メロンパンナは無事だったが、落ちた先で目にしたとてもきれいなピンクの花に目を奪われる。
パン工場でジャムおじさんに調べてもらうと、それは、10年に一度しか咲かないまごころ草の花である。
「うーん!驚いたなぁ、これはまごころ草の花だ」
メロンパンナ&アンパンマン「まごころ草⁉︎」
「10年に1度しか咲かない珍しい花だよ」
「へぇーよく見つけたね、メロンパンナちゃん」照れるメロンパンナ。
まごころ草は、人に優しく人に尽くす力があると言われているらしい。ジャムおじさんは何かを閃き、アンパンマンにヤギおじいさんのところへ一番いい小麦を引いてもらってくるよう言う。ということは、新しいパンを焼く、つまり新しい仲間ができるということだ。メロンパンナは嬉しそう。ジャムおじさんは、まごころ草を見つけたメロンパンナに捧げると言うと、メロンパンナは大喜び。チーズとテーブルの上で踊る。
が、この様子を盗み見しているものが。それは、バイキンクモメカである。バイキン城のモニターからクモメカの様子を見ていたばいきんまん、新しい仲間と聞いて、まごころ草だと聞いて、虫唾が走る。ばいきんまんは、アンパンマンたちの仲間を作らせないためにどこかへ出かける。
と、何かにぶつかりかける。それは、バイキン仙人とドキンちゃんだった。
バイキン仙人「どうかのう?ちゃんと修行しておるか?」
「(面喰らう)あー、もちろん、今日は何の用で?」
ばいきん仙人「へへへっ、いやぁ、ドキンちゃんがドライブにいきたいと言うもんでな」
「フルスピードですっ飛ばしたの、気持ちよかった~」
「ちぇっ、気楽だよな、大事件が起きようとしてるっていうのに」
バイキン仙人「なんじゃ、大事件って?」
「いいえ、いいえ、別に」
バイキン仙人「まごころ草のちからを消すには、バイキン草を使うといいんじゃがな…」
「えっ⁉︎どうしてまごころ草のことを?」
バイキン仙人「バカもん、わしにはなんでもお見通しじゃ。いいか?このバイキン草には悪い心を作る力があるんじゃよ。(ばいきんまん「ってことは?」)アンパンマンの仲間を作ったつもりがばいきんまんの仲間を作ってしまったということに」
「あっそっか!」
「なんか分からないけど、面白そう」
そして、ばいきんまんは、バイキン草の在り処を仙人に聞く。
名前が分からないが、先がラッパみたいに頭でっかちで下が細い岩山がたくさんあるところに連れられ、岩山に登らされているばいきんまん。「ほんとにこんなところにバイキン草があんのかよ。ったく、バイキン仙人め、何でUFOで取りに来ちゃいけない…」
ばいきん仙人「すぐに楽をしようとする精神がなっとらん。汗を流してこそ修行になるというもんじゃよ」
頭にきたばいきんまんはダッシュで登る。てっぺんに到着するも、バイキン草は咲いていない。「バカモン、通り過ぎとるわい」とバイキン仙人。下を見ると、だいぶ遠ざかっていた。
さっさと行かんかとバイキン仙人に怒られ、走って降りて取りに行く。ゲットするも、地上にぶつかる。花をゲットしたことを確認したバイキン仙人は、「うむ、いい根性じゃ」と褒める。
バイキン城。バイキン草でエキスを作るのに成功したばいきんまんとドキンちゃん。
エキスをパンに混ぜて、それがばいきんまんの仲間になるのが楽しみと言う2人。と、「何が楽しみなんですか?」とホラーマンがばいきんまんのUFOから姿を表す。どうやって入った!笑
ホラーマン、エキスを見つけ、ジュースと勘違いしてばいきんまんと取り合いになる。花畑まで取り合いっこになり、エキスを思わず花畑にこぼしてしまう。エキスがかかってしまった部分は、変な植物に化してしまい、ばいきんまんたちはバイキン草の効果を悟る。
「あっらっらっ…」
「すごい効き目」
「なーっ、これだけ⁉︎」
勿論、ホラーマンのせいなので、2人はホラーマンに制裁を与える。
一方、パン工場ではジャムおじさんがパンをこねている。バタコさんが生地にまごころ草の花粉を入れる。
「どんなパンができるのかな、楽しみ!」
「ふふっ、きっとメロンパンナちゃんのいいお友達になるわ」
「私、友達もいいけど、お姉ちゃんがほしいなぁ」
「あら、じゃあ、私にとっては妹ってことかしら?」
「あー、楽しそう。3人で仲良くしようね」
「ええ」
「あれ、僕たちのこと、忘れてるよ」
「アンアンアンアン」
「(バタコさんと笑う)ごめんなさい」
「よし、これでしばらくねかせておこう、バタコ、お茶を入れておくれ」
「はい」
「ねぇ、ジャムおじさん、私もパンが焼きあがるとこ見られるよね?」
「勿論、実はね、名前はもう決まってるんだよ」
「わぁ!なんで名前ですか」
「ロールパンナちゃんって言うんだ」
「あっ!私の名前と似てる」
「だって、お姉ちゃんですもの」
「あっそっか」
(一同の笑い)
その隙に、バイキンクモメカがパン工場に忍び込み、バイキン草のエキスを生地に注入…!勿論、ばいきんまんたちの仕業。
「よし、うまくいったぞ」
「量は少ないけどあの効き目だもんね」
「これで生まれてきたロールパンナがどんな悪者になるか…」
2人「(笑い声)おっ楽しみ~!」飛んでいく。
その夜、パン工場。
「うーん…おかしいなぁ、どうも具合が良くない」
「ふくらみが悪いみたいですね」
「少し温度を上げてみたら?」
「うーん…」
「あのね、あのね、ジャムおじさん。私のメロンジュース、ダメかな?私のメロンジュース、ほんの少し入れてみたら、うまくいかないかな?」ジャムおじさんは賛成する。そしてメロンジュース注入。
「ロールパンナおねえちゃん、私、メロンパンナ。会えるの楽しみにしてるからね、仲良くしようね。一緒に遊ぼうね」
ついに焼いてみる。メロンパンナはあんなに楽しみにしていたのに寝てしまった。
「それにしても今日はいつもと勝手が違う。うまく焼けるかどうか、心配だよ」アンパンマンたちも不安になる。
風が強くなり、空模様が悪くなる。
「変ねぇ、急に空模様が」
「え?さっきまで晴れてたのに」
と、かまどが音を立て、光りだす。
「ジャムおじさん!」
「これは一体⁉︎」
かまどがさらに光りだす。そして雷がかまどに落ち、大爆発!!そこにいたのは、ロールパンナ。
「おぉ、ロールパンナ」
「ロール…パンナ?」これがロールパンナの第一声。
後半へ、続く。