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以前より、「日本鍛冶紀行」で存在は知ってはいたのですが、この雑誌には細かい住所も電話番号も載っていないため、探すのにちょっと苦労しました。
鍛冶屋の現状としてやはり高齢で跡取りがいない方が多く、当然ネットやHPなどには縁のない方々なので、中々情報が入手できないのが悲しいところです。地元でも情報を入手しずらい・・・それだけ需要がなくなってきていることもありますね。
私がこのような鍛冶屋をめぐることは、道具として刃物が好きなこともありますが、無くなりつつある手仕事を1つでも多く、巡って、鍛造師や奥さんと直接話しを聞いて記憶に残したいって気持ちが強いからでもあります。完全なライフワークですね。

そんなことで、やっと岩手県二戸にある「南舘かじや」さんに行ってきました。
道路から奥に入ったところに工場があり、昨日も界隈を散策していた時、偶然発見した感じです。
その日は、火をおこしていなかったので、打っている姿は見ることが出来ませんでしたが、出来上がった作品を色々見せて頂き、奨められた剣鉈を購入しました。
写真では分かりづらいですが、刃渡り25cmあります。(ジッポーと比較)
マタギが使う道具のイメージですが、このクラスになると鉈としての機能も十分あり、ある意味オールマイティーな道具です。地鉄に鋼をつけていることがはっきり判ります。いかにも野鍛冶、道具として使う逸品です。佐治さんや、秋友さんの洗練された逸品も好きですが、このような飾り立てしていない道具も物凄い魅力です。是非この春のキャンプでは使ってみたいですね。
最近では需要も当然ありませんので、毎日作ってはいないようですが、ちょっと前に刃渡り40cm近い剣鉈を納品したばかりだと言っていました。
お話を聞くと、二戸も浄法寺も以前は沢山鍛冶屋がいたとのことですが、今ではここ一軒の様です。
確かに青森県南、岩手県北では、軽米の源光さんも既に他界されているので、もう南舘さんだけかも知れません。屋号は丸にカ、これは鹿角の菅原鍛冶さんと形が似ています。刃物にはご本人の名前は刻印されず以前の土地の名の、「福岡」と打ってあります。

最近、間違った使い方を多用され刃物に対する風当たりも強く、本当に困ったものです。
この様に一生懸命と作っている鍛造師に大変失礼なことであると残念に思います。

鍛冶屋を巡って感じることは、流石鍛造師は、長年頑張ってきた年輪が顔にも手にも刻まれ、その風格たるや凄みがあります。顔つきが鋭い人が多いですが、話してみると物凄いやさしい人が多いですね。それに比べ、綺麗で品のある奥さんが多いです。これは凄く驚きます。