本校高等部の入学試験が終わりました。
外部からの受験生に加え、中等部から高等部への内部進学生も同じ試験を受けます。
その目的は、試験後に御家庭へ送付される手紙を読むと分かるのですが、
・本受験により、高等部への進学を認める
とある通りです。儀礼的ではありますが、通過のための条件です。
さて、どうにもうだつが上がらない2人の生徒がいました。
教頭の今玉デ-ブは、職員会議で言いました。「この生徒は、高等部への進学を認めません。」
そして同時に、御家庭との遣り取りがありました。
教頭「このままですと、高等部に進級できません。本校の入試を受けるのではなく、他の高校を探して下さい」
父親「そこをなんとか、入試を受けさせてください」
教頭「受けても、殆ど合格の可能性はありませんよ」
父親「それでも、受けさせてください」
というわけで、生徒は入試に臨みました。
さて、合否判定の会議の場で。進行役の木林先生が言います。
「この生徒、審議するまでもなく、『進学を認めません』と決まっておりますので、不合格」
他の先生から質問が出ます。
「保護者には、不合格となることを予め伝えてありますか」
教頭が答えます
「ええ、たとえ入試を受けても殆ど不合格になります、と伝えました」
こうして、2人は不合格が決定したのです。いえ、もとより不合格は決定していたのです。
殆ど不合格、の意味を、もしかしたら合格の可能性がある、と勘違いしてしまうのが、ニポン語の難しいところです。
