例年になく冷え込みましたね、4月は。


三寒四温 どころか三寒三温五寒二温一寒一温・・・といった具合でした。


気温が速やかな上昇を拒んだため、ベランダに設置している桶に張った水は冷ややかなままで、

そこを住まいとしているメダカたちも当然泳ぎ回ることなく、

水底近くでじっとしていることがほとんどでした。


前年の同じ頃は産卵ブーム、そして孵化ラッシュで、稚魚の誕生に胸を躍らせていたのですが、

今年は水温がなかなか上昇せず、産卵の進捗は遅々としたものだったので、胸は躍らず、

かといって腹が立つほどでもなく、ちょうど寒々しい鈍色の空のような半端な心持で日々を過ごしておりました。


焦らしの技巧(テク)もさすがに度を超すと期待感の高まりよりも苛立ちが胸に芽生えかねません。

春が本気を出さずにいるのを苦虫を噛む思いで傍観しつつ、防寒着をクリーニングに出さずにいるうちに

あっという間に黄金週間に突入したのは例年通りの4月末。


黄金週間になり突如その才能を発揮した「春2010」、

少しずつ少しずつ空気を温め土を水を温め、そして人々の気持ちを温めてくれるのが

いつもの春のはずですが、今年の春は違いましたね。

黄金週間になるやいなや、黄金の陽光をこれでもか、これでもかと地表に注いできたのです。

まるでこれまで温存していた分の光量をまとめて放出するかのように。

(おかげで顔面をひどく日焼けし、あたかも火傷状態のようなひどい有様になった人も少なからずいたようです。私のように)



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もし私自身に、出し惜しんでいる才能、あるいは何かに抑圧されている才能があるのなら、

これ以上出し惜しむことに利点があるとは思えないので今すぐにでも解放したいものです。

もしあれば、の話ですが・・・。



音楽の鳴っている間は-メダカ2


音楽の鳴っている間は-メダカ1

音楽の鳴っている間は-メダカ3


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※三寒四温とは

冬の終わりから春先にかけての気候を表す。

温かな日が4日続くと5日目は一転寒くなり、数日は寒い日が続くというような様子を表している。


※メダカの飼育に用いている桶について

通常台所に設置して水を張り食後の使用済み食器を洗う前に浸しておくため等に用いる桶。

プラスティック製品。量販店などで台所用品売場に置かれている場合が多い。

ダイソーなど百円ショップでも入手可能(ただし300円(税抜)の場合があるため価格表示には注意)。

メダカを飼育したいという方は、この桶の利用を是非ご検討あれ。


※メダカの餌について

市販の餌を与えているが先日餌容器一本が空になったので、近隣のGMS、SATYの1階、

食品売場の中にある日用雑貨売場で購入した。メダカの餌は1SKU、1フェイスだった。


※SKUとは

Stock Keeping Unit の略で、直訳して在庫保管管理と呼ぶこともある。他の呼び方もあるようだが、

意味としては、在庫管理上の最小単位。業界によってSKUが意味することが微妙に異なることもありそうだ。

Tシャツの同じデザインのもので、カラーが赤と青の2種、サイズが各カラーについて、L、M、Sの3種ある場合、

在庫管理における最小単位としては、「赤L」「赤M」「赤S」「青L」「青M」「青S」という計6種になるため

この場合、6SKUということになる。という考え方で間違いないと思われる。


※フェイスとは

Face。動物の体において頭部の前面にあたる部位。顔面。

または非・動物において、顔と同等の働き、機能、意味をもつ部位。

本文中では、SATYにおける売場のゴンドラで、棚に置かれていたメダカの餌は、

ゴンドラの正面に立って見た場合に、1つだけが見えた。

ゴンドラ正面から見た時に当該商品が幾つ見えるようになっているか、その数がフェイス数。

したがって「1つだけが見えた」ので「1フェイス」である。

メダカの餌と同じ形状の円筒プラスティック容器に入った同一シリーズのカメの餌が

隣に並んで置かれており(1フェイス)、別のタイプである袋に入った金魚の餌が2種類(2SKU、1フェイスずつ)あった。

水棲生物というサブカテゴリーで考えると、4SKU、4フェイスということになる。


※わかりやすさについて

大変わかりづらい文章ですみません

まずはじめに、Cafe HINATA-YA の窓辺の席に座った時の写真を掲載します。


音楽の鳴っている間は-HINATA-YA1


音楽の鳴っている間は-HINATA-YA2


音楽の鳴っている間は-HINATA-YA3



カフェ、ひなた屋さんに行った時の写真です。

まずこの店の場所から説明しなくてはなりません。

場所というか、どうやって行くのか?ということを含めてなのですが、

まず、地図上でみると、御茶ノ水の駅(秋葉原寄りではなく水道橋寄りの出口)から

明治大学の前の通りの右岸をずんずん下って靖国通りとクロスする巨きな交差点に至ります。

いや、至りません、至らずにその少し手前、かつてファーストキッチンがあり(今は亡く)、

今は確かダイコクドラッグがある角を右折してすぐ左手、という場所にあります。


しかしここからが大変。


入口は何とか見つかるかもしれません。

まぁ見つかってしまえばあとはエレベーターで上昇あるのみなのですが、

このエレベーターが日本ではお目にかかったことがない逸品。

私はドイツなど欧州のホテルでしか乗ったことがありませんでした、手動でドアを閉めるタイプのエレベーターには。


手でドアを開閉するエレベーターで、あるいは螺旋階段にも似た回転しながら上昇するような階段で、

目的の地、HINATA-YAに至ることができます。

お疲れ様でした。


このような隠れた名店には魅力を感じずにいられません。

隠れすぎていて入りづらい雰囲気を(私が勝手に)感じてしまうということはあるのですが、

怖々(KOWA-GOWA)とドアを開けて入る瞬間、そのドキドキ感はたまりません。

このような感覚を、御茶ノ水~神保町エリアでは何度も味わいました。


さぼうる、ミロンガ、古瀬戸珈琲店、エリカ、李白・・・。

数々の偉大なる喫茶店。また、ドアはありませんが古書店にしても、また、特殊図書を専門で扱う店にしても。



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未成年の頃、決して長い期間とはいえないのですが、御茶ノ水に通学していたことがあったので、

御茶ノ水から神保町に至るエリアは馴染み深く、街並みを構成する、大型書店、古書店、数々の喫茶店、

軒を連ねるカレー屋、「遊べる本屋」、楽器店、中古レコード屋、スポーツ用品店、アウトドア用品店、

大学や専門学校、大学病院、意外にも豊富な緑、それから水、これらの要素は訪れるたびに私の胸を熱くします。


今、つらつらと駄文をしたためていますが、「それから水」という箇所を視認し、あぁ、確かにこのエリアには

豊かな緑だけではなく水も潤沢だな、何せ御茶ノ水という名は徳川将軍家がお茶をたしなむ際に、

その水を得た場所であるがゆえの地名だと昔何かの書物で読んだことがあるし、

などとひとりごちてしまいましたが、さて、御茶ノ水の駅自体が川辺にあり、

(聖橋(HIJIRI-BAHSI)を含む圧巻の景観は私が世界中で最も愛すものの1つであることは、

「あまり知られていない事実」です)、神保町と言えば靖国通りを靖国の方に向かうと

花見の季節には夜な夜な、昼な昼な、祝祭の場と化すエリア、

北の丸公園、千鳥ヶ淵、月の水面(TSUKINO-MINAMO)、とにかく緑と水には事欠かない空間です。


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※「日なたの窓に憧れて 」とは

初期スピッツの名曲として知られる。


※千鳥ヶ淵、月の水面(TSUKINO-MINAMO)とは

爆風スランプの名曲、「大きな玉ねぎの下で 」にて歌われた地名。

ペンフレンドとの淡い恋が破れる瞬間を歌っており、

日本武道館で開催されるコンサートで初めて会えるという期待は、

アンコールの拍手が鳴りはじめてもなお叶わず、思わず「ぼく」は

会場を飛び出して、振り返れば青い空に大きな玉ねぎが光っていた、

というもの。

余談だが私は日本武道館にてアンコールでこの歌が演奏されるのを聴いたことがある。

ただし歌ったのは爆風スランプではなく、氣志團だった。


※文化学院

明治大学にほど近い場所にある専門学校で、長い歴史を有す。アーチが美しく

(近くの聖橋もそのアーチの美しさで知られる。田淵幸一氏は現役時代、アーチの美しさで知られた)

入ったことはないが外から幾度となく眺めたものだったが、数年前に取り壊して移転する、

という知らせを耳にしたときには、杏里であれば「悲しみがとまらない」と表現したくなりような気持ちになったものだ。

しかしこの春訪問したところアーチを残したままどうやら中の建築をリフォームしたようで、

自分勝手な第三者的立場で勝手にほっとしたことは、記憶に新しい。


※錦華坂(KINKA-ZAKA)

明治大学の裏にあり、山の上ホテルのそばを通る坂道。

私がこよなく愛す坂である。三省堂や「遊べる本屋」で書籍を買い、近くの喫茶店で読んだ後、

JR御茶ノ水駅に向かう時は、あえて表通りではなく錦華坂をのぼることも少なくない。

考えてみればこの坂はいつも上ってばかりで下った経験は少ない。

しかしこのことは私に何の天啓を与えることはないようだ。少なくとも今は、ということだが。