打合せが無くなった。
すっかり人と会うつもりになっていたボルテージは、人に会わないと下がらない。
そうゆうときは、司テンテーの呪文“逢いたい人には必ず逢えます”を思い出し、携帯をオープンする。

「もしもしROMAちゃん!?うれしい!私も今電話しようと思ってたとこ!」

弾む声が電話の向こうから聞こえた。
「久しぶり」ではなく、こんな風に電話を取れる彼女は素敵だ。
21:00に会う約束が決まった。
逢いたい人に会える、途端に幸せのボルテージが上がる。
彼女は、私が髪の毛を短くしたことを知らない。
なんて言ってくれるだろう、そんなちょっとドキドキも抱えて店に向かった。
シャンデリアが下がる店は、女子で埋め尽くされギャルソンたちがその尖った鼻を近づけている。
『彼女が来るから、それまでは泡をください。』とお願いをして、しばし人間ウォッチングに興じる。
傍らには向田邦子の文庫もあるのだけれど、やはり人の観察はおもしろい。
世の中いろんな人だらけだと、目が泳ぐ自分が止まらない。

「ROMAちゃん、お待たせ!」

ギャルソンに誘われ、私の元に近づいてくる彼女。
良かった、とても元気そうだ。
お互いの元気を祝し、ポンポンとグラスの泡を2杯ずつ空ける。
      好きな人と好きなモノを好きな時に好きなだけ食べる-お野菜好きな人と好きなモノを好きな時に好きなだけ食べる-バーニャカウダ
      好きな人と好きなモノを好きな時に好きなだけ食べる-砂肝好きな人と好きなモノを好きな時に好きなだけ食べる-ベーコン
$好きな人と好きなモノを好きな時に好きなだけ食べる-まぐろ

      好きな人と好きなモノを好きな時に好きなだけ食べる-キッシュ好きな人と好きなモノを好きな時に好きなだけ食べる-リゾット
バーニャカウダ、砂肝アヒージョ、ベーコンのサラダ、マグロの香草パン粉焼、
ゴルゴンゾーラのキッシュ、ポルチーニのリゾットを、頬張りながら語り合う。
近況、状況、仕事、恋愛、出産、とにかく女子事情のあれこれ。

そしてハウスワインを2本空けたら、お店が閉店時間になっていた。
それなのに、ギャルソンがテーブルから離れない。
彼女の後ろに立っているので『彼女のことを気に入った?』と聞こうと思ったら、

「お二人がお強くて…。」

…と、そっちに興味を惹かれたらしい。
よく言われますと、苦笑いをして店を後にした。
やっぱり時間が足りないね、でも終電だねと、駅までの100メートルを惜しんだ。

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$好きな人と好きなモノを好きな時に好きなだけ食べる-パー券