http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091104-00000574-san-bus_all
電機メーカーの日本ビクターとケンウッドを傘下に持つJVC・ケンウッド・ホールディングスが、ビクターの音楽ソフト事業をゲームソフト大手のコナミに売却する方向で検討していることが4日、明らかになった。11月中にも決定するとみられる。消費低迷に加えて音楽のネット配信の拡大などで音楽ソフト市場は縮小傾向にあり、今後、音楽業界再編の動きが活発化しそうだ(産経ビジネスより)
レコード産業斜陽とされている2009年現代の日本ですが、みなさんが思いつく大手のレコード会社はどのくらいあるんでしょうか?
ソニー
エイベックス
EMI
徳間
ポニーキャニオン
ビーイング
ワーナー
トイズファクトリー
ユニバーサル
キングレコード
ビクター
ざっと思いつくのを書いてみましたが、一昨年東芝がEMIと袂を分かったような感覚が今回の話しでは思いおこされます。
かつてはCDというソフトは再生プレーヤーを売るための重要なコンテンツのマスターピースでした。
ハードを生産する側だからこそソフト事業にも力を入れるというごくごく自然な循環の中でCDはソニーとコロムビアによって生み出され27年の歳月が経過しました。
CDは売上高年々下げております。このへんは様々な理由が挙げられます。
カラオケから携帯電話へと若者の財布を逼迫するものが変わり、着うた、着メロ、着声が安価にDLでき、動画チャンネルで無料に閲覧でき、違法サイトにいけば無料DLが可能な時代に誰が好き好んで一枚3000円のCDを買うのでしょうか?
そもそも、このアルバム一枚3000円という価格帯は約30年前からほとんど推移していません。
アナログが3500円、デジタルが3800円というのが初期の値段設定だったようです。
ではもう音楽は死んだのか?
誰にも聴かれていないのか?
そんなことはないです。音楽を観賞する場が自宅からライブへと(大きく言えばフェスなど)変わっているなどのデータがあります。
フジロックが始まって12年、今は全国各地で夏フェスやらカウントダウンやらの音楽フェスが開催されています。
その数は年々増えてきていて多くのミュージシャンが興業と制作のバランスの上で活動を繰り広げています。
その点ではかつてのように「最近TVで出てない○●ってもう消えたよね?」という形の不本意な評価もされないだろうと言うのはいい事のような気がします。
ライブもしない、テレビも出ないというような音楽人は、大滝詠一さんのような方を除いてほとんどいないのではないでしょうか?
で、話は戻って盤面は売れてないのに売れているのがDVDです。
そんなトピックが同日の以下の記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091102-00000035-oric-ent
今年デビュー10周年を迎えた人気グループ・嵐の新作DVD『5×10 All the BEST! CLIPS1999-2009』(10月28日発売)が、11/9付DVD総合ランキングで初登場1位を獲得した。自身最高初動の42.8万枚を売上げ、KAT-TUNの『Real Face Film』(2006年3月22日発売)の初動37.4万枚を上回り、3年半ぶりにミュージックDVD歴代最高初動売上記録を更新。ミュージックDVDで初めて初動40万枚を突破した。
かつてTVがラジオからお茶の間の音楽のメインストリームを奪ったように、今は音楽が消費される上で視覚的な要素がTV以上に必要とされているのがわかります。
ブサメンが汗だくで楽器をかきならすよりも歌って踊れるイケ面のほうが視覚的には華やかなのは火を見るより明らか。
冒頭にCDが売れない時代だと言いましたが、CDそのもの以外の音楽コンテンツは花盛りです。
しかし、ジャンルが細分化拡散化してしまって王道と言えるものが狙いづらいのも事実です。
主流となる「Jポップ」だけ聴いて満足できるほど今の消費者は子供ではなく、簡単にネットから情報を引き出し自分の好みの音楽を貪欲に探しているのです。
TVで流れている音楽だけで良いといった浮動票は少なくなり、いかに固定客を見込めるかが生き残るために必要不可欠な情報なのです。
ジャニーズというブランド力は素晴らしく(彼らは贔屓にしているグループから下の世代に下りるという表現が示すように)この時代において固定客として見込みやすいのです。
EXILEや東方神起などの歌って踊れるグループ・ユニットが「視覚的なエンターテイメント」として「魅せる音楽」を実践するのは音楽というものの可能性と面白さを再確認させてくれるものだと思います。