一郎の目の前を、確かに何かが素早く横切った。しかし痕跡ナシ。不思議に思った?
人影:「・・ごめんなさい・・」
突然聞こえてきた声のする方をよーく見ると、少し後方の反対車線道路脇の草陰から、謝りながら、恐る恐る顔を出し、手を振っている人影が見えた。
人影は、どうやら女性の様で、近付いてきた。 一郎:「びっくりしたんだわ。それより、大丈夫かい?怪我ない?」 女性が一郎を確認すると、叫んだ。 女性:「だいじょうぶです。
追われているの、助けて!」 一郎は女性の「助けて」という一言に反応し、何かに巻き込まれる可能性があるとおもい焦った。
普段は同郷の人の前でしか話さない北海道弁がおもわず出てしまった。 一郎:「えっ、追われてる?それ絶対やばいでしょ、そんなところ歩いてたら車くるからさ、危ないっしょっ。気を付けて」