1年を通して楽しみにしている行事がある。
時期は不定期だけれど、タルトクリエーターとのスイーツ交換だ。
だいたいスイーツを専門としていない私が、タルトの専門家と交換するなんておこがましいことと100も承知の上だけれど、
ちょいと人生の先輩風を吹かせてもらっている。
今年はさい先のスタートダッシュも小気味よく、1月早々の交換を催した。
彼女からは新春ふさわしいいちご、苺、イチゴ!のいちごだらけで4種のタルトが届いた。

$エッセイスト料理家ROMAKOの『好きな人と好きなモノを好きな時に好きなだけ食べる』-イチゴタルト4種

どうにもこうにもイチゴの魅力全開で、ストレートにその姿、香り、色、に胸がきゅんきゅんする。
いっぺんに恋に落ちてしまいそうになるくらい、圧倒されるほどのイチゴ。
それが4種類にもデコレーションされて個性を伸ばされて、プロデュースされた女優のように私を誘う。
私が応えられるのは、ストロベリーフレーバーティを用意するくらいで、あとはキレイに切って盛付けて、
クリエーターに成り代わって一緒に舌鼓を打つ友人たちに振る舞うだけだ。
お決まりの愛でてため息、一口頬張ってため息つく食べ手を見られるこの作り手の冥利を、
一身に受け止められる大役にほくそ笑みつつ感謝したい。

それに返す私からのスイーツはアポーパイ、・・・でもこれは、送らなかったアポーパイ。

$エッセイスト料理家ROMAKOの『好きな人と好きなモノを好きな時に好きなだけ食べる』-オープンアポーパイ

私がスイーツを作る時は女心を大事にする。
料理を作るのと想いが違う。
料理は、端的に言えば『お疲れ様。』
スイーツは、『愛してる。』
目には見えず手には感じさせられないけれど、そこはかにハートを散りばめ大好き!と叫んでいる自分を投影させている。
そして、女なのだ。
だから想いを残す。
すっと引き際を見せて、余韻という余裕をかもす。
それでも、私はここにいると叫ぶ。
一緒にいてと願う。

味わうという行為はご一緒がいいの、そんな想いを残して。
送らないオープンアポーパイも、焼きました。