モ◆ノ●ク▲ロ■・ダイアリー【ウイング・メイカー編】
AIR TRECK―エア・トレック
ホイールに超小型の強力なモーターを内蔵し、原付に負けない位のスピードが出る。
一見ローラースケートの様だが、それよりも普通のスニーカーに近い見た目をしている。
靴の裏にフレームとホイールを取り付けた感じだ。
だが、中身は複雑で絶妙なバランスをなんとか保っている。
所詮は、高校生の設計、製作。
粗悪なものだ。
それでも、空を翔けるには十分な力を秘めている。
もともとは、個人で楽しむために作ったのに、そのデータがいつの間にか何者かによってコピーされたようで、模造品が出回り始めた。
それがエア・トレックである。
しかし、それは大々的に銘打って販売するのではなく、
あくまで密やかに、秘密裏に売られていた。
エア・トレックを身に着け、仲間とチームを組み、誇り【エンブレム】を掲げ、敵チームとエリアとエンブレムを賭け、奪い合う族を
【暴風族―ストーム・ライダー】という。
先日のような傷害事件は、ストーム・ライダーのチーム間の抗争によくある話だ。
だが彼等は制服。
普通、チームの争いには、チームウェアを着用し、仲間意識を高めるのが常識だ。
ふと、先日の事件を思い出す。
『彼等は…、巻き込まれたのか?なぜ?
いや、もしかしたら…!』
彼が、エア・トレックの普及を進めない理由が、
正にこの事件だ。
彼はエア・トレックの悪用を恐れたのだ。
おそらく、この前の高校生達も犠牲者だ。
『ってことは、またアイツらか。
…やり過ぎだな。』
7月24日
22時17分
渋谷高校 体育倉庫裏
『ハハハハッ!
今日も上物だったぜ~』
『サイッコーだなぁ、こりゃあ!』
『あぁ、サイコ~だ。エア・トレックはよ。』
低い声で笑い話す彼等の足下には、
悪魔に汚された天使が3人、口を塞がれた状態で横たわっている。正に、天使と呼ぶに相応しいほどの美少女が
つい先程、悪魔の餌食となったのだ。
『にしても、よく一ヵ月も続いたもんだ。』
『確かにな。
所詮、噂か』
チーム【デッド・クロス】
最近できたチームで、メンバー6人からなる。
主な活動は、一般人への暴行、恐喝
そして、今のような強姦。
ライダーとしてのレベルも高く、近辺の弱小チームは全て彼等に潰されている。
とても走り始めて1ヵ月とは思えない強さだ。
今では彼等が、渋谷近辺を仕切っている。
月が、雲の隙間から出たそのとき、
体育倉庫の壁に、一人の影が映った。
振り返るとそこには、フェンスの上に乗り、月に映る漆黒のライダー。
この暑い時期に長袖長ズボン。
だが、彼は平然と立っている。
『君らが、チーム【デッド・クロス】か?』
フェンスから下りて歩いてくる相手に、
彼等は自信ありげにエンブレムを見せつける。
『そうか。
君ら、少しやり過ぎだな。』
『!?
ばかな!
噂は、本当だったのか!?』
『翼猟者【電閃・雷皇】!!』
『マズイ、逃げるぞ!』
『いいだろう。
何処へでも行くがいい。
君らの翼は、もう【狩った】から…。』
彼はもう彼等の後ろにいた。
誰にも、今の彼をその目でとらえることが出来なかった。
『なんだ?
今、何が起こった?』
『は、速い!』
『王の名は、伊達じゃない、…か。』
『リニア・ロード―磁力の道―を極めた証、重力の宝【レガリア】を持つ、
重力の王【電閃・雷皇】』
『それでは、良い夜を』
そう言って、彼は去って行った。
その場にいた、6人全員が唖然となったが、外傷はなく、エア・トレックも無事だ。
胸をなで下ろし、帰ろうと、誰かがエア・トレックのエンジンをかけようとした。
『アレ?』
『どうした?』
顔が真っ青になりつつも、もう一度エンジンをかけようとしてみる。
しかし、走り出せない。
エア・トレックのエンジンシステムは、踏み込む力に反応して、モーターが回転し、走り出す。
という仕組みだ。
だが、どんなに踏み込んでも、走り出せない。
彼等の脳裏に、ある一文が蘇る。
―『君らの翼は、もう【狩った】から』―
『…!
あんのやろう…!
゛心臓゛壊しやがった!!』
エア・トレックにとって、エンジンは走るのに、必要不可欠。
正に、゛心臓゛。
『くそぉおおおぉぉぉ!!!』
TRECK.2
=翼猟者―電閃・雷皇⇒
―終―
ホイールに超小型の強力なモーターを内蔵し、原付に負けない位のスピードが出る。
一見ローラースケートの様だが、それよりも普通のスニーカーに近い見た目をしている。
靴の裏にフレームとホイールを取り付けた感じだ。
だが、中身は複雑で絶妙なバランスをなんとか保っている。
所詮は、高校生の設計、製作。
粗悪なものだ。
それでも、空を翔けるには十分な力を秘めている。
もともとは、個人で楽しむために作ったのに、そのデータがいつの間にか何者かによってコピーされたようで、模造品が出回り始めた。
それがエア・トレックである。
しかし、それは大々的に銘打って販売するのではなく、
あくまで密やかに、秘密裏に売られていた。
エア・トレックを身に着け、仲間とチームを組み、誇り【エンブレム】を掲げ、敵チームとエリアとエンブレムを賭け、奪い合う族を
【暴風族―ストーム・ライダー】という。
先日のような傷害事件は、ストーム・ライダーのチーム間の抗争によくある話だ。
だが彼等は制服。
普通、チームの争いには、チームウェアを着用し、仲間意識を高めるのが常識だ。
ふと、先日の事件を思い出す。
『彼等は…、巻き込まれたのか?なぜ?
いや、もしかしたら…!』
彼が、エア・トレックの普及を進めない理由が、
正にこの事件だ。
彼はエア・トレックの悪用を恐れたのだ。
おそらく、この前の高校生達も犠牲者だ。
『ってことは、またアイツらか。
…やり過ぎだな。』
7月24日
22時17分
渋谷高校 体育倉庫裏
『ハハハハッ!
今日も上物だったぜ~』
『サイッコーだなぁ、こりゃあ!』
『あぁ、サイコ~だ。エア・トレックはよ。』
低い声で笑い話す彼等の足下には、
悪魔に汚された天使が3人、口を塞がれた状態で横たわっている。正に、天使と呼ぶに相応しいほどの美少女が
つい先程、悪魔の餌食となったのだ。
『にしても、よく一ヵ月も続いたもんだ。』
『確かにな。
所詮、噂か』
チーム【デッド・クロス】
最近できたチームで、メンバー6人からなる。
主な活動は、一般人への暴行、恐喝
そして、今のような強姦。
ライダーとしてのレベルも高く、近辺の弱小チームは全て彼等に潰されている。
とても走り始めて1ヵ月とは思えない強さだ。
今では彼等が、渋谷近辺を仕切っている。
月が、雲の隙間から出たそのとき、
体育倉庫の壁に、一人の影が映った。
振り返るとそこには、フェンスの上に乗り、月に映る漆黒のライダー。
この暑い時期に長袖長ズボン。
だが、彼は平然と立っている。
『君らが、チーム【デッド・クロス】か?』
フェンスから下りて歩いてくる相手に、
彼等は自信ありげにエンブレムを見せつける。
『そうか。
君ら、少しやり過ぎだな。』
『!?
ばかな!
噂は、本当だったのか!?』
『翼猟者【電閃・雷皇】!!』
『マズイ、逃げるぞ!』
『いいだろう。
何処へでも行くがいい。
君らの翼は、もう【狩った】から…。』
彼はもう彼等の後ろにいた。
誰にも、今の彼をその目でとらえることが出来なかった。
『なんだ?
今、何が起こった?』
『は、速い!』
『王の名は、伊達じゃない、…か。』
『リニア・ロード―磁力の道―を極めた証、重力の宝【レガリア】を持つ、
重力の王【電閃・雷皇】』
『それでは、良い夜を』
そう言って、彼は去って行った。
その場にいた、6人全員が唖然となったが、外傷はなく、エア・トレックも無事だ。
胸をなで下ろし、帰ろうと、誰かがエア・トレックのエンジンをかけようとした。
『アレ?』
『どうした?』
顔が真っ青になりつつも、もう一度エンジンをかけようとしてみる。
しかし、走り出せない。
エア・トレックのエンジンシステムは、踏み込む力に反応して、モーターが回転し、走り出す。
という仕組みだ。
だが、どんなに踏み込んでも、走り出せない。
彼等の脳裏に、ある一文が蘇る。
―『君らの翼は、もう【狩った】から』―
『…!
あんのやろう…!
゛心臓゛壊しやがった!!』
エア・トレックにとって、エンジンは走るのに、必要不可欠。
正に、゛心臓゛。
『くそぉおおおぉぉぉ!!!』
TRECK.2
=翼猟者―電閃・雷皇⇒
―終―
モ◆ノ●ク▲ロ■・ダイアリー【ウインド・メイカー編】
7月20日
午後11時52分
花火大会が終わり、帰宅する人達で賑わう渋谷のスクランブル交差点に、突如救急車のサイレンが響き渡る。
交差点から数十メートル進んだ先、
人通りの多い現場には、全身アザだらけの男子高校生3人が頭から血を流して倒れていた。
目撃者によれば、彼等は突然『空』から降ってきたそうだ。
話を聞いた警官は首を傾げる。
無理も無い。
近辺のビルから飛び降りても、よもや広い車道の、それもど真ん中に落ちるなど到底人間には不可能な神業である。
迷走する警官達をよそ目に、たまたま現場に居合わせた『彼』は、高校生達の足下にふと目をやった。
そこには確かに『アレ』があった。
すでに原形を止めてはいないが、その残骸が。
『またか…。
とうとう高校生でも、簡単に手に入るまでに広まっちまったか。
【自由への代価】とは、これほどまでに高いものなのか…、!』
『この大空を、いつか自由に翔けることが出来たらな…。』
ある日、彼は思った。
『疾走感に満ち溢れた、翼があれば…。』
そうして、彼はコレを完成させた。
AIR TRECK【エア・トレック】
『オレが欲しかったのは、こんなものじゃない!』
日に日に、数多の【疾走者・ライダー】の血に染まりゆく、暗く深淵なる夏の夜空を見上げながら、
『彼』は、悲しみに更けた。
Trick.1
=血塗られた夜空⇒
―終―
午後11時52分
花火大会が終わり、帰宅する人達で賑わう渋谷のスクランブル交差点に、突如救急車のサイレンが響き渡る。
交差点から数十メートル進んだ先、
人通りの多い現場には、全身アザだらけの男子高校生3人が頭から血を流して倒れていた。
目撃者によれば、彼等は突然『空』から降ってきたそうだ。
話を聞いた警官は首を傾げる。
無理も無い。
近辺のビルから飛び降りても、よもや広い車道の、それもど真ん中に落ちるなど到底人間には不可能な神業である。
迷走する警官達をよそ目に、たまたま現場に居合わせた『彼』は、高校生達の足下にふと目をやった。
そこには確かに『アレ』があった。
すでに原形を止めてはいないが、その残骸が。
『またか…。
とうとう高校生でも、簡単に手に入るまでに広まっちまったか。
【自由への代価】とは、これほどまでに高いものなのか…、!』
『この大空を、いつか自由に翔けることが出来たらな…。』
ある日、彼は思った。
『疾走感に満ち溢れた、翼があれば…。』
そうして、彼はコレを完成させた。
AIR TRECK【エア・トレック】
『オレが欲しかったのは、こんなものじゃない!』
日に日に、数多の【疾走者・ライダー】の血に染まりゆく、暗く深淵なる夏の夜空を見上げながら、
『彼』は、悲しみに更けた。
Trick.1
=血塗られた夜空⇒
―終―
モ◆ノ●ク▲ロ■・ダイアリー
毎日が退屈だ…。
やりたいことも、興味のあるものも、何一つない。
小さな楽しみは、母親ぶってくる意味深な人に摘み採られる。
ホントに、
もう飽きた…
生きる気力さえない。
もう、何もしようと思わない。
ただずっと、眠って居られたら…
そう、
永遠に…
やりたいことも、興味のあるものも、何一つない。
小さな楽しみは、母親ぶってくる意味深な人に摘み採られる。
ホントに、
もう飽きた…
生きる気力さえない。
もう、何もしようと思わない。
ただずっと、眠って居られたら…
そう、
永遠に…