お久しぶりです。

少しの間、ご無沙汰してましたが、学校の授業も落ち着いてきたのでまた少しずつブログ書いていこうと思います。本は結構読んでたので書きたいものは貯まってるんですよ。
ペースは落ちると思いますが、ごゆるりとお付き合いください。





というわけで綾辻行人の『霧越邸殺人事件』です。


ノンシリーズもので、これでもかってぐらいド本格ものでした!




霧越邸殺人事件 (新潮文庫)
綾辻 行人
新潮社
売り上げランキング: 86226



内容(「BOOK」データベースより)
或る晩秋、信州の山深き地で猛吹雪に遭遇した8人の前に突如出現した洋館「霧越邸」。助かった…安堵の声も束の間、外界との連絡が途絶えた邸で、彼らの身にデコラティブな死が次々と訪れる。密室と化したアール・ヌーヴォー調の豪奢な洋館。謎めたい住人たち。ひとり、またひとり―不可思議極まりない状況で起こる連続殺人の犯人は。驚愕の結末が絶賛を浴びた超話題作。


























事件は、ある劇団に所属する一行が吹雪の山中で道に迷った挙句にたどり着いた洋館『霧越邸』で起こります。


そこの主は世間との関わりを一切断って暮らしている変わり者の男とその使用人、という不思議な人たちが住んでいて、その洋館の中で劇団の一行は、『自分たちのそれぞれの名前にまつわるものがこの洋館の中に存在している』というふしぎな現象に気がつきます。


洋館に住みこみで働いている医師によれば、この洋館は『生きている』とのこと。住んでいる人間の未来を暗示して、不思議な現象が起こり得る不思議な洋館でした。


その洋館の中で劇団の一行が、一人、また一人と殺されていきます。


それもすべて『見立て殺人』。

北原白秋の詩に沿った殺人現場が意図的に作りだされていました。

そして、どうやらこの洋館には、姿を見せないもう一人の人間が・・・いる??














という話でした。


ページ数的には700ページ以上あるんですよ。


もう本当に重厚な本格ミステリで、吹雪の山中、怪しい洋館、電話は通じない、連続殺人、見立て殺人、っていう、本格のエッセンスを十二分に取り入れていて、とても良かったです。


こういうのを読んでるとニヤニヤしてしまいますね。


ページが多い分、色々と人間関係もややこしくて、特に出てくる人たちが劇団に所属しているせいで、みんな、本名と芸名があるんですよ。なので覚えなければならない名前も2倍なんですよね~(笑)。もう何度も名前を確認してしまいました。こんがらがります。



事件の内容的に言えば、まぁ北原白秋の詩とかをもっと身近に感じていたらもっと楽しかったのかなぁと思います。本当に名前しか知らないので(今作を読めば分かりますが、実はみなさんもよく知ってる歌の歌詞を北原白秋が書いていたらしいですが)、いまいちなんとも言えないですね~。まだ海外の某作のようにマザーグースとかのほうが楽しかったような気もしますが、それをあくまで日本版でやりたい、という作者の本格に関する熱い想いが形になった、ということにしておきましょう!



難易度自体はそんなに高くなくて、まぁ推理しなくても犯人はこいつしかないなと思ってしまいました。作中でもどうにも事件を論理的に解決するというところにイマイチ重心をおいてなかったような気もするんですよね。結構凝った事件だったのに解決はサラッとしていた印象です。


そこらへんよりも特筆すべきは、綾辻行人のホラー嗜好の一面ですね。おどろおどろしい、洋館の雰囲気や、『もう一人の人物』に関する話とか、そういうところで一種の怪談めいた話をさせると本当に綾辻行人はうまいなぁと思いました。




長いので途中で眠くなったりもしますが、本格ものの雰囲気がすき、という方は読んでみても良いと思います!まぁ館シリーズの番外編って感じかもしれません。





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