アフガニスタン絨毯を個人輸入して大儲け!旅行中にそんな話を聞いた私は帰国後もその突拍子もない話を忘れられないでいた。

 

約八ヶ月に及んだ初めての長期旅行から帰国した後は、リゾートバイトを繰り返しながら次は何をしようか?という事ばかり考えていたのだった。

アフガニスタン旅行はその中の一つだった。

 

使わないかも知れないけれど、と集めだした資料は貯まり、週九十時間働いて、軽自動車の新車が買える位の資金も溜まった。やりたい仕事といえば趣味と実益を兼ねた仕事。例えばアジア雑貨の個人輸入・・・絨毯?

 

もし、上手く成功したら・・、もし失敗して危険なめに会ったら・・、無限の結果を導き出すもし、もし、もし、を考え出すと止まらない。

 

夜を寝苦しくする大きな不安と大きな期待が私に決断を迫る。やる気が起きないのなら、とっとと次の案を練るべきなのだ。

 

しかし、その二つの感情の隙間を埋め尽くすワクワクドキドキと弾む気持ちが行っちゃえ行っちゃえと背中を押して腕を引く。

 

どうせ、今後の予定は無いも同然なのだ。無理だと思ったら途中で引き返せばいいのだ。

 

じゃあ、行こうか。そう決めて、さとうきびから黒糖を作る工場バイトで訪れていた沖縄からタイのバンコクに飛んだのは、旅行中に会った長期旅行者の口から個人輸入の話を聞いた約一年半後のことだった。

 

世界に対する好奇心、自分自身に対する好奇心、金儲けに対する好奇心、それにかこつけての海外旅行。あれも、これも、それも、もっともっと!

 

それは、まるで抑えが効かない25歳の夏の事だった。

参考記事

http://ronflat.ameblo.jp/entry-7c5123e50c4c88074a1956f1d19095d4.html