ラウナバウトの分かれ道に立ちトラックを待つこと15分。カブール方面から荷台にズタ袋や人を満載した一台のトラックが砂煙を上げてやってきた。シンプルすぎるデザインと味気ない暗い渋いネズミ色。ロシア製のトラックだろうか。

 

 

手を挙げてトラックを止め、値段交渉を済ませてトラックの荷台に乗り込む。私が乗り込むとすぐさまトラックは走り出した。相変わらず道は極端な凸凹になっており、なにかにつかまっていないと振り落とされそうだった。時折トラックが横転するのではないかと思うほど車体が傾いた。

 

 

トラックに乗り込み、座り込む場所を見つけて腰を下ろすと、すぐさま隣に座っていたアフガニスタン人の若者がダリ語(アフガンの公用語)で話し掛けてきた。

 

 

「私はペルシャ語が少し分かります。ダリ語は分かりません。」

(ペルシャ語とダリ語は非常に似通った言語で、日本語に例えると関西弁と標準語くらいの違いだと思います。)

 

 

一瞬、怪訝な顔をした若者が何処から来たのかと尋ねてきたので、信じてもらえるだろうか?と恐る恐る本当の事を言うと、若者は目を丸くして右手をこちらに差し出してきた。

 

 

「本当か?日本人には初めてあったよ。友達になってくれないか?」

「はい!はい!もちろん。友達!友達!!!。」

 

 

 カブールでタクシードライバーに信じて貰えなかっただけに、このときは嬉しくて彼の手をがっしりと握り、強くブンブンとシェイクしたのだった。