『japan蒔絵~宮殿を飾る 東洋の燦めき~』展
先日、東京ミッドタウン に行ってまいりました。
今回ご紹介するのは『japan蒔絵』展!
松の内が過ぎ、お重やお屠蘇セットを片付けられた
ばかりの方も多いことでしょう。
現代の女性に身近な蒔絵のイメージは、お雛さまの
お道具でしょうか。
箪笥や鏡台、裁縫箱、茶道具、籠、重箱、牛車・・・
さて、この展覧会はなぜ『japan蒔絵』なのか・・・
陶磁器が「china」と呼ばれるように、西洋では、
漆器を「japan」と呼んでいました。
日本の漆工芸はそれほどまでに世界的に名高く、
人々に浸透していたのです。
特に、金銀を用いて漆黒の地をきらびやかに飾る
蒔絵は、西洋の人々を魅了し、特注品が作られる
ほどでした。
楼閣山水蒔絵コモド
ヴィクトリア&アルバート美術館蔵
© V&A Images/ Victoria and Albert Museum, London
フランス王妃マリー・アントワネットなど王侯貴族は、
蒔絵を求め、宮殿を飾りました。
マリー・アントワネットの肖像
ジョセフ・デュクルー
ヴェルサイユ宮殿美術館蔵
© Photo RMN - © Gérard Blot
この展覧会では、ヴェルサイユ宮殿美術館や
英国貴族の館バーリーハウス、スウェーデン王室、
ザクセン公アウグスト強王ゆかりの宮殿などが所蔵
する貴重な優品が一堂に集められています。
必見は、「マザラン公爵家の櫃」!
マザラン公爵家の櫃
ヴィクトリア&アルバート美術館蔵
© V&A Images/ Victoria and Albert Museum, London
ふんだんに施された縁取り模様の櫃には、
『源氏物語』の「賢木」「蓬生」「胡蝶」「野分」や
『曽我物語』の「富士の巻狩」を題材にした意匠が
ちりばめられています。
西洋人には、これらの意匠がどれだけわかっていた
のでしょうか。
この作品にすっかり魅了されてしまいました
後半の香合や沈箱などの小品の数々は、実際に
ほしいと感じる方も多いでしょう
ヴェルサイユ宮殿美術館蔵
© Photo RMN - © Thierry Ollivier
珍しかったのは、「漆の間のあるドールハウス」
漆の間がすばらしいのは言うまでもなく、
漆とは関係のない子供部屋の中にさらにミニチュア
のドールハウスが飾ってあることを発見!
細部までじっくりご覧いただくことをおすすめします。
おかげさまで、蒔絵の歴史をしっかり学ぶことが
できました。
繊細で華麗な黄金の美は、ぜひ本物をご覧いただき
たいと思います。
日本が世界に誇る芸術、蒔絵!
会期 : 1月26日(月)まで
場所 : サントリー美術館
(六本木・東京ミッドタウン)
(ガレリア3階)
「japan蒔絵」公式サイト ←詳細は、青字部分をクリック!
素晴らしい蒔絵をご鑑賞後は、そのまま3階の店舗
をのぞいてはいかがでしょうか?
モダンな和小物などのお店が何軒もあって
楽しめますよ。
ロマリン