インドの神話の世界 -5ページ目

植物を口説く行者(サドゥ)

空に貼りついた黄色い太陽

うだるような大気

一挙に気温の下がる夕暮れが待ち遠しい



木や草もぐったりしている
張り切っているのは

寺院の庭で真っ赤に咲き乱れたシマルの花に

群がる小鳥や、ミツバチばかりだ

梵語(サンスクリット)で



『プレーマヴァタイエー・プレーヤス』

(異性を誘惑する言葉)





        



『おお、愛しきものよ、きみは何て美しいのだろう』

みたいな意味
蓬髪と髭に覆われた行者(サドゥ)の顔から

同じ口説き文句が飛び出した

5,6mの樹に数十枚も咲いていた花の全部とは言わないが

こちらを向いた

十ばかりがたおやかにうなずいたのだ
まるで可憐な乙女が小首を傾けるような仕草である
心なしか紅い唇を思わせる肉厚の華から

濃い蜜の薫がプンと漂ってきた
  
 『!』

花は甘い香りがする

これは植物の発情フェロモンである
花は甘い香りの匂い物質を放出して

虫や小鳥を魅き寄せ



生殖活動を行う
 
だから

受精し目的を果たした花は30分で香りが無くなり

受精しなかった花は



枯れても匂いがする



                               ・・・からだにやさしい インド より・・・