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白鷹幸伯氏が死去されたことを受け
過去に載せた記事を再投稿した。


私の散財は何処に向かっているのか・・・と自問自答してしまいます。
私の愛読書「ニッポン鍛冶カタログ」にも紹介されている、鍛冶師の白鷹師の作品を紹介します。
愛媛に在住ですので、ご本人にお会いしたことはありません。作品を偶然持っているというつながりだけです。

あの奈良の薬師寺の西塔で使った白鳳型和釘を製作された、有名な鍛冶師です。
最近では岩国の錦帯橋の架替工事にも使われているそうです。

日本古来の法隆寺や薬師寺などはその建築技術も素晴らしいですが、ここに使った釘、これが優れものなんです。1000年もの時が経っても錆びて朽ちることがないそうです。
昔のたたらの技術の素晴らしさがうかがえます。

師は、薬師寺西塔の建設に際し、西岡棟梁から1000年だっても腐らない釘を作って欲しいと依頼されたそうです。
そこで東北大学の井垣教授や日本鋼管の協力を得て、その目的の鉄を精錬する技術を開発し、そこで作った鉄を鍛えて、和釘にしています。

歴史的な功績ですね。私は、純粋に感動してしまいました。

そして師が書いた、「鉄、千年のいのち」を読みさらに感激してしまいました。
そんなことで、ラッキーなことに、その和釘を手に入れることが出来、私の宝になっています。
全く興味がない人には、ただの鉄の釘なんですね。まさに散財です。

釘は約30センチあり、「願奉 萬民豊樂 荘厳国土 白鷹幸伯」 と刻印されています。

しかし、1000年も前の技術の方が今より凄かった・・・とは、なんとも複雑な気分ですね。