森博嗣の『ZOKURANGER』です。
日夜、ゾクレンジャーが地域の安全を守ってます!
内容(「BOOK」データベースより)
研究環境改善委員会のメンバは五人。入れ替わりはなし。ずっとそのまま。ユニフォームの色も、決定済み。正義の部隊が噂になれば、悪事の抑制になる。訓練は怠らない。我々は人類の夢の上に成り立っている。五人揃って、ゾクレンジャ。森博嗣にしか描けない、空前の「戦隊」小説。
・・・何これ(笑)。って感じですね。
前作『ZOKUDAM』、前々作『ZOKU』はもっとギャグ路線だったと思うんですけど、段々シリアスな雰囲気を醸し出してきました。
そもそも『ZOKU』は二人の人間がお金を掛けてお互いにバカなイタズラを仕掛け合うという話で、『ZOKUDAM』は某有名テーマパークの地下で秘密裏に巨大ロボを作っているという話。
そして今回は大学のとある委員会のメンバーが戦隊ヒーローのユニフォームを着る(着るだけ!)というような話です。
研究環境改善委員会のメンバーは、イエロー、ピンク、ブルー、グリーン、レッドの五人と黒幕の委員長。本書は5つの章から成っていて、各章の主人公が委員長を除く研究環境改善委員会のメンバーになっている。
物語はイエローが民間企業から大学の講師に転身してくるところから始まる。今まで企業の研究室という狭い世界で働いてきたイエローは、大学という未知の世界に入ったことによって右も左も良く分からない。言われて参加しているだけの『研究環境改善委員会』。実際に何をやっているわけでもないこの委員会だが、何かがおかしい。突如、身体のサイズを測られて後日、自分にピッタリのサイズのユニフォームが届けられる。えっ、これ着るの?なんで?大学ではみんなこういうの着てるの?おかしいのは私のほう?
というのが第一章の話で、それから続く章で他のメンバーの語りになる。みんなそれぞれ特殊な趣味や特殊な能力などがあって、それが読み進めていくウチに少しずつリンクしてくるんですが、リンクしてもほとんど意味がないところが良いんですよね。伊坂幸太郎だったら、リンクしていった先になんらかの意味がありそうな、うまい展開にもっていくと思うんですけど今作はリンクさせたクセに何もないです(笑)。
いやはや実に面白い。僕はこの『ZOKU』シリーズは大好きなんですけど、『ZOKU』よりも『ZOKUDAM』の方が、そして『ZOKUDAM』よりも『ZOKURANGER』の方が面白いなぁと思うわけなんです。
とにかく、実に馬鹿馬鹿しい話です。ここまでシュールな展開もないでしょう。大学の委員会の一つが、戦隊ヒーローのような格好をして何か奇妙なことをするだけ、基本的にそれだけの話なんですけど、何でこんなに面白いんでしょう。
ストーリーはあってないようなものですけど、ラストに行くにしたがってどんどんと荒唐無稽な展開になっていき、あれ、いつの間にこんな話になったんだっけ?というような展開です。本当に変な作品だなと思います。
実に脱力的な設定・展開の作品ではありますが、舞台となる大学の描写が実にリアルなので、そのギャップも面白い作品です。『ZOKU』シリーズの三作は一応シリーズではありますが、話自体はまったくつながっていないのでどれから読んでも問題ないと思うんですが、作品を追うごとに意味が分からなくなってくる感じが僕は好きなので、できれば『ZOKU』から読んでほしいですね~。
ミステリ以外でも、ごちそうさまです、森先生!
って感じでした。
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研究環境改善委員会のメンバは五人。入れ替わりはなし。ずっとそのまま。ユニフォームの色も、決定済み。正義の部隊が噂になれば、悪事の抑制になる。訓練は怠らない。我々は人類の夢の上に成り立っている。五人揃って、ゾクレンジャ。森博嗣にしか描けない、空前の「戦隊」小説。
・・・何これ(笑)。って感じですね。
前作『ZOKUDAM』、前々作『ZOKU』はもっとギャグ路線だったと思うんですけど、段々シリアスな雰囲気を醸し出してきました。
そもそも『ZOKU』は二人の人間がお金を掛けてお互いにバカなイタズラを仕掛け合うという話で、『ZOKUDAM』は某有名テーマパークの地下で秘密裏に巨大ロボを作っているという話。
そして今回は大学のとある委員会のメンバーが戦隊ヒーローのユニフォームを着る(着るだけ!)というような話です。
研究環境改善委員会のメンバーは、イエロー、ピンク、ブルー、グリーン、レッドの五人と黒幕の委員長。本書は5つの章から成っていて、各章の主人公が委員長を除く研究環境改善委員会のメンバーになっている。
物語はイエローが民間企業から大学の講師に転身してくるところから始まる。今まで企業の研究室という狭い世界で働いてきたイエローは、大学という未知の世界に入ったことによって右も左も良く分からない。言われて参加しているだけの『研究環境改善委員会』。実際に何をやっているわけでもないこの委員会だが、何かがおかしい。突如、身体のサイズを測られて後日、自分にピッタリのサイズのユニフォームが届けられる。えっ、これ着るの?なんで?大学ではみんなこういうの着てるの?おかしいのは私のほう?
というのが第一章の話で、それから続く章で他のメンバーの語りになる。みんなそれぞれ特殊な趣味や特殊な能力などがあって、それが読み進めていくウチに少しずつリンクしてくるんですが、リンクしてもほとんど意味がないところが良いんですよね。伊坂幸太郎だったら、リンクしていった先になんらかの意味がありそうな、うまい展開にもっていくと思うんですけど今作はリンクさせたクセに何もないです(笑)。
いやはや実に面白い。僕はこの『ZOKU』シリーズは大好きなんですけど、『ZOKU』よりも『ZOKUDAM』の方が、そして『ZOKUDAM』よりも『ZOKURANGER』の方が面白いなぁと思うわけなんです。
とにかく、実に馬鹿馬鹿しい話です。ここまでシュールな展開もないでしょう。大学の委員会の一つが、戦隊ヒーローのような格好をして何か奇妙なことをするだけ、基本的にそれだけの話なんですけど、何でこんなに面白いんでしょう。
ストーリーはあってないようなものですけど、ラストに行くにしたがってどんどんと荒唐無稽な展開になっていき、あれ、いつの間にこんな話になったんだっけ?というような展開です。本当に変な作品だなと思います。
実に脱力的な設定・展開の作品ではありますが、舞台となる大学の描写が実にリアルなので、そのギャップも面白い作品です。『ZOKU』シリーズの三作は一応シリーズではありますが、話自体はまったくつながっていないのでどれから読んでも問題ないと思うんですが、作品を追うごとに意味が分からなくなってくる感じが僕は好きなので、できれば『ZOKU』から読んでほしいですね~。
ミステリ以外でも、ごちそうさまです、森先生!
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