「なんで120年なんていうキリの悪い数字にしたんだろう。100年後とかのほうがキリがいいのに・・・」





ふふふ、それはね。







コカ・コーラが発売120周年だからだよ!!!


そのために書かれた作品だからだよ!!!


とかそんな意地悪なことを言わないで温かい目で読んであげてください。


まぁ森作品の中では特に注目する必要のない作品ではあります。


カクレカラクリ An Automaton in Long Sleep (MF文庫ダ・ヴィンチ)
森 博嗣
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