伊坂幸太郎の『アヒルと鴨のコインロッカー』です。




僕はなぜだかこの作品を、読み始めて途中で(というか最初の数ページで)やめるということをもう3、4回繰り返してました。

やっと全部読めた(笑)。


アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)
伊坂 幸太郎
東京創元社
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内容(「BOOK」データベースより)
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。














まぁ物語は伊坂幸太郎の好きな、強盗モノから始まった。本屋に広辞苑を奪いにいく、という至極おかしな計画に乗っかった『僕』の物語と、2年前におこったペット殺しにまつわる『わたし』の物語が交差して、驚愕の真相を導く話。








でもこれさ・・・ネタバレになるかもしれないから一応、反転させておくけど


貫井徳郎”の『慟哭


と似たような手法だよね。








この小説が好きだった僕は読みながらなんだか色んなことに気がついてしまって、物語全体に仕掛けられたトリックも「ふふふ、やはりな」という感じではあった。




だけれどそれでも全体的には面白かったし、『現在』に存在する色んな言葉が『2年前』に誰かが言った台詞であったということが分かるたびに思わずため息が出てきた。
伏線の張り方が、もう、張りすぎじゃね?って言ってしまいたいぐらいによく絡みついていて爽快だった。





「キミは彼らの物語に途中から参加している」
っていうセリフがなんだか好きだった。



この作品はその言葉に全てが内包されていた。





まぁいつも伊坂幸太郎の作品を読むたびに感じるまどろっこしさとかテンポの悪さは感じたけど、色んな言葉の言い回しがいちいちオシャレで格好よかったし、現在の章と2年前の章が交互に置かれていて、冒頭と最後の文がそれぞれ引っ掛けられていたのも細かい芸だけど天才的だと思った。





僕にとってこの作家は、手を出すまでに時間がかかるが読み終わると絶対に楽しいと思える作家なのだと思う。楽しいのは分かっているのにどうも次の作品に手が伸びないんだよなぁ。



でも近いうちに『ゴールデンスランバー』を読もうとは思ってます。もう3カ月ぐらい前に買ったまま積んでいるからね!(笑)。







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