そこで、その方は現在の家を売却して残りの住宅ローンを返済し、新しい住まいを探すことを計画しました。しかし、いざ不動産業者に査定を依頼してみると、驚愕の事実が明らかになりました。その土地はもともと価値の高い場所ではなく、また、建物の価値も年数の経過とともに大幅に下がっていました。その結果、建物の評価額は購入時の金額の3分の1以下にしかならなかったのです。

このため、売却によって得られる金額は当初の予想を大きく下回り、残っている住宅ローンを全額返済するには到底及びませんでした。結果として、次の住まいを購入するための資金計画にも大きな影響を及ぼし、新しい生活を始めるための準備が難航することとなりました。

日本の社会では、車などの高額な買い物においても、同様の結果を招くことが多々あります。多くの購入者は利便性や生活のスタイルを重視して検討するため、家の価値は予算に合わなければ、売却側が購入者の予算に合わせるしかないという状況が頻繁に発生します。さらに、買い取り業者に売却する場合は、さらに低い買取金額で買い取られ、抵当権すら消失する可能性があります。

家を資産として築くために最も大切なことは、世間相場に合った金額で購入しているかどうかです。多くの人は、自分たちが支払った金額に見合った価値があると考えがちですが、実際にはそうではないことがほとんどです。本当に資産価値を築く家づくりをするためには、以下の点を考慮する必要があります:

  1. 市場調査:購入前に、周辺地域の不動産市場を徹底的に調査し、適正価格を把握すること。
  2. 立地条件:利便性や将来的な発展性を見込んだ立地を選ぶこと。学校、病院、公共交通機関などの近くにあると評価が高くなりやすいです。
  3. 建物の質:単にブランドや見た目に惑わされず、耐久性やメンテナンスコストを考慮した建物を選ぶこと。
  4. 将来の売却計画:購入時から将来の売却を見据えた計画を立てておくこと。将来のニーズを予測しやすい物件を選ぶことが重要です。

これらのポイントを押さえた上で家づくりをすることで、将来的に資産価値を維持しやすい住宅を手に入れることができるでしょう。