- 自分の考えを「伝える力」の授業/日本実業出版社
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序章 自信を持って意見を伝えるために
01. 意見が言えない3つの原因
■ 「自分の意見が間違っていたら嫌だから」という気持ち
このような反応は、「世の中には『間違った意見』というものがある」という前提から
きているが、そもそも「間違った意見」などというものはない。
■「正しい意見」も、「間違った意見」もない
意見とは、人間一人ひとりが頭の中で作り出すもの。
その人の立場や経験、知識、性格によって変わってくるもの。
人間の立場、性格が千差万別であるように、意見も千差万別である。
■「正しいか否か」ではなく、「説得力があるかどうか」
説得力のある意見とは、きちんとした根拠のある意見のこと。
意見の善し悪しを決めるのは、「誰が」その意見を言ったかではなく、その意見で「何が」言われているか
■「意見を言って、その場の空気を乱したくない」という気遣い
察し合って、空気を乱さないようにするという感覚は、日本で重んじられてきたもの。
察し合うこと自体は、相手の気持ちに対する想像力があるからこそ、できるものなので素晴らしい。
しかし、察し合いによるコミュニケーションは、同じような価値観を持った人同士にしかできない。
■意見を伝えること自体が「貢献」になる
「人間は一人ひとり違うからこそ、素晴らしい」というのがベース。
自分はこういう個性だからこそ、こんな意見をもっている。
そして、その意見は他の人と違うからこそ意義がある。
■「自分だからこそ言える意見」で貢献しよう
議論において意見を言う、ということは、その場に貢献するということ。
個性を大事にして、花を開かせてあげれば、皆さんが参加する議論は、もっと変わるはず。
■けんかと議論の違いとは?
議論が目指すのは、「お互いに意見やコメントを言い、時には反論することを通して、
もっと良いものを作り上げる」こと。
02. 自分はどんな「意見人」なのか?個性を把握するエクササイズ
<エクササイズの手順>
①テレビやネットなどでニュースを見聞きしたら、「私はこのニュースについてどう思うか」と自問する。
②①で自問してきた答えについて、「なぜそう思うのか」という根拠を考える。
<例>
・ 火事で80歳のお年寄りが亡くなった、というニュース
①かわいそう
②私がこの年よりだったら、せっかく長生きしたのに火事で死ぬなんて、あまりに悲しすぎるから
・ 日本の選手が国際大会で優勝した、というニュース
①すごい!
②そもそも優勝すること自体がすごいけれど、ここまで来るためには、この選手は血がにじむような
努力をしたに違いない、と思うから