とあるニポン人学校

とあるニポン人学校

愛國6卿です。ニポン語を話すイギリス人教師から看た、ニポン人学校の不思議な日本語と、日常の滑稽さを綴り候。

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本校高等部の入学試験が終わりました。

外部からの受験生に加え、中等部から高等部への内部進学生も同じ試験を受けます。

その目的は、試験後に御家庭へ送付される手紙を読むと分かるのですが、

・本受験により、高等部への進学を認める

とある通りです。儀礼的ではありますが、通過のための条件です。

 

さて、どうにもうだつが上がらない2人の生徒がいました。

教頭の今玉デ-ブは、職員会議で言いました。「この生徒は、高等部への進学を認めません。」

そして同時に、御家庭との遣り取りがありました。

教頭「このままですと、高等部に進級できません。本校の入試を受けるのではなく、他の高校を探して下さい」

父親「そこをなんとか、入試を受けさせてください」

教頭「受けても、殆ど合格の可能性はありませんよ」

父親「それでも、受けさせてください」

 

というわけで、生徒は入試に臨みました。

さて、合否判定の会議の場で。進行役の木林先生が言います。

「この生徒、審議するまでもなく、『進学を認めません』と決まっておりますので、不合格」

他の先生から質問が出ます。

「保護者には、不合格となることを予め伝えてありますか」

教頭が答えます

「ええ、たとえ入試を受けても殆ど不合格になります、と伝えました」

 

こうして、2人は不合格が決定したのです。いえ、もとより不合格は決定していたのです。

殆ど不合格、の意味を、もしかしたら合格の可能性がある、と勘違いしてしまうのが、ニポン語の難しいところです。