旅行しながら稼ぐことができたらいいのにな。   

 みんな色々考えます。  アジア雑貨を買って帰って日本の道端で販売する。 ネパールの刺繍Tシャツを好みのデザインでネット販売する。 コストの低い生産販売網を使い、服やかばんなどの旅行者発のオリジナルブランドを立ち上げる。!!!  

 私が目をつけたのは、アフガニスタン絨毯を買い付けて日本で高く売る。わざわざ現地まで直接買い付けに行く人ってそんなにいなさそうでしょゲリラが支配していたアフガニスタンに。ゆくゆくは注文を取り付けて条件に見合った絨毯を買ってくる。そんな絨毯商人になりたかったんです。そこそこの儲け、旅行、大自然、シルクロード、文明の交差点、神秘的な女性達・・・・。全ての魅力的なキーワードがそこに詰まっていると、訪れたこともない国に思いを馳せていたのでした。そんな無鉄砲なお話です。

  インドのヒマラヤ中腹から首都デリーに南下してきた4日後にはパキスタン国境近くの町、アムリトサルに向かったのでした。バスのチケットさえ手に入れば、俗性きわまるデリーには用はありません。少なくともその時の私にとってはそうでした。

  アムリトサルはシーク教徒の寺院が有名で、そこには巡礼用の宿泊施設、大食堂があり、旅行者も利用できるうえに、一日中、無料で食事が振舞われるので(よっ太っ腹!)貧乏旅行者の間では「パキスタンには行かなくとも、ゴールデンテンプルにだけは行け。」と言われるほどの聖地なのです。

  私も、味良しおかわり自由!と言われる食事につられて泊めさせて頂きました。食事は、豆カレー、チャパティー、すっぱいピクルス、ご飯が一皿に盛られて、沢山欲しい人は配膳人に言えば無条件で山盛りにしてくれるという大盤振る舞い。私も貧乏旅行者らしく、限界寸前まで胃袋に詰め込んで、宿泊する寺院敷地内のドミトリーでのっそりと横たわっていました。