カンバンを立てるとかハリガミを貼る行為というのは，自分の意見を公にして訴えかけるということでありますね。ただ，街頭にたって演説するわけではなく本人はその場にはいないわけで，ある意味匿名性というか匿顔性を持ったものであったりするわけでした。
それゆえ，ある程度大胆な発言ができたりするわけでありますけれども，自分の意見を公にする以上はそれなりの覚悟というものが必要であろうと思われるんでした。その辺は，ネット上の発言でも同じことでありますね。
そんなわけで，最初の物件。小学校のグラウンドわきのフェンスに貼られているハリガミであります。
「犬をグラウンドに入れないでください。 フンが落ちていて子どもたちが迷惑しています。」
とのことなんでした。
「犬をグラウンドに入れないでください。 フンが落ちていて子どもたちが迷惑しています。」
とのことなんでした。
まぁ，もっともなご意見であります。
体育の授業中に犬のフンを踏んで転んだりしたら，その日から彼のアダ名はウンコ君になるかもしれない。
サッカーボールにフンがついてしまったのに気づかずフリーキックをして，ゴールキーパー君に一生のトラウマを背負わせることになるかもしれない。
つまずいて手をついたところにほかほかのフンがあって，指の間からニュルリと出てきた感覚が忘れられずに，そういう嗜好をもった大人になってしまうかもしれない。
それから…いやまぁ例はこのくらいにして。
体育の授業中に犬のフンを踏んで転んだりしたら，その日から彼のアダ名はウンコ君になるかもしれない。
サッカーボールにフンがついてしまったのに気づかずフリーキックをして，ゴールキーパー君に一生のトラウマを背負わせることになるかもしれない。
つまずいて手をついたところにほかほかのフンがあって，指の間からニュルリと出てきた感覚が忘れられずに，そういう嗜好をもった大人になってしまうかもしれない。
それから…いやまぁ例はこのくらいにして。
それにしてもこのイラストの犬はさわやかな表情でオシッコをしているわけでありますけれども，「これはフンじゃないから迷惑にならないんだよね？ オシッコなら中でしていい？ 入ってもいい？」と聞かれているようでもあります。
確かにオシッコの場合は踏んづけてもボールについても手に触れてもあまり脅威にならないような気がするでありますね。本人は気づくし不快ではあるかもしれませんけれども，周囲の人間にはわからないのでゴマカシがきく。
こういった「学校での事故」というのは，衛生不衛生ということよりもまず恥ずかしいか恥ずかしくないかということが子どもたちにとっては大きいような気がするわけでした。
こういった「学校での事故」というのは，衛生不衛生ということよりもまず恥ずかしいか恥ずかしくないかということが子どもたちにとっては大きいような気がするわけでした。
こちらは，最初の写真のすぐ脇に貼られたハリガミであります。
「犬のフンは，きちんとあとしまつをしてください。 『子供達の環境によくない』と地域の方からも心配の声が上がっています。」
とのことなんでした。
こちらもごもっともでありますけれども，２枚を続けて見るとなんだかちょっと「んー？」と思ってしまうんでありますね。
最初のが「子供たちが迷惑しています」。次が「地域の方からも心配の声が上がっています」。
ということで，それじゃ自分はどう思っているのかという，ハリガミ主（この場合はおそらく学校職員）の気持ちというのが伝わらないんでした。他人まかせというか，覚悟というのが足りないような気がするんでありますね。
ということで，それじゃ自分はどう思っているのかという，ハリガミ主（この場合はおそらく学校職員）の気持ちというのが伝わらないんでした。他人まかせというか，覚悟というのが足りないような気がするんでありますね。
「いやまぁ…ねえ。私達はね，フンが落ちててもなんでもいいんですよ。ね。愛犬家さんたちの味方なんですよ。でもほら。地域の人が言うから。いろいろと。ホントにうるさい連中ですからねえ。困ったもんですよねえ。そうそう聞いてくださいよ。こないだだってこんなことが…」と思っているんではないかと思われてもしょうがなさそうな気もしないでもないということになってきそうなわけでした。
もっと
「俺たち教職者は子どもたちのことだけを考えて生きているッ！ 地域のヤツらのことなど知らんッ！ 子どもたちに迷惑をかけるならばぁッ，グラウンドに侵入してきた犬っころなどォ，飼い主ともどもォ，即座に抹殺するぅッ！ 覚悟せよぉッ！」
とか書けば，書いてる側の覚悟も示せるというものなのに。そうでもないか。子どもの方が引きそうであるし。
「俺たち教職者は子どもたちのことだけを考えて生きているッ！ 地域のヤツらのことなど知らんッ！ 子どもたちに迷惑をかけるならばぁッ，グラウンドに侵入してきた犬っころなどォ，飼い主ともどもォ，即座に抹殺するぅッ！ 覚悟せよぉッ！」
とか書けば，書いてる側の覚悟も示せるというものなのに。そうでもないか。子どもの方が引きそうであるし。
オマケ。こちらは
「ご主人さま 犬のフンでみんなが迷惑しています。」
ということなんでした。
これは前のふたつと違って，汎用的な犬フンのカンバンなんでした。
街のいたるところで同じカンバンが見られたわけですけれども，このカンバンには手書きであとから「もってかえって」が付け加えられたようなんでした。
街のいたるところで同じカンバンが見られたわけですけれども，このカンバンには手書きであとから「もってかえって」が付け加えられたようなんでした。
確かに「犬のフンでみんなが迷惑しています」だけでは「迷惑してるから，だから何？」と開き直られたらそれまでであります。この地域にはそういう「開き直り人」が存在したんでありましょうか。
それにしても，やはり汎用的なものになると言い回しもあいまいなものにならざるをえないんでありましょうか。
だいたい「みんな」というのは誰なのか。少なくとも，このカンバンの前で犬にフンをさせようとしている飼い主からすれば「みんな？ オレはその中に入って…ないよなぁ」という感じなんではないかと思われるでありますね。
だいたい「みんな」というのは誰なのか。少なくとも，このカンバンの前で犬にフンをさせようとしている飼い主からすれば「みんな？ オレはその中に入って…ないよなぁ」という感じなんではないかと思われるでありますね。
だから，このカンバンももっと自分を出して
「この俺様は常日頃より犬の糞にはまったくもって迷惑をしておるのだッ！ ヨソに糞をたれる分にはかまわんが，ここには絶対にたれさすなッ！ もしさせてるのを見つけたらッ！ その糞に貴様の顔を突っ込んで押さえつけて窒息させてくれるから覚悟せいッ！」
くらいのことを書いておいた方がよろしいんではあるまいかと思われるんでした。よろしくないか。地域の人からは危険人物とみなされそうだし。
「この俺様は常日頃より犬の糞にはまったくもって迷惑をしておるのだッ！ ヨソに糞をたれる分にはかまわんが，ここには絶対にたれさすなッ！ もしさせてるのを見つけたらッ！ その糞に貴様の顔を突っ込んで押さえつけて窒息させてくれるから覚悟せいッ！」
くらいのことを書いておいた方がよろしいんではあるまいかと思われるんでした。よろしくないか。地域の人からは危険人物とみなされそうだし。
「子供たち」「地域の方」は五泉市・駅前２あたり。
「もってかえって」は三条市・東裏館２あたり。
「もってかえって」は三条市・東裏館２あたり。