　うちの側の駅から金澤へ夜行バスが出ているのが分かったので、3日間（行きと帰りは車中泊で計4泊）行って来ました。能登に行くのはかれこれもう34年ぶりになるだろうか。夏に家族で海水浴に行って以来なので、ほぼ全く覚えていない。写真の兼六園も行ったようではあるが、それも同じく覚えていない。

　能登半島も金澤まで来ると被害は全く受けていないようで、普通に観光地として栄えていた。外人さんがやたらと多かった。それは日本各地もおそらく変わらないだろう。いや…そうでもないのかもしれない。近江市場では閉まっている店が多く、私の行こうとした金澤カレー屋も既に閉店していた。被災県への旅行の自粛という事で、そ　被害が出ているわけでもないここへの旅行者が減ってしまったのだろうか？　本当のところはどうかは分からないが…

　一泊目に泊まった安宿はスタッフ・客含めて外人さんばかりだった。日本にいるのに海外旅行をして来たような感じだ。私の寝るベッドの側で外人さん達（知り合い同士ではないように見えた）が何やら話している。英語ではない。よくは分からないが、ドイツ語だろうか？　「●❌〜シラカワゴウ…」と、そこだけ何を言っているか分かった。彼女はこれから岐阜に行くようである。彼らと慣れない英語で交流している時間は残念ながらない。明日は7時に金澤駅に集合し、ボランティアバスに乗る。かなり駅から離れているところにある宿なので、5時起きで駅まで行かねばならないからだ。

　予め市の社協が募集するボランティアに応募しておいたので、駅からバスに乗り、タダで七尾まで行く事が出来た。七尾市文化ホールがボランティアセンターになっており、そこでヘルメットやら靴のインソールやらゴーグルやら足りないものを補充し、被災者で片づけの需要のあるお宅へ行く事になる。水道がまだ復旧していないらしく、ホールのトイレは簡易型になっており、近くの即席プールからバケツで水を汲み流すようになっていた。

　その日は2件のお宅にうかがった。七尾市はゴミの分別が厳しく、集めたものをまた振り分ける事にかなりの時間を使う事になってしまった。長くここでボランティアをやっている人の話では、その日はかなり人がいたので、楽に事が進んだのだという。

　終わった後一人七尾の街を行く。たまに街中に土台がひしゃげて潰れたようになった建物があった。地面が折り畳まれたように窪んだ場所もあった。しかしニュースで見た情報を超えていない。七尾は輪島や珠洲のような奥能登と比べると、まだまだ被害の少なかった場所のようである。

　ここで13年前の東日本大震災の後、釜石を訪れた時の記憶が蘇る。5/20.21辺りだったので、当時のちょうど今頃の事だった。3/11から2ヶ月ちょい、今回は既に5ヶ月近く経っている上に、ここは特に津波の被害もないので、事情は少し違って来る。釜石の駅前は特に何ともなく、マイヤというスーパーは普通に営業していたものの、海岸に一定以上近づくと途端に北斗の拳の世界ような崩壊したビルや瓦礫の山が現れた。とにかく津波の被害が当時のそこは酷かった。今回はそういった事はなかった（輪島や珠洲に行けばそのような惨状を目の当たりにできただろう）。

　ここでふと思う。今回の奥能登は本州の外れとはいえ、半島の真ん中がくびれたようになっていて交通の便が悪いとはいえ、面積的にはごく一部である。東日本大震災の時は東海岸沿い一帯というとてつもなく広大な地域だった。そこも兵庫のような都会ではなく僻地だった。それなのに復興がこれだけ速く進んだというのに、能登では何故それが無理なのだろうか？　13年経った日本の劣化ぶりがここで際立つ。当時よりも少子高齢化が進み、しかも人口が350万人以上減った現在では、僻地の被災地を賄えないのだろうか？

能登半島に行って来ました。