完璧なものというのは美しいものであります。ありますけれども,何かが一部欠けているものというのも,それはそれで,というか,それゆえに美しかったりオモシロかったりするわけでした。
そんなわけで,最初の物件はいままでにも何度か登場している「ウヤマタイプ」であります。(※参考「とる物件」等)
おそらくは「新潟家具」さんのカンバンであろうと思われるわけでありますけれども,一番(たぶん)大事な「家」の字だけが欠けてしまったようなんでした。
通常「ウヤマタイプ」というのは,「あるお店,たとえば『佐藤洋品店』がなんらかの理由で廃業する場合,また別の商品で再起するときのために『佐藤 店』のようにその商品名部分だけを空白にしている…のかもしれない」という想像の仕方をするんでした。
そのように最後が「店」であると,あとには色々な商品を扱うお店が想像できるわけでありますけれども,この物件は「具」が最後でしかも空白が一文字になっているために,後継の業種がだいぶせばめられてしまうような気がするわけでした。
「寝具」「防具」「仏具」「用具」「器具」「工具」「道具」…とか。まだありそう。あげてみたらけっこうあるな。でもまぁ,かなり限定されることは確かであります。
「うちは次に何をやるとしても,絶対に食品なんかは扱わない」とか何かこだわりがあるんでありましょうか。
「うちは次に何をやるとしても,絶対に食品なんかは扱わない」とか何かこだわりがあるんでありましょうか。
いやでもあるいはカンバンはすでにこれで完成していて,「みそ汁やおかずの材料である『具』を専門に扱う」という「新潟具」というお店にしたのかもしれないでありますね。しれなくないか。
こちらは,下のほうのカンバンには「リフォームyou」と書かれているので,本当は「you」さんだと思われるんでした。
その真ん中の「o」が欠けてしまっているわけでありますけれども,日本人が声に出して言う場合にはそれがあってもなくても「ユー」と読みそうなわけで,欠けるべくして欠けたんではあるまいか,と思ってしまうところなんでした。
当の「o」としても「ああ。私の存在意義とはなんであるのか。いなくてもよろしいんではあるまいか。生まれてすみません」ということで自ら落ちてしまったのかもしれないでありますね。しれなくないか。
まぁ「o」に対しては「いやキミがいないとこのお店は銭湯だと思われてタオルと洗面器を持った人が大勢やってきて結局風呂に入れずに風邪をひいてしまうかもしれないから,キミはとても大切なんだよ」と励ましてあげたいところであります。
オマケ。こちらは文字が欠けているというのとはちょっと違いますけれども。
おそらくは「天上天下唯我独尊」と書きたかったような気がするでありますね。しかし「天上天下」まで書いて「唯」を書こうとしたら自信がなくなってしまったんではあるまいかと思われるんでした。
これはちょっと恥ずかしいでありますね。「天上天下」でピタリと終わっていれば「ああ。その4文字が好きなんだな」と思えますけれども,次を書きかけていることによって「あ。次の字,忘れたんだな」と思われてしまうことになるんでした。
しかしこれ,書いたのは身内なんでありましょうか。無関係のヤツが書いていったんだとしたら,こんなアタマ悪そうなラクガキ,書かれた方は災難でありますね。まぁ,どんなにウマいラクガキでも災難は災難かもしれませんけれども。
それでも「書くんならちゃんと書け!」と言いたいところなんではないかと思われるんでした。
それでも「書くんならちゃんと書け!」と言いたいところなんではないかと思われるんでした。
そんなわけで,最後の物件は「欠け」ではなくて「書け」の物件なんでした。
…こんな落とし方で申し訳ない限りであります。もうひとつ「賭け」の物件でもあればよかったんでありますけれども。
…こんな落とし方で申し訳ない限りであります。もうひとつ「賭け」の物件でもあればよかったんでありますけれども。
「新潟具」は新潟市東区・卸新町2あたり。
「y u」は新潟市東区・牡丹山3あたり。
「天上天下」は新潟市東区・竹尾1あたり。
「y u」は新潟市東区・牡丹山3あたり。
「天上天下」は新潟市東区・竹尾1あたり。