わたしは夜眠る前に、少しだけ読書をする。
毎晩一章ずつ、楽しみにしている日課のように読むことが好きだ。
この物語は、途中まで、そんな風に一章ずつ夜毎の楽しみとして読み進められます。
みなさんは本を読んでいて、後半、つい先が気になって抑えきれずにどんどん読み進めてしまい、物語が終わる直前で、このお話を読み終えたくないなぁと感じた経験はありませんか?
わたしにとって、この本がまさにそんな物語のひとつです。
有川浩さんの作品のなかで一番最初の出会ったものは、「阪急電車」という小説。
人の感情を丁寧に描く作家で、それぞれのキャラクターに人情味があるなという印象をもった。
この本を手に取ったとき、ちょうど就寝前に読むものを探していた。
「阪急電車」の柔らかくあたたかい印象と、映画化されている恋愛小説だからという少しミーハーな理由、そしてユニークな題名に興味が湧いたことから、この本にすることにした。
題名からして、でてくる主人公はきっと地味でおとなしい女の子と、恋愛ものというから相手は真面目で堅物でオタクな男の子の物語…と勝手に思い込んだ。が、読み始めてすぐに、それが大間違いだと気づいた。
主人公のさやかと上司との会話で物語が始まるのだけど、読み始めてすぐに、さやかの心の声の軽快さが、わたしをお話のなかににぐっと引き込んだ。
さやかは20代後半の、ひとり暮らしの社会人。
さやかの夕食は毎晩がコンビニ弁当だし、仕事でミスをしたり、好きな男に嫉妬もする、親しみやすい女性。
相手役のイツキは、何やら秘密めいていて、家事ができて、礼儀正しい紳士で、本人曰く「しつけのできた犬」。
そして、イケメンで優しい天然タラシ…誰だって好きになるって!
この現実離れしすぎない主人公と、程よいファンタジーのバランスが、「ちょっと軽く読んでみようかな」というときに、ぴったりだと思う。
忙しく働いていたり、ひとりで暮らしていたりすると、人の温もりに触れたときに心が撫でられるように感じる瞬間がある。
さやかにとって、イツキとの奇想天外な出会いから始まる風変わりな同居が、そんな時間をもたらしてくれる。
淡い恋心をはらみつつ描かれる二人の時間は、イツキの作ったお味噌汁がさやかのなかにじんわりと広がるように、読んでいるこちらの気持ちも柔らかくあたためてくれる。
この作品で気に入っているもののひとつが、各章に植物の名が冠され、その植物が巧みに物語に盛り込まれているところ。
先にも書いたけれど、都市で目まぐるしい日常を過ごしていると、わたしが田舎育ちのせいか、季節の移り変わりを感じることがなかなか難しい。
この物語を読んでいると、ふとしたときに、テーマとなった植物を通して自分の日常に季節を探そうとして、わたしを少し豊かにしてくれる。
物語の時間軸を進めるという役も、この植物たちが担っていて、作者である有川さんの技を感じてしまう。
もうひとつのわたしのお気に入り、それはノイチゴの章。
「ま、待って」
「待たない」
という、短い台詞のやり取りがあるのだけど、わたしはいつもここで一度本を閉じ、ときめいてしまう。それってわたしだけ?
このシーンの少し前、二人が言い合いをするのだけど、読むたびにいつも、ここからニヤニヤが止まらなくなる。
まるで描かれているノイチゴジャムのように、新鮮で甘ずっぱくて爽やかな二人を通して、こちらまで恋する楽しさを味わえる。恋っていいなぁ。
この本の魅力を語る上で、忘れてはならないのが、イツキの野草料理だ。
イツキが作った料理をさやかが食レポしているようで、これが興味をそそる。
失礼かもしれないけど、野草料理なのに!
二人の会話を通して、ざっくりながら的確に紹介されているレシピは、つい真似してみたくなる。
わたしも一品だけ試してみたのは、ピーマンのゴマ和え。
材料はスーパーで売っているから簡単に手に入り、作り方もとても簡単ということで作ってみたら、これが美味!
簡単で経済的で、栄養満点なので、ぜひ試してみてほしい。
他には、市販されているものだか、よもぎ茶を購入して試したところ、飲みやすく美味しかった。
植物は、見ていても癒されるし、なかには野菜や果物をはじめ、この本に紹介された野草のように食べても美味しいものもある(野草は安全かどうか、本にも書いてあるけれど、くれぐれも注意が必要です)。
この物語は読んでもよし、レシピ本としてもよし、題の通りの物語。
長くなってしまったけれど、これがわたしの「植物図鑑」の感想文。
世の中が大変ななか、本を読んでみようと思った方の参考になればいいなと書いてみた。
気持ちも塞ぎがちな時期だけれど、季節は春で、自然に目を向けることで、少し気持ちが和らげばいいなと、この本を選んだ。
この状況が、少しでも早くよくなることを心から願っています。
毎晩一章ずつ、楽しみにしている日課のように読むことが好きだ。
この物語は、途中まで、そんな風に一章ずつ夜毎の楽しみとして読み進められます。
みなさんは本を読んでいて、後半、つい先が気になって抑えきれずにどんどん読み進めてしまい、物語が終わる直前で、このお話を読み終えたくないなぁと感じた経験はありませんか?
わたしにとって、この本がまさにそんな物語のひとつです。
有川浩さんの作品のなかで一番最初の出会ったものは、「阪急電車」という小説。
人の感情を丁寧に描く作家で、それぞれのキャラクターに人情味があるなという印象をもった。
この本を手に取ったとき、ちょうど就寝前に読むものを探していた。
「阪急電車」の柔らかくあたたかい印象と、映画化されている恋愛小説だからという少しミーハーな理由、そしてユニークな題名に興味が湧いたことから、この本にすることにした。
題名からして、でてくる主人公はきっと地味でおとなしい女の子と、恋愛ものというから相手は真面目で堅物でオタクな男の子の物語…と勝手に思い込んだ。が、読み始めてすぐに、それが大間違いだと気づいた。
主人公のさやかと上司との会話で物語が始まるのだけど、読み始めてすぐに、さやかの心の声の軽快さが、わたしをお話のなかににぐっと引き込んだ。
さやかは20代後半の、ひとり暮らしの社会人。
さやかの夕食は毎晩がコンビニ弁当だし、仕事でミスをしたり、好きな男に嫉妬もする、親しみやすい女性。
相手役のイツキは、何やら秘密めいていて、家事ができて、礼儀正しい紳士で、本人曰く「しつけのできた犬」。
そして、イケメンで優しい天然タラシ…誰だって好きになるって!
この現実離れしすぎない主人公と、程よいファンタジーのバランスが、「ちょっと軽く読んでみようかな」というときに、ぴったりだと思う。
忙しく働いていたり、ひとりで暮らしていたりすると、人の温もりに触れたときに心が撫でられるように感じる瞬間がある。
さやかにとって、イツキとの奇想天外な出会いから始まる風変わりな同居が、そんな時間をもたらしてくれる。
淡い恋心をはらみつつ描かれる二人の時間は、イツキの作ったお味噌汁がさやかのなかにじんわりと広がるように、読んでいるこちらの気持ちも柔らかくあたためてくれる。
この作品で気に入っているもののひとつが、各章に植物の名が冠され、その植物が巧みに物語に盛り込まれているところ。
先にも書いたけれど、都市で目まぐるしい日常を過ごしていると、わたしが田舎育ちのせいか、季節の移り変わりを感じることがなかなか難しい。
この物語を読んでいると、ふとしたときに、テーマとなった植物を通して自分の日常に季節を探そうとして、わたしを少し豊かにしてくれる。
物語の時間軸を進めるという役も、この植物たちが担っていて、作者である有川さんの技を感じてしまう。
もうひとつのわたしのお気に入り、それはノイチゴの章。
「ま、待って」
「待たない」
という、短い台詞のやり取りがあるのだけど、わたしはいつもここで一度本を閉じ、ときめいてしまう。それってわたしだけ?
このシーンの少し前、二人が言い合いをするのだけど、読むたびにいつも、ここからニヤニヤが止まらなくなる。
まるで描かれているノイチゴジャムのように、新鮮で甘ずっぱくて爽やかな二人を通して、こちらまで恋する楽しさを味わえる。恋っていいなぁ。
この本の魅力を語る上で、忘れてはならないのが、イツキの野草料理だ。
イツキが作った料理をさやかが食レポしているようで、これが興味をそそる。
失礼かもしれないけど、野草料理なのに!
二人の会話を通して、ざっくりながら的確に紹介されているレシピは、つい真似してみたくなる。
わたしも一品だけ試してみたのは、ピーマンのゴマ和え。
材料はスーパーで売っているから簡単に手に入り、作り方もとても簡単ということで作ってみたら、これが美味!
簡単で経済的で、栄養満点なので、ぜひ試してみてほしい。
他には、市販されているものだか、よもぎ茶を購入して試したところ、飲みやすく美味しかった。
植物は、見ていても癒されるし、なかには野菜や果物をはじめ、この本に紹介された野草のように食べても美味しいものもある(野草は安全かどうか、本にも書いてあるけれど、くれぐれも注意が必要です)。
この物語は読んでもよし、レシピ本としてもよし、題の通りの物語。
長くなってしまったけれど、これがわたしの「植物図鑑」の感想文。
世の中が大変ななか、本を読んでみようと思った方の参考になればいいなと書いてみた。
気持ちも塞ぎがちな時期だけれど、季節は春で、自然に目を向けることで、少し気持ちが和らげばいいなと、この本を選んだ。
この状況が、少しでも早くよくなることを心から願っています。