君の涙を拭おうとした事を後悔して僕は言葉を漏らした。
君はいつの間にか居なくなっていたというのは嘘で僕は君が居なくなる姿をこの目で
追っていた。目だけで追っかけて追っかけてそして逆方向へ歩き出したんだ。
世界が回り時間が巡り命も巡った
声は誰かの耳に残ってその場からは消えた。
どこに行くにも地図を持ちたがった僕にそういえば君は「あてが在ったら楽しくないやん」
なんて笑っていたね。僕はそんな君の自由な鳥みたいな姿がどうしようもなく愛しかった
だから僕と言う止まり木を作りたくなかったんだ。
それがもしかしたら僕のわがままだったのかもしれないけれど
君はもう少し僕という止まり木に止まりたかったんだろうけどそしたら君の翼が退化してしまいそうで
ついには飛べなくなってしまうんじゃないかだなんて思ったんだ
空に灰色の雲。揺れるのは悲しみ。
君は飛び立った。僕は君を引き止めなかった。
君の後姿は今もまだ僕の心の中に瞼の裏に留まったまま。