「ニキビ跡にはどんなレーザーがいいの?
(ニキビ跡治療の第2段階)」
ニキビ跡には、どのレーザーを受ければいいの?
今回はニキビ跡治療シリーズ第2弾として、
ニキビ跡治療について詳しく解説していきます。
まず前回(第1段階)では、
ニキビ跡治療の考え方である「3Rリペア」の流れと、
第1段階である Regeneration(再生)、
つまり凹んだ部分に新しい組織を作り、肌を持ち上げる工程についてご紹介しました。
今回は、第2段階である「Remodeling」の工程について見ていきましょう。
Remodelingとは、
再生によって持ち上がった新しい皮膚と、
ニキビ跡周囲の組織を整える工程と考えていただくと分かりやすいです。
「瘢痕を整える」とはどういうこと?
ニキビ跡は、
単に凹んでいる部分だけが問題なのではありません。
瘢痕の周囲には、
線維化によって皮膚が硬くなっていたり、
盛り上がっている部分(膨隆)が存在していることが多く見られます。
特に、ニキビ跡がデコボコして見える場合、
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凹んでいる部分 → Regeneration(再生)によって持ち上げる
-
盛り上がっている部分 → Remodeling(整える)
この両方のアプローチが必要になります。
写真でイメージすると…
仮に写真で説明すると、
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赤い部分:凹んでおり、持ち上げる必要がある部位
-
青い部分:盛り上がっており、整える必要がある部位
このように、同じニキビ跡でも役割の異なる治療が必要になります。
Remodelingで使うレーザーはどう決まる?
瘢痕を整えるRemodelingの工程では、
瘢痕周囲の線維化がどの深さまで及んでいるかによって、
使用するレーザーが変わります。
大まかな目安は以下の通りです。
真皮上層 比較的浅い層の線維化には、
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ピコフラクショナル、レガート、オーパスといったレーザーが適応になります。
◼ 真皮中層まで及ぶ場合
この場合は、より深部にアプローチできる治療が必要です。
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RFニードル
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ポテンツァ、シルファームX、バーチュRF、シークレット
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エルビウムグラスレーザー
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フラクスプロ、リサーフFX、モザイク、アイコンXDなどが該当します。
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◼ 真皮下層まで及ぶ深い線維化
最も深い層まで線維化が及んでいる場合には、
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ウルトラクリア、ウルトラパルス・アンコアといった高出力レーザーが必要になります。
レーザーは深さだけで決めるわけではありません
もちろん、
瘢痕の深さだけでレーザーを選択するわけではありません。
ただし目安として、
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浅く、細かいデコボコが中心のニキビ跡
→ ピコフラクショナルやレガートのみでも効果が期待できるケース -
周囲が大きく盛り上がり、深い線維化があるニキビ跡
→ ウルトラクリアやウルトラパルス・アンコアが必要なケース
このような傾向があります。
Remodelingは1つのレーザーでは完結しない
このように、
瘢痕を整えるRemodelingの工程も、
1種類のレーザーだけで完結するものではありません。
そのため、ニキビ跡治療では
必ず複合的な治療が必要になるのです。
治療の完成度はここで8〜9割
Regenerationで凹みを持ち上げ、
Remodelingで周囲を整えることができれば、
治療の完成度はおおよそ8〜9割に到達している状態といえます。
しかし、それでも
瘢痕の輪郭(エッジ)が表面に残る場合があります。
その場合に必要になるのが、
最終段階である「Resurfacing(再表面化)」です。
次回は、この
Resurfacing=皮膚表面を整える“削る工程”について、
詳しく解説していきます。














































