小田原市消防本部の男性次長(56)と男性警防課長(59)が公務で自家用車を使用し、支給された交通費の返還を滞納していたことが24日、分かった。市は近く、内規違反として2人を処分する。



 市によると、2人は愛知県知多市内で今月4、5の両日に開かれた「第4回緊急消防援助隊全国合同訓練」を視察。消防大学に入校中だった木目田和義消防長の代理で、訓練に参加した消防隊員5人と支援要員3人を「激励」したという。



 市は一人あたり、東海道新幹線小田原―名古屋間往復などの交通費約1万8千円と宿泊費約1万3千円を支給したが、2人は課長の自家用車を使用。東名高速を通って4日午後に現地に入り、5日午後に帰宅したという。



 公務での自家用車の使用は内規に違反し、今月10日以内に交通費を払い戻さなければならなかったが、2人は23日に全額を返還。ともに「車の方が便利だった。返還手続きを失念していた」などと話しているという。市は、2人が公用車でなく自家用車を使用した理由を「不明」としている。



 16日に2人が市消防総務課に返還を申し入れたことで明らかになった。次長は2009年12月、別件で文書訓告処分を受けており、内部からは「反省のかけらすら認められない」と非難の声が上がっている。木目田消防長は「風通しのよい職場づくりに努めたい」とコメントした。