石持浅海の『君の望む死に方』です。



まずは表紙裏の作者の言葉から。



<著者のことば>
推理小説とは、事件発生と解決を描いた読み物です。その事件が「起きるまで」を丁寧(ていねい)に書こうと思いました。実際に書いてみると被害者も、犯人も、探偵も、みんなそれぞれに努力していることがよくわかりました。あなたは、誰に共感してくださるでしょうか?






君の望む死に方 (ノン・ノベル)
石持 浅海
祥伝社
売り上げランキング: 173063


出版社 / 著者からの内容紹介
私は君に殺されることにしたよ
しかも殺人犯にはしない──。
死を告知された男が選んだ自らの最期。
周到な計画は、一人の女性の出現によって齟齬(そご)をきたしはじめた
膵臓ガンで余命6ヶ月──
〈生きているうちにしか出来ないことは何か〉
死を告知されたソル電機の創業社長日向貞則(ひなたさだのり)は社員の梶間晴征に、自分を殺させる最期を選んだ。彼には自分を殺す動機がある。
殺人を遂行させた後、殺人犯とさせない形で──。
幹部候補を対象にした、保養所での“お見合い研修”に梶間以下、4人の若手社員を招集。日向の思惑通り、舞台と仕掛けは調(ととの)った。あとは、梶間が動いてくれるのを待つだけだった。だが、ゲストとして招いた一人の女性の出現が、「計画」に微妙な齟齬(そご)をきたしはじめた……。

















『月の扉』『扉は閉ざされたまま』などを読んですっかり石持浅海にハマっているところなのでさらに一冊読んでしまいました。


今作は『扉は閉ざされたまま』に続く、倒叙三部作の2作目なので、『扉は~』を読んでないかたはまずソチラを読んでみてください。







今作は、余命いくばくもない会社の社長である日向貞則が、自分の余命の最も有意義な使い方として『動機のある男に自分を殺させる』という決断をします。



ただそれを相手には言えないので、日向は『相手が思わず殺したくなっちゃうような』スキを一方的に与え続けます。

相手の梶原も、日向を殺したい動機があるので社長のスキを伺いつづけますが、二人の思惑は微妙なところで空回りし続けます。


そこへ現れたある女性(『扉は閉ざされたまま』で活躍した彼女)が現れ、その計画をすべて見抜いてしまう・・・。



という話でした。






僕は探偵役の碓氷優佳さんがとても好きなので今回もわくわくしながら読みました。碓氷優佳さんは探偵として究極の目的(のハズ)の『事件が起こる前に事件を解決する』というミッションインポッシブルに挑んでます。



その過程が面白い!!!





いやー、たまんないですね。


ところどころにある論理の糸を手繰り寄せて見事に事件の全貌を見抜いてしまいます。



まぁ微妙な論理もあったかもしれませんが、僕は概ね満足できました。でもまぁ前作のほうが良かったかなぁ。相変わらず動機が弱かった??ふむ。





まだまだ石持浅海の作品は読めそうなのでしばしお付き合いくださいませ。








君の望む死に方 (ノン・ノベル)
石持 浅海
祥伝社
売り上げランキング: 173063








読んだ方・読みたいと思った方はクリックお願いします!!
人気ブログランキングへ