2年くらい前に本屋さんで見かけた本。
そのときは単行本でした。

『世界から猫が消えたなら』 川村元気

大きい本は持ち歩きにくいし、寝転がって読むには重いので、
文庫本になるまで待とう!と買うのを断念。

あれから2年。
出張先の北海道、札幌空港内の本屋さんで再会。
迷わず長時間フライトのお供に。



もし、あたりまえに存在しているものが世界から消えてしまったら。
もし、あたりまえに存在してるものを自分の命と引き換えに消してしまうとしたら。
もし、私が彼なら、いったい何を消してしまうのかしら。

不思議なストーリーなんだけど、
不思議なくらい現実味を帯びているというか、リアルな空気や質感が感じられるお話。


明日、死んでしまうとしたら。
ケータイの電話帳から、誰を選び、話をするだろう?
どんな映画を見て、どこでどんな時間を過ごすのだろう?


毎日をどんなに一生懸命生きても、死ぬまえに後悔するかもしれない。
でも、たくさんの後悔や失敗、叶えられなかった夢や行けなかった場所の積み重ねも、
悪くない人生だったと思えるのかもしれない。

なんとなくゆかいな文面が続くけれど、
すごく大切な何かをもらったような、そんな感じのする本でした。


余談ですが、主人公の相棒の猫が可愛いです。
猫の描写が素敵で、「あぁ~わかるー!」って何度も思いました!


とーーっても素敵な本だったので、色んな人に勧めたいと思いますっ ;)))


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桜坂劇場で『マダム・イン・ニューヨーク』を観てきました♪

なんかやるせない、
でもドキドキ、ワクワク、っていう映画でした。

主人公のインド人女性の美しさに見とれ、
彼女の家族の態度に「むきーっ!」となり、
フランス人にキュン♪
一緒に観た同僚と3人、ワーワーキャーキャーうるさいお客さんだったかも。笑


なんか、女の人って大変よね。
最近、女性として生きることについてよく考えます。

どこにも正解は無いはずなのに、
社会の中にはなぜか女性の生き方の「正解」があるように感じてしまう。
(もしくは誰かにとっての「正解」を押し付けられてしまう。)

それに反抗する気持ちと、自分もそうなりたいと願う気持ち。

自分の「好きなように」生きていけば良いのだろうけど、
それを周囲の人や環境がどれだけ許してくれるのか。
敬意を払ってくれるのか、きちんと尊重してくれるのか。

日々、色んな人や情報や仕事に囲まれて、
あっという間に時間が流れて、「あれ?自分のしたいことってなんだっけ?」ってなったり。


でもね、主人公のシャシは、言うのです。
「自分を助けてくれる最良の人は、自分自身なの。」


結局、自分の心次第なのね。
大丈夫、女の人って強い。
シャシの最後のスピーチが素敵でした♪


個人的には、語学学校に通い、少しずつ英語ができるようになっていくシャシの、
表情や雰囲気の変化がすごく心に残っています :))

留学生活を送った人は、あの変化に共感できるんじゃないかな。
少しずつ自信がついて、少しずつ世界が広がって、新しい仲間が増えていく。
留学時代を思い出し、ひとりしんみりしていました。


2時間ちょっと、まったく飽きずに見入ってしまった映画でした★
桜坂劇場、訪れる度に好きなっちゃいます♪




最近読んだ本。

『陰翳礼讃』 谷崎潤一郎


「いんえいらいさん」と読みます。
何やら難しいタイトル...


以前、デザイン関係の本を読んだ時にこの本について書かれていました。
それ以来、なんとなく気になっていた本。
谷崎潤一郎といえば『痴人の愛』くらいしか思いつかなかった私ですが。
(読んだことも無いんだけれど...)

偶然本屋さんで見かけて、読んでみよう!と購入。
コツコツ読み進め、先週読了。


日本人が持つ「美的感覚」についての谷崎さんの考察。
ほほぅ。とうなずくところがたくさん。

明るさを排除した空間に美を見出す日本人、というのが全体を通して書かれています。
日々の暮らしの中、なぜだか「美しい」と感じる、その感覚を谷崎さんが説明してくれました。


印象に残ったのは、「トイレ」に関する考察。
とにかく、トイレの話が多いのです笑
谷崎さんのこだわりがすごい。

伝統的な日本家屋に住んでいた時代から、
電気などが導入された近代的な住居の生活へと移り変わる時代を生きた谷崎さん。

時代の変遷の中で、日本的な美しさや文化というものがどのように存在し、変化して(あるいは変わらずに)いったのか。


この本を読んで、日本ってやっぱりいいよなぁ。そう思いました。
私の体にも、日本的美しさを感じる血が流れているのね。

ちょっと不便で薄暗くて。どこか曖昧で、でもなぜか心地よい。
日本が持つ「美しさ」の本質は、西洋のそれようなキラキラまぶしいものではないけれど、
不思議と人に安心感を与え、ずっしりと重さを持って引き継がれていると思う。


「グローバルな時代だ!国際社会だ!」などど外のことに関心が行きがちな今日この頃。
私も、身近なものこそ知らないことが多い。
足下にもちゃんと、スポットライトをあて、掘り下げてみるのもいい。

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