綾辻行人の『フリークス』です。






アヤツジストにはニヤニヤが止まらない内容でした!!



フリークス (角川文庫)
綾辻 行人
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-04-23)
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内容(「BOOK」データベースより)
「J・Mを殺したのは誰か?」―巨大な才能と劣等感を抱えたマッドサイエンティストは、五人の子供に人体改造術を施し、“怪物”と呼んで責め苛む。ある日、惨殺死体となって発見されたJ・Mは、いったいどの子供に殺されたのか?小説家の「私」と探偵の「彼」が謎に挑めば、そこに異界への扉が開く!本格ミステリとホラー、そして異形への真摯な愛が生みだした、歪み真珠のような三つの物語。





















綾辻行人が『畸形(フリークス)』をテーマに作った3作の短編を集めたものです。


畸形、という言葉だけでなんとなく綾辻行人らしさがプンプンしててニヤニヤしてきますよね(笑)。



ひとつひとつ、あらすじを言っていっても良いんですが、ネタバレしそうなところが多いんですよね~。まぁ1作目と2作目はホラーですよ。ホラーなのにミステリ的オチがついているという意味で、綾辻行人らしいんですね。語るのが難しい理由は読んでみたら分かると思います(笑)。作者の思惑にまんまとハマらないように気をつけてください。『どんどん橋、落ちた』みたいのが好きな人は面白いんじゃないですかね。それよりは薄気味悪い感じではありますが、まぁ許容範囲でしょう。










3作目の『フリークス― 五六四号室の患者』が、とても『本格ミステリ』してて面白かったですよ。



古めかしい館の中でマッドサイエンティストが殺されて、容疑者はそこに住んでいる、殺されたマッドサイエンティストによって人体改造された『畸形のこどもたち』。



手足がない子や、せむし男や、一つ目男などなど。


館の構造的特徴と、殺害現場の状況と、容疑者それぞれの身体的特徴を活かして犯人を論理的に導き出すことができる、綾辻行人らしいミステリですよ。


まぁ読んでみれば分かりますが、論理で犯人を導き出すという点に関しては超初級編という感じだと思います。だいたい、容疑者の身体的特徴から犯人を推理すると言ったところで、一つ目男が、一つ目だからといってアレができるとかアレができないとかありそうにないですし(笑)。



まぁ畸形だからこそアレができた、畸形だからアレが出来なくてそれを隠すためにコレをした、という観点からの推理ですね。






これ、最高傑作っていう人もいるんじゃないかなー。


物語全体にもしっかりとオチをつけてあって、ただのホラーでもただのミステリでもない作品に仕上げているので、まさに綾辻行人にしか書けないミステリだったんじゃないかな、と思います。


僕としては綾辻行人のこういう、「怖い嗜好」「ゆるい遊び」が大好きなので、この系統の作品をもっと出してほしいなぁと思います。


お薦めしときます!!!





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