森博嗣のXシリーズの2作目
『キラレ×キラレ』です。




まぁ今までの作品の色んな要素を少しずつ混ぜた・・・というかなんというか・・・まぁ・・・






キラレ×キラレ (講談社ノベルス)
森 博嗣
講談社
売り上げランキング: 91770




内容(「BOOK」データベースより)
「この頃、話題になっている、電車の切り裂き魔なんだけれど―」三十代の女性が満員の車内で、ナイフのようなもので襲われる事件が連続する。“探偵”鷹知祐一朗と小川令子は被害者が同じクリニックに通っている事実をつきとめるが、その矢先、新たな切り裂き魔事件が発生し、さらには殺人事件へと―。犯行の異常な動機が浮かび上がるとき、明らかになるものとは…。Xシリーズ第二弾。







↑とまぁこんなんで、通り魔的な事件ですね。森博嗣の作品では密室ものなどが多く通り魔モノはあんまりなかったと思いますし、まぁ今回のコレが純粋な通り魔モノかと言えばそうでもないですが・・・。



前作、『イナイ×イナイ』では美人双子やら化け物的な人や怪しげな屋敷やら色々と古典的な謎がてんこ盛りでしたが、今回は現代風な味付けでした。いつのまにかこのシリーズのヒロイン役の小川さんが、恋する乙女みたいなポジションを獲得していました。前作からそうでしたっけ??なんだか至るところでキュンキュンしてるので少し違和感がありました。



事件自体は読者が推理しても結局は推理に必要な道具も揃っているとは言い難いので憶測をして楽しむしかないようですね。何人かこいつ怪しいな、と思った人いたんですが悉く外れてました。でも「うわっ、こいつが犯人か!やられたー」という気にも別にならず、「あー、そう」という感じでした。


ただこのシリーズは男性陣のキャラ立ちが半端ないですね。女性読者は楽しいでしょうね。森先生はファンサービスのつもりなんでしょうか??格好良い男ばかりが小川さんの周りを固めています。僕の好きな椙田さんは勿論、鷹知さんも真鍋もいいですなぁ。そしてその間でコロコロと心変わりする小川さんの心の行方を楽しむのがこのシリーズの本来の楽しみ方かもしれませんね。途中、小川さんが事件解決のための取材と称して、椙田さんの過去の女性関係を聞き出そうとして怒られるところがなんだか可愛かったです。


前作同様、今作でもラストにお楽しみがあります。今回は格闘シーンもありました。森作品で格闘シーンがあると初期のS&Mシリーズを思い出します。毎回、萌絵がピンチにあいながらも間一髪のところで助かっていたお約束の展開が、今思えば森作品から抜け出せない原因であったような気がします。




ミステリとして読むよりも・・・って感じですが、最近の森作品について書くと毎回こんな感じのことを言っているような気がするのでやめておきます(笑)。





最後に今回気になったところを紹介します。

「小学生か、と思ったものの、そんな自慢げに言われると三つ入りの枝豆に二つしか入ってなかったときのように、ほんの少しだけ腹が立つ」






こういうフレーズを考えてるときの森先生の顔を見てみたいです。




キラレ×キラレ (講談社ノベルス)
森 博嗣
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