森博嗣のシリーズ外作品

『探偵伯爵と僕』です。

今更ですが。




探偵伯爵と僕 His name is Earl (講談社文庫)
森 博嗣
講談社
売り上げランキング: 169054



内容(「BOOK」データベースより)
もう少しで夏休み。新太は公園で、真っ黒な服を着た不思議なおじさんと話をする。それが、ちょっと変わった探偵伯爵との出逢いだった。夏祭りの日、親友のハリィが行方不明になり、その数日後、また友達がさらわれた。新太にも忍び寄る犯人。残されたトランプの意味は?探偵伯爵と新太の追跡が始まる。










『僕』が探偵伯爵と出逢い、街で発生している小学生の失踪事件の解決に乗り出すっていうだけの話で

270ページほどでまとめたのはさすが森先生!

これだよ、これ!

濃密に話の贅肉をそぎ落としたこの手法。

そして小学生の日記という体裁をうまく表現できていたので

世界観という意味では『ゾラ・一撃・さようなら』と対をなす、森博嗣の真骨頂と言えるでしょう。

あぁ素敵な世界観。

頭いいな、主人公(笑)。


伯爵の言葉使いにイチイチ噛みつくところが面白いです。



「おっ、新太君、いいところにきたな」

「えっ、どこが良い所なの?」


笑笑。



















そして、物語の中盤では死刑について伯爵と『僕』が論じたりする点もとても面白かった。

二人ともいい意見を言ってるし、それがつまりは『大人の矛盾』なんだよなぁ。

子供目線で世の中の不思議に、果敢に飛び込んでいく主人公がとっても可愛らしくて面白い。

そしてその疑問が大人が語りたがらないタブーの領域だったりするから

恥ずかしいやらスッキリするやら・・・。























そして物語の骨格はやはりミステリ。

子供目線なので純然たる『犯人当て』ではないけれど、

真相を知ったら思わず唸る。

そして最後の、伯爵からの手紙で

物語が完全にひっくり返される。




子供目線の、ほのぼのとした一夏の事件簿だったのに



















えっ???


えーーーーーーーーーー!!????





なぜ???


なぜあえてそんなことを????


・・・はぁ・・・。
















って感じになる。


そうか、『それ』が『そう』なら

なんて恐ろしい事件なんだ・・・。

ほのぼのとか言ってられねー。







あー、これは上手い手法だったなぁ




小学生の日記の体裁を取っていたがゆえに急に寒々しいものになったんだなぁ。



衝撃度は即効性は低いけど、スルメのように噛めば噛むほど恐ろしい話です(笑)。


読み終わってから「あーそうですか」と本を閉じてしまう人には面白くないかもしれませんが、色々と考えてしまう人は面白いでしょう。





うーーん、これは傑作。


謎が足りないと言われれば確かにそうですが。


謎がなくなってスッキリしたところで、


ちゃぶ台を思いっきりひっくり返してくれたこの作品











僕は自信を持ってお薦めします!!




文章自体は簡単なので早い人で1時間ちょい

遅くとも2時間ちょいもあれば読めると思うので

今日買って読みましょう(笑)。













ちなみに、僕が自信をもってお薦めしているこの作品の素晴らしさを

最後の最後の最後でひっくり返してくれたのは



































『解説』:アンガールズ田中さん(^-^)/


なぜこの人選・・・。



探偵伯爵と僕 His name is Earl (講談社文庫)
森 博嗣
講談社
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