よしなしごとの報告。
1 伊藤計劃の「ハーモニー」を読んだ。
私は村上春樹の「1Q84」を読み終わるのに
半年費やすほど、本を読むのが遅い。
(もっとも、そのうち4か月は中断していた。)
もともと漫画を多く読むたちで、
小説は漫画より必然的に展開が遅いので、
なかなか火がつかないタイプだと飽きてしまい、
読むのが遅くなる。
もっとも、そういう本が自分の中で
クソ本として認定されるかというとそうでもない。
漫画もそうだが、最初になんてことない
地味なエピソードを積み重ねておいて、
途中からぐおおおーと盛り上げてくるタイプの
お話があって、そういう話はとても好きである。
あるいは、地味なエピソードの積み重ねが
ある程度の量に達したとき、
状況や運命に翻弄される主人公の中に、
本当に残っていくもの、
あるいは姿を変えていくものが
あらわになるときがある。
そういう話が、とても好きなのである。
で、「1Q84」は頑張って最後まで読んだのに、
なんか結局なんだったんだと
いう気持ちだけが心に残った。
あとはケトルの「村上春樹が好き。」特集号を買って、
それを見ながら友人(現在の同居人)と、
村上春樹ごっこをして
遊んだという思い出しかない。
具体的には、なんてことない動作についても、
必ず3行くらいの
ミステリアスな比喩表現をつけたりして、
松浦弥太郎臭みたいなものを
醸し出すことを競っていた。
村上春樹が嫌いなわけではないので、
ファンの人にはお許し願いたいが、
こと「1Q84」に関しては、どうもそんな印象である。
こんなことを書いているうちに、
「ハーモニー」のことについて
書く時間がなくなってしまった。
今はお昼休みなので、あと5分くらいだ。
なので手短にいうと、
① 別に、今まで長々述べてきたような
タイプの話ではなく、
最初からある程度面白い。
なのでサクサク読めて自分でもびっくりした。
同じSFなのに 「ソラリスの陽のもとに」とか、
「第4間氷紀」 とかに費やした時間が嘘のようである。
② 詳細は検索していただくとして、
国家じゃない小さい共同体みたいのが
構成員の健康に異常なくらい気を使うというディストピアである。
健康を害しがちな自分は読み始めたころは、
「なんか気持ち悪いのは
わかるが、便利かもなー」などと思ってしまった(笑)。
③ 善意であれ何であれ、
個人に「こうあるべき」っていうのを
平然と強いる社会っていやだなあ。
しかも、本作においては、
それを強いてくるのが、「国家」でさえない、
「小さな共同体」みたいなもんであるところが、
、よりタチが悪い。
「国家」よりも、より正しくて、
より草の根で、反抗しにくい。
正しいことは悪いことじゃないけど、
正しさに埋め尽くされた社会は生きづらい。
多少カオスなところの方が、個人には優しいなあ。
④ と、結局小学生みたいな感想しか浮かばない。
面白いのでおすすめでした。
2 時間が来たのでおしまい
なんか全然練れなかったので、このエントリーは後で消しそう。
