KINC EDGE
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KINC EDGE 第2話 「Chaotic Battle Field」

トキ「惰性で地球に残りし古き凡愚共よ、オトシマエをつけてもらう・・・。」

地球軍大尉「逃げることだけを考えよ!相手にしてはならん!」

トキ「あくまでも相手にせず逃げ切るか・・・、正しい判断だが、それは無理だ・・・。」

地球軍兵「あの新型を抑えるんだ!奪った新型を落とされてはなんの意味もない。」

しかし驚異的スピードで近づいてきたトキが乗る「インベージョン」に逃げるという選択肢はなくなったような物だった。
逃げ遅れた地球軍凡用兵器「バイツ」が1機、2機と次々の落とされ、ついには地球軍側も混乱に陥った・・・。

地球軍兵「あんなのと戦えるかー!逃げろー!」
トキ「だから無駄なのだ。」

地球軍のバイツで逃げ切るには無理があった・・・。
あっけなく凡用5機は全滅した・・・。

地球軍大尉「馬鹿な・・・。」

「もう逃げるんじゃなくて誰か囮となるべきじゃねえか。」

そう呟いたのは2機目を奪ったパイロットだった。

地球軍大尉「新型は逃げるだけを考えよ!」
2機目のパイロット「もう無理だって。」
地球軍大尉「では誰を囮にすると言うのだ!?」
2機目のパイロット「俺はコイツの操縦に関しては問題ないよ。今すぐアレと遣り合ってもいいよ。残りはその間に逃げろってことさ。」

1機目のパイロット「もう大丈夫なのか、私にはまだ手足を動かすことしかできん。」
2機目のパイロット「アンタと一緒にしないでくれよ。3機目は損傷してる。もう一機もアンタと同様手足しか動かせない。それに俺はコイツを試したい。」
1機目のパイロット「わかった。だから、死ぬなよ。」

逃げる連中とは別に2機目の新型が「インベージョン」に向けて仁王立ちをした。

トキ「あれは2機目の新型で接近戦特化型の「クレイモア」だな。操行と武装は見てのとおり重いだが、機動性に欠ける不良品だ。」
2機目のパイロット「俺は「クロード」。アンタは?」
トキ「黙秘する。」
2機目「・・・おい。まあいい、俺はもうこの新型を使いこなせる。そこでだ腕試しも兼ねてアンタに一騎打ちを所望する。」

トキ「その無謀、ほめてやる・・・。」

二人の一騎打ちは鍔競り合いから始まった。パワーではクレイモアが若干勝っていた。

クロード「なんだかんだ言って大したことねえじゃん。」
トキ「パワーだけのブタは大抵雑魚キャラと決まっているのだ。」
クロード「そのまま叩き斬ってやるぜ!」

インベージョンを弾き飛ばしたクレイモアはそのコクピットにすかさず一撃を加えた・・・はずだった。
しかし、俊敏な速さでクレイモアの一撃を片手で受け止めた。

クロード「なに!?受け止めただと・・・。」
トキ「これから死ぬ君にだけ教えよう。「オートリムーバー」。このインベージョンの能力さ。コイツにはさまざまな場所にセンサーがついており、あらゆる攻撃を防御する。たとえ、つばぜり合いで負けたとしても、僕に一撃を入れるのは不可能なのさ。」
クロード「馬鹿な・・・。」
トキ「今の君にできること、・・・祈るだけさ。」

反撃にでたトキの乗るインベージョンは一瞬でクレイモアの両腕を斬り飛ばし、勝負を決めた・・・。

クロード「ちくしょお・・・。」
トキ「君の敗因、かっこつけて僕に一騎打ちを挑んだことさ。・・・さらばだ。」
クロード「ちくしょおおおおおおおおお!!」

クレイモアはコクピットに通るようトドメの一撃を喰らい斜めに真っ二つにされて爆発し、塵となった。

アビス「時間を稼がれたぞ。」
トキ「しかし動きの鈍い戦艦は、逃げるのは不可能みたいだ。」

地球軍に、さらなる混乱が走った。
地球軍兵「新型2機目、撃墜!」
地球軍大尉「見れば分かるわ!!馬鹿者!!」
1機目のパイロット「クソ!逃げることしかできないのか?クロードの仇は必ず討つ!そのための撤退だ。」
地球軍兵「新型残りの3機。退却完了!残るのはこの艦だけです。」
地球軍大尉「逃げることだけを考えよ!急げ!!」

しかし鈍い戦艦で逃げるのは不可能だった。
もう戦艦のブリッジの目の前に、トキの凶刃が迫ってきたのだ。
地球軍大尉「貴様は一体何者なのだ!?」
トキ「これから死ぬ者に語る気にはなれん。」
地球軍大尉「その声、マフィアの・・・!」
トキ「さらばだ、大尉殿。」

ブリッジが潰され、戦艦も塵となった。
地球軍、ダルキア軍双方に大打撃を受けたこの戦。
新型3機を奪った地球軍。
新型一機、そして大型戦艦を沈めたダルキア。
勝敗は、終わったあとも混沌としていた。

アビス「お前はこの戦をどう見るつもりだ。」
トキ「この戦、地球軍、ダルキア、どちらの勝利でもない。この戦の勝者は・・・僕達さ。」
アビス「フフフ、ハハハハハハ。」

地球軍の戦艦が堕ちたことにより、この戦の裏で大金がかけられていた事、引き金はマフィアだということは迷宮入りとなった。
もともとあった格納庫にインベージョンを駐機し、機体を降りた二人に待っていたのは銃を突きつけるダルキアの軍人共だった。
軍人達はインベージョンから降りてきたのが少年だったことで動揺を隠せなかった。

トキ「この度は手荒な真似をして申し訳ありませんでした。この機体のパイロットの人間が不在のため、急遽駆けつけました。」
ダルキア兵「貴様は一体何者なのだ!?」
トキ「黙秘します。」

ダルキア兵「おい・・・。」

トキ「ですが、この機体のことも外部には黙秘しますのでご安心を・・・。」
ダルキア兵「機体のことを知った以上「はい、わかりました。」でここから返すわけにはいかないのだよ。どこで知ったかしっかり吐いてもらおうか。」
トキ「この機体のパイロットの女性が私達の店酔っ払いながら思いっきり喋ってました。」
ダルキア兵「・・・・。」

「ガハハハハ、よ~くわかったよ。」

大声で現れたのはダルキア軍服姿の太ったおじさんだった。トキとアビスを銃を向けて囲んだ兵士も彼に向けて敬礼をしていた。

太った軍服の男「ワシの名はピンツイ。以後よろしく。」
トキ「よろしく(また変なのが現れたな・・。)」
ピンツイ「この窮地を脱することができたのは君のお陰だよ。それにはこちらから敬意を示さないといかんねぇ。部下が銃をつき立てたことは謝ろう。」
トキ「そんなことはどうでもいいのです。私達は早くここを離れるんで、さよなら・・・。」
ピンツイ「空港なら灰になったよ。どうやってここを離れるっていうんだい?」
トキ「・・・・。」
ピンツイ「生き残った一般市民、そして君達。こうなってしまった以上、ワシ達は安全なところへ非難させる義務がある。しかし移動手段はここに残された一隻の戦艦だけじゃ。それにここサーバー3も損傷が酷すぎて空気がなくなってみんなカラカラになっちゃうよ・・・。助けを待つ時間もない。」

トキ「何か僕に頼みたいことがある顔ですね。」
ピンツイ「そのと~り!元々のインベージョンのパイロットはね、ワシよりのお偉いさんがファイヤ~にしちゃって行方不明なんだよ~ん。」
トキ「なに!?あの女をクビにしたのか!?」
ピンツイ「性格には問題あったけど、憎めないし~、ワシ好みのかわいい子だったからワシは反対したんだけど、やっぱりだめ~。」
トキ「そんなエロい目でのんきにいわれても困る!僕が貴様ら税金泥棒と一般愚民を守る戦力になるなんてゴメンだ!」
ピンツイ「でも新型はそれ以外奪われちゃったし、他の新型パイロットも月まで飛んでいっちゃったし~、君しかいないのだよ~。」

トキ「探せばいいんだろ。アビス。メンバー全員に通達、昨日クラブにいた二日酔い女を探せ!」
アビス「わかった。」
ピンツイ「断固拒否か!あの子は本当に頼もしいし、ワシ的にも是非見つけて欲しいもんだ~。ガハハハハ!」
トキ「笑っている暇があったら、貴様らも探せ!」

しかし、マフィアの必死の操作もパイロットの女性が見つかることはなかった。そしてサーバー3も空気が抜けて人がいられそうにもならないとこにまで果てていた・・・。

トキ「この役立たずが!!蟻の巣までくまなく探したのか!」
ピンツイ「仲間を役立たずなんて言っちゃいかんよ~。それに蟻の巣に人間は隠れられないよ~。しかしこれでわかっただろう、今、一般市民と君の仲間を守れるのは君とワシらだけだということを。」
トキ「クソが・・・。・・・わかったよジジイ。だがな、僕の協力も目的地ここから一番近い貴様らの基地「サーバー6」までだ。その後は貴様らがどうなろうと僕の知ったことではない。救世主が来るのを祈るんだな。」
ピンツイ「ワシ達の目的地もわかっていたか~。まあそこまでの協力で構わんし、そこ以降まで協力を要請しても君には拒否権があるからね。」

トキは協力せざるおえなくなった。死に損ないの市民と、無能な軍人、そして今の仲間を守るために・・・。
これがトキの大きな誤算ではあったものの、今まで自分のことと金のことしか考えなかった彼が大きく変わる引き金となった。


        第3話「Alive」に続く

KINC EDGE 第1話 「Golden W」

4月26日夜 「クラブ・スカイダスト地下」

「以上が、我々が集めた情報です。それでは、そちらの今後の計画を・・・。」

「ここを灰にするのは一週間後。その間に貴方がたはここを離れるというわけですな。」

「いかにも。金は確かに受け取りました。それでは御武運を・・・。」

ユニバース・センチュリー2016。
時代は人々が大半は宇宙へと移り住み
世界は地球に残りし者、宇宙に移住した人。
逃れることのできない差別問題

「地球に残りし古き人間」
「宇宙に逃げた弱虫人間」

くだらぬ人間が吐いた人種差別災いを刺し、宇宙民族の「ダルキア」、地球を拠点とする「地球軍」による戦争で世界は乱世の真っ只中だった。

4月27日正午 ユニバースカプセル「サーバー3 SB3総合中学校」

少年「今まで、どうもありがとうございました。、僕はこのGWで転校することになりました。皆さんとの思い出は決して忘れません。」

一人の少年が転校を宣言した。転校を惜しむように女性生徒の数名は動揺を隠せない顔をしていた。
その少年は宣言の後、彼の迎え役の大男と共に学校を去った。

大男「全員分のチケットの手配を完了したそうだ・・・。」
少年「よし。それでは僕は空港へ、スカイダストにいるそれ以外のメンバーも早いウチにここから離れるように・・・、まあ、当然だな。」

「トキ君!」
学校から離れるこの少年に一人の少女をが少年の名前を読んだ。
少年は少女のほうへ振り向いたら、少女から彼に走って近づいてきた。

トキと呼ばれた少年「(しつこい女だ・・・。)」
少女「転校すると聞いて私とても悲しいけど、トキ君のこと忘れないから。がんばって作りました。これを受け取ってください。」
大男「トキ、時間だ。」
トキ「わかっている、ありがとう。君も元気で・・・。」

トキはプレゼントを受け取りと大男と共に車に乗り、学校を去った。
大男「あの女、お前に好意があったな。」
トキ「見ればわかる。しつこい女だった。」
大男「名前は?」
トキ「彼女から名乗った覚えがあるが、忘れた・・・。」
大男「プレゼントまでしてやったというのに、かわいそうに。」
トキ「こんな物をなにに使えばいいのだ。受け取ったフリをしてやっただけありがたく思ってほしいものだ。」

トキは少女からもらったプレゼントの袋を開けもせずに車から投げ捨てた。
トキ「時期にここも廃墟となる。灰になる人間に残すものなんてない・・・。」
大男「鬼め・・・。まあ、ここ戦争区域から離れており、ダルキア軍基地もなく、安全とされる「サーバー3」住んでいる全ての人間が自分が灰にされるなんて、夢にも思ってはいないだろう。」
トキ「だが、実際にダルキア軍基地がありでかい計画が練られていた。君が言う全ての人間には僕達も含まれるかも・・・ね。」

腹の黒い二人が話している影で二人。

「灰にするのは一週間後。」

トキはその話を初めから信じるつもりなどなかった。
その為即日の引越し、転校したのだった。

軍服の男「攻撃を開始しろ。例の目標の奪取が最優先だ。」
地球軍兵士「大尉!マフィアとの約束はあと6日、それを破るのですか?」
地球軍大尉「あれだけの情報で25億ドルだぞ!たしかに4機の新型の情報は証拠もあり有力だった。しかし、相手はマフィア。ついでに潰しておいてもいいだろう。それに奴なら地球側にも情報を売り、俺たちを裏切る可能性だってある。だから、攻めるなら今よ!連中には自滅してもらう!」

一方、空港に向かっている二人は・・・。
トキ「アビス。空港から進路を変更。僕を5機目の機体の格納庫まで送れ。」
大男アビス「なぜ急に?」
トキ「君の耳はSODの派手なロックも聞き取れないほどゴミが溜まっているのか?」

その瞬間、ミサイルがビルに直撃して倒壊した。

アビス「まさか・・・。」
トキ「軍人さんの裏切りだよ。情報量25億ドルは高すぎるらしいな。」
アビス「お前が裏切りを読んでいたから、5機目の機体の情報を晒さなかったのか?」
トキ「正確には裏切りに備えてだ、5機目の機体は他の4機とは比べ物にならない性能を持つ。それに5機目の機体なら僕達がここを離れてから「実は5機目があったんだ」なんて言えばいい。」
アビス「これから裏切り者に制裁を喰らわすってことだな。」
トキ「他のメンバーには空港へ向かわず、携帯した武装で歩兵の始末でもさせてやれ。」

2人が乗る車は途中で進路を変え、ダルキア軍基地へと直行した。
その頃、ダルキア軍内部は急襲により混乱していた。

ダルキア兵「て、敵襲だー!」
ダルキア幹部「馬鹿な!ここの情報が漏れたと言うのか!?」
ダルキア兵「敵の目標は新型の模様!!」
ダルキア幹部「その新型で迎撃だ!敵を殲滅してやるのだ!!」
伝令「伝令!新型1号機のパイロット、討ち死!!」
ダルキア幹部「なんだと!!」

急襲されたダルキア基地はすぐにでも堕ちるとこまで追い詰められていた。

トキ「地球軍が持つ情報では新型は4機。地球軍は5機目には目を向けることがない為、時期に5機目を守る人間は残りの4機を守るため守備は手薄に

なる。」
アビス「5機目のパイロットは・・・。」
トキ「昨日ウチの店で飲みまくって二日酔いだろう。まともに動けるはずがない。」

トキ達の情報通り、地球軍は5機目には全く目を向けていなかった。
トキはすぐに5機目の格納庫へ向かい、守備兵をなぎ倒し5機目の新型に乗った。
ダルキア幹部「敵は5機目には目を向けていない・・・。5機目を今すぐに出撃させろ!!」
ダルキア兵士「5機目!パイロットが不在!!」
ダルキア幹部「ええい!!どうなっておるのだ!?」
伝令「伝令!1号機、2号機奪われました!残りの2機も守備兵全滅!!5機目も謎の二人組みに奪われました!!」
ダルキア幹部「馬鹿な・・・。」

5機目に乗った二人はその性能を内臓されているPCで確認した。
トキ「チョロイな・・・。」
アビス「動かせるのか?」

トキ「余裕だ・・・。戦闘に使われる人型兵器。皆「エッジ」と読んでいる。今最も普及している凡用は地球軍の「バイツ」、そしてダルキアの「スピアー」。これなら君も知っているだろう。」
アビス「まあプラモにもなっているからな。」
トキ「そしてこの新型、名前は「インベージョン」。このデータを眺めただけで分かる。凡用如きが比べる物ではない・・・。」

データーを眺めたトキにはしばらく笑いが止まらなかった。
地球軍はその凶悪な刃が自分達に向けられるとはその時は、夢にも思わなかった。

地球軍兵士「新型4機、全て奪取完了しました。」
地球軍大尉「うむ、作戦は完了だ。全軍退・・・なんだあれは?」
地球軍兵士「新型は5機あった模様。5機目は敵です!」
地球軍大尉「やはり情報を完全に信用するべきではなかった。しかし敵である以上、5機目を無理に奪うまでもない。奪った4機だってまだ手足が動かせる程度だろう。退却を第一に考えろ!」

地球軍は5機目を見放すように現場を去ろうとした。
しかし奪った4機のうち3機目の機体がトキの乗った新型5機目「インベージョン」の射撃により損傷した・・・。

アビス「この距離を当てられるとは、お前、相当慣れてるな。」
トキ「初体験から愚民共に力を見せつけるのが僕さ・・・。」
アビス「新型とはいえ乗っているのはハンドルだけ回せるようになった新人ドライバーの腕ってことだな。だが敵の戦力は戦艦1隻、バイツ5機、そして新型。・・・。」

トキ「僕の乗るコイツの前でその程度では抑えられん。フフ、明日から始まるのはゴールデンウィークではない、戦争さ。」

トキ「惰性で地球に残りし古き凡愚共よ・・・。オトシマエをつけてもらう。」
圧倒的な力を持つ5機目の新型「インベージョン」。
その刃は哀れな裏切り者に向けられた。
                       
                第2話「Chaotic Battle Field」につづく