天空物件

 


 さるアパートに書かれていた文字であります。「スカイバレー SKY藤崎」ということなんでした。
 おそらくはアパートの名前であろうかと思われるわけですけれども、少々長くないか、スカイがふたつ入っていて重複しているんではないか、と思ってしまうわけでした。はたして、どういう命名なのか。

 アパート名によくある、名前の英語化だったりするでありましょうか。「鈴木さん」の経営する「ベルウッド」であるとか「森山さん」の経営する「フォレストマウンテン」であるとかと同じような。
 ここの経営者は「空谷さん」だったりするのか。しかし、だとすると下の「藤崎」は何なのか。と思ってしまうところではあるんでした。

 もしかすると「藤崎」と書いて「バレー」と読む。すなわち、「SKY藤崎」の振り仮名が「スカイバレー」である。というようなことは……あんまりなさそうではあります。

 新潟市中央区。
 


 こちらは大型スーパーの駐車場入口なんでした。
「駐車場 空あり」という書き方を見ると「屋根のない露天駐車場ではないか」と考えてしまうというのは、駐車場カンバンを見る際の様式美というか基本であります。

 こちらもその一種なわけですけれども、こちらはもう「屋上」と言ってしまっているからには屋根がないのは決定事項であって、その上で「空」と言っているのがなかなか良いと思ってしまうわけでした。
 さらに「空」を空色で書いているというのも高ポイントなんでした。
 何のポイントなのか。

 新潟市西区。
 


 こちらは月極駐車場であります。8640円の駐車場に空きがあるということらしいんでありますけれども、気になるのはその書き方なんでした。
「8640円/月」と書いた上で「空」と書かれているのが普通かと思われますけれども、「空/月」とはなんぞやと。思ってしまうわけでした。

「空/月」というからには「月ごとに空(そら)がある」ということか。
 我々の普通の考え方からすると「空(そら)の中にお月さまという星が存在している」、つまり「まず空があって、その中に月がある」と考えるわけですけれども、「空/月」というのは「月があるからこそ空が存在する」という論理になるんではないかと、思ってしまうわけでした。

 月はひとつしかないから空もひとつだけだけれども、月がふたつあったら空もふたつあることになるのかもしれない。空がふたつあるっていうのはどういう状況なのか。
 なんていう、だんだんわけのわからない妄想をしていってしまう恐ろしいカンバンなんでした。

 ついでに言うなら「8640円~」の「~」が半分隠れてしまっているというのも恐ろしいところではあります。

 新潟市中央区。
 


 こちらも駐車場であります。わりと広めのスペースに「X」と書かれているんでした。
 マンホールもあるので、おそらく「ここは駐車禁止」を意味するバツが書かれているんであろうと思うところでありますけれども、もしかしたらこれはバツではなくてエックスなのかもしれないとも思ってしまうわけでした。

 プロゴルファーやプロレスの漫画に登場するミスターXや、仮面ライダーのXなどの誰かがここに車を停めることになっているのかもしれないし、あるいは彼らが共同で借りているのかもしれない。グロイザーXがここに置かれるのかもしれないし。

 あるいは、これはアルファベットのエックスではなくて10を意味するローマ数字なのかもしれない。
 つまりは「テン」すなわち「天」すなわち「空」のことであって「このスペースは空いてますよ」という表示なのかもしれないんでした。
 考えすぎでありましょうか。その通りでありますね。

 新潟市西区。
 


 オマケ。 「空」と書かれたマンホール蓋であります。空気弁がどうたらという蓋であるような気もしますけれども、はたしてそうなのか。
 もしかしたら近くには「無」とか「色」とかいう蓋があって、禅問答が始まるんではないかとも思われるわけでした。

 あるいはもっと直接的で、蓋の向こうには青空が広がっているのかもしれないでありますね。地球空洞説か。

 新潟市秋葉区。
 

ひとこと物件48


 物件について書かんでもいいことをぐだぐだと書いているというのが当サイトの特徴のひとつでありますけれども,たまにひとことで終わらせるのもよいかなと,いう感じのものが「ひとこと物件」であります。

 実際はFacebookなどに載せた写真の再掲が多くなりますけれども。あちらとこちらでは見られる層が違うような気がするので,こちらでも有効活用しようかということなんでした。
 うちの物件を好んでくれる(うだうだと余計なことばかり妄想しているのが好きな)人には物足りないかもしれないけれども。

 今回はテーマなしのひとこと物件。相変わらずひとことにはなっていませんけれども、雑多な物件でお送りします。
 


 


 現在営業しているかどうかわかりませんけれども、店構えから喫茶店のようなところであるような感じの建物なんでした。

 その窓の外に植えられている樹木であります。窓にピッタリと張り付くように植えられていますけれども、真ん中部分の葉や枝がくり抜くように刈られているんでした。まるで透視図のようであります。透視樹木。

 窓際の席から外が見えるように、暗くならないようにしたのかどうか。それならそもそもなぜここに植えたのか。ちょっと中の席から見てみたい物件ではあります。

 新潟市中央区。
 


 


 現在営業はしていなそうな店舗あとであります。
「( )茨木 店」と、会社の形態と業種が空白になっているんでした。トマソンでいうところの「ウヤマタイプ」でありますね。あとから別の商売を始めてもいいように、その部分だけ空白になっている……ように読み取れてしまう物件であります。

 株式会社でも有限会社でもいいし、何を扱っても構わない。ただ「茨木」という名前だけは残してほしいという、ある種の執念を感じてしまうお店あとなんでした。

 新潟市秋葉区。
 


 


 ブロック塀に貼り出されたハリガミであります。
 まぁ、特に何がということでもないんですけれども、乱雑そうでいてちょっと整えたのかなという感じのするタバコの散らばり方がオモシロく感じてしまったんでした。
 写真を撮るときに「あ。もうちょっとこのタバコを寄せた方がいいかな。でもそうするとバランスが」とか言いながら楽しんでいたんではないかと。
 誰かが捨てた実際のタバコと空き箱の写真を撮ったのだとは思えない配置だし。

 あるいは「たばこ」さんという女性に愛想を尽かされた男による悲痛な叫びなのかもしれませんが。

 新潟市中央区。
 


 


 以前にも何度か物件にしたかもしれない、畑の生首であります。カカシの役割なんだろうとは思いますけれども、こうひとかたまりになっていると狂気を感じてしまうところではあります。

 マネキン人形の首というのはこうやって畑で栽培して収穫するのだ、というのはいつものオチでありますが、こういう風景に慣れてしまうと、この中にホンモノの首が紛れていてもなかなか気づかないかもしれない。ひょっとするとそうやって長期計画で完全犯罪を狙っているのではないかという気もしてくるわけでした。

 新潟市東区。
 


 


 オマケ。マンホール蓋であります。新潟市には「ときめき」という地名があって「ときめき橋」という橋もあったりするんでした。
 そのときめき橋を題材にしているわけでありますけれども、蓋の制作上必要と思われる「○」が「め」の字の隣に来てしまっていて、「め」に半濁点がついているみたいになっているんでした。ちょっと発音がしにくそうであります。
「め」と「き」の間の空白が大きいので、ここに「○」が来るのはわかっていたんではないかと思われるわけで、ひょっとしたらほんとうに「ときめ゜き橋」というのが正式名称だったりするんでありましょうか。

 新潟市西区。
 


 

新年24物件

 


 さて,新年であります。辰年であります。令和6年であります。一応新年物件というのを毎年やっているので,今年もやるわけでした。
 と言ってもそうそう新年がらみのネタがあるもんでもないし,龍がその辺ニョロニョロしてたりドラゴンが火を吹いてたりするわけでもないんでした。してたらそれはもう異世界転生であります。

 特に新年ネタがなければやらなきゃいいようなもんですけれども,今回も一応1月1日当日に歩いて撮った物件ということでまいります。と思いましたけれども、今年も諸般の事情により周辺で前に撮ってあった物件をお送りします。更新だけは1月1日当日。

 ということで,まとまりがなくネタ的にもあんまり面白くないのはご容赦いただきたいわけであります。まとまりは常時ありませんが。
 以上,例によって昨年からほぼコピペ。一部修正。

 ということでまず上の写真は,今年の日和山住吉神社であります。これももう恒例になっております。
 今年の元日は曇り。たまに小雨やアラレ。新潟としては「いい天気」と言えるレベル。これはありがたい。
 今年の物件も、以前に物件にしているものも含めてお送りいたします。もはや前に物件にしたかどうかの記憶も怪しい。以前は写真を見るとそのときの情景まで思い出せたものなのに。それはともかく。
 


 比較的大きな道幅である道路の歩道を歩いていると見かける恵比寿様であります。おそらく。
 おそらく、というのも、恵比寿様というと必ず持っていると言っていいアイテムを持っていないんでした。それは釣り竿でありますね。だいたいは、釣り竿を持って鯛を抱えたような姿で描かれていることが多いようであります。
 


 こんな感じで。写真がよく見えていなくて申し訳ないでありますけれども。
「獲ったどー!」と立ち上がって釣り竿を突き上げている恵比寿像というのも珍しい感じはしますけれども。
 最初の恵比寿像も、右手は何か握っていたようなので、釣り竿は脱着可能になっていたんでありましょうか。
 


 これは「ドカベンストリート」にあるドカベン・岩鬼像。
 岩鬼の必須アイテムといえばくわえた葉っぱでありますけれども、この像の葉っぱは何度も折られたり盗られたりしたらしく脱着式になっているんでした。件の恵比寿像も同じように何か被害があって脱着式になっているんでありましょうか。
 


 こちらはさるお店でありますけれども、看板建築のようになっているんでした。
 ちょっとカワイイのは、真ん中のとんがりでありますね。うしろにある家屋の屋根の分、ちょっと飛び出しているんでした。設計をちょっと間違えてしまったのか計算の上なのかわかりませんけれども、いい感じであります。
 

 

 


 人が歩くのが精一杯で、車は通れないような細い小路にドアがあり、その両脇には「左←私道」「右→国道」と書かれているんでした。
 いったい誰に向けて書かれた案内なのか。これを必要とするような事態があったのかどうか。不明なんでした。

 そもそも、このあたりに国道というのは通っておらず、矢印を信じて国道に向かったとしてもどこに国道があるのかさらに迷ってしまいそうな場所であります。私道の方はこの道路自体が「ああ、ここ私道なんだろうな」という細さのところではありますが。

 左へ行くと私道、右へ行くと国道。ではドアの向こうは何に通じているのか。ドラゴンの舞う異世界でありましょうか。

 すべて新潟市中央区。