天の音楽を聴く

日本人の作曲家、Ｓ氏のお話。
彼は四歳からピアノ、バイオリンの英才教育をうける。
十代で日本人には無理だと言われていた交響曲の作曲を始める。
しかし、耳が聴こえにくく二十代で全聾となる。
今、その交響曲が世界で注目を集めている。
この話をＭさんが始めた。
ヒーラーのＥさんは彼の名前を見て
「この方はベートーベンですね。」
Ｅさんは名前を見て、その人の過去世がわかる。
Ｓ氏にベートーベンを感じるという。
突然、「あ、こんなところに。」
Ｍさんの後ろから取り出したのは、なんとベートーベンの自伝。
Ｅさんの息子さんが図書室から借りて来ていたらしい。
偶然？ いやいや必然。
自伝の後ろに載っている年表を見てみる。
音楽を始めた歳。耳が聴こえなくなった歳もだいたい一致している。
「ベートーベンは人生にまだやり残したことがあったんです。今回の生はその続きですね。時代を越えて、今に続きをしに来ていますね。」
そう言えばＳ氏はベートーベンの再来と言われているとか。

Ｓ氏は耳鳴りもひどかったらしい。
Ｅさん曰く、「耳鳴りは自分の生まれ星からのメッセージが、信号音となって届いていることが多いです。」

そう言えばＥさんも子供の頃から、夜になると耳鳴りに悩まされ、夜も眠れなかった程らしい。
「誰でも生まれ星からメッセージを受け取っているんです。ただ、無意識にボリュームを下げているので聴こえていないだけです。私や彼はそれが出来ないんです。」

そして私も、とてもとても静かな夜など、あまりに静かすぎて頭の中に、何か金属音が聴こえてくるような気がして、わざと音を出したりして聴こえないようにしてたっけ。
金属音が聴こえたことなど、一度もないはずなのに。

「彼の耳鳴りは、天の音楽を聴くためです。」
Ｓ氏は耳鳴りが聴こえる前は、頭で作曲をしていたけど、耳鳴りがするようになってからは、耳鳴りの合間に天から降りてくる音を聴き、書き留めている、と言っていたそうだ。
天の音楽を奏でることが彼の役目なのだね。

そしてＥさんも音楽をやっている。

Ｓ氏はベートーベン時代をいれて四度位しか地球での転生はないらしい。
まさにこの地球に、天の音楽を奏でるために来ているんだね。

だけど、彼だけではない。
この地球の一人ひとりが、確かに役目をもって来ているはず。
どんな小さな役目でも、なくてはならない役目。