新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症の第7波がなかなか終息しない。オミクロン株は気管で増殖し重症化しにくいとされてきたが、東京大学医科学研究所の佐藤佳教授らがヒトの肺の細胞を使って実験をしたところオミクロン株(BA. 5)はオミクロン株(BA. 2)と比べてウイルスが18.3倍増えていたことが分かり、オミクロン株(BA. 5)では肺でも増えやすい可能性がある。ここにきて注目を集めているのがオミクロン株(BA. 2.75、通称ケンタウロス)である。BA. 2の亜系統であるBA. 2.75は、2022年6月にインドで初めて報告され、インド各地から英国、ドイツ、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど各地に広がり、日本国内からも報告が見られる。BA. 2.75はBA. 2に比べスパイクタンパク質に数種類が変異している一方、BA. 1、BA. 2などで見られたQ493R変異は有さない。こういった変異がウイルスの抗原性に影響し、ワクチン接種による中和抗体からの逃避する可能性がある。これまでの各発表から推計すると、新型コロナ・ウイルス(SARS-CoV-2)は従来株(武漢)よりアルファ株が1.32倍、アルファ株よりデルタ株が1.5倍、デルタ株よりオミクロン株(BA. 1)が4.2倍、オミクロン株(BA. 1)よりオミクロン株(BA. 2)が1.26倍、オミクロン株(BA. 2)よりオミクロン株(BA. 5)が1.27倍と、オミクロン株(BA. 5)が従来株(武漢)より13.3倍の感染力があったが、さらにオミクロン株(BA. 2.75、通称ケンタウロス)はオミクロン株(BA. 5)の3.27倍、つまりオミクロン株(BA. 2.75、通称ケンタウロス)は従来株(武漢)より単純計算で43.1倍の感染力があることになる。BA. 2.75は「今までとは全く異なった怪物」というニュアンスで、6月半ばより欧米の新聞やニュースで半人半馬の怪人ケンタウロス(上半身が人間で下半身が馬)と呼ばれているが、今までのα(アルファ)、β(ベータ)、Γ(ガンマ)、δ(デルタ)・・・ο(オミクロン)といった学術的に定義されたギリシア文字の順番とは無関係である。ちなみに上半身が牛で下半身が人間のミノタウロスはギリシア神話に登場する牛頭人身の怪物である。ギリシア神話によるとクレタ島のミノス王が騙した海と地震の神ポセイドンの怒りで、ミノス王の后パシパエに呪いをかけられ、后が白い雄牛に性的な欲望を抱くようにされた。后パシパエは密かに雌牛の模型を作らせ、彼女自ら模型の中へと入って雄牛に接近し、牛の頭をした子供ミノタウロスを産んだ。ミノタウロスは成長するにしたがい乱暴になって、手におえなくなるミノス王は迷宮(ラビリンス)を建造し、そこにミノタウロスを幽閉した。そして、ミノタウロスの食料としてアテネから9年毎に7人の少年、7人の少女を送らせることとしたが、アテネの英雄テーセウスは3度目の生け贄として自ら志願し迷宮に侵入してミノタウロスを倒した。なおダンテの『神曲』では「地獄篇」に登場し、異端者の地獄においてあらゆる異端者を痛めつける役割を持つ。



 想像上の生き物である<ケンタウロス>にインスパイアされ、古代ギリシアの音楽の断片からアジアの伝統的な旋律をコラージュして書き上げた作品「ダンシング・ウィズ・ケンタウロス」と、男性ホルモン<テストステロン>をモデルにしたというエネルギッシュな「コンチェルティーノ」、有名な携帯電話の着信音を用いた「リングトーン」、思索とリセットを促す「夜の歩行」の4曲を収録した、ツダム宣言が発せられた太平洋戦争末期の1945年にギリシアのラミア(Lamia)で生まれの現代作曲家ゲオルゲ・コントジョルゴス(George Kontogiorgos)による2014年のサクソフォン作品集が『ダンシング・ウィズ・ケンタウロス(Dancing with Centaurs):サクソフォンのための物語(Stories for Saxophone)』である。ジャケットの半獣半人ケンタウロスの2人が艶めかしい。クラシック音楽というだけで敷居が高い思いをされるかもしれないが、メル・コリンズとキース・ティペットがいた頃のキング・クリムゾンだと思って聴くと、耳に馴染む。なおゲオルゲ・コントジョルゴスは、ラミア市立音楽院でアレクサンダー・エニアンに師事し高度な音楽理論を学び、彼のクラシック作品には、独奏楽器、ボーカル、アンサンブル、室内楽、交響楽団、弦楽四重奏曲、ピアノトリオ、協奏曲のための作品がある。

 

スタシス・マヴロンマティス(Stathis Mavrommatis):ソプラノ・サクソフォン(1~10)、アルト・サクソフォン(11~13)

クリスティーナ・パンテリ(Christina Panteli):ピアノ(1~12)

ミルトス・ロギアディスMiltos Logiadis:指揮(11)

オーケストラ・オブ・カラーズ(The Orchestra of Colours):弦楽セクションのみ(11)

 

 スタシス・マヴロンマティスは1974 年に生まれ、ギリシアとイタリアの市民権を持ち、1996 年にパトラス大学で数学の学位を取得し、ハーモニー、管楽器のオーケストレーション、対位法、フーガ、作曲の学位を優秀な成績で授与された。1996年以来、彼はアテネ市ウィンド・オーケストラの首席サックス奏者で、アテネの「ナカス」音楽院(2000-2014)とアテネの「アポロニオン」音楽院(2012年以降)でサックスを教え、多くのセミナーやマスタークラスでサックスを教えている。2005年、『ギリシアの作曲家によるサックス、ピアノ、パーカッションのための音楽』でCDデビュー、2010年に2ndアルバム『ソプラノ・サクソフォンとストリング・オーケストラのための3つのギリシャ協奏曲』をリリースした

2015年以来、彼はギリシアのサックス協会の会長である。

 

 

ダンシング・ウィズ・ケンタウロス-サクソフォンのための物語

1.Introduction 序奏

2.Idyllic 牧歌

3.Dancing with Centaurs ケンタウロスとのダンス

4.Meditation 瞑想

5.Love Song 愛の歌

6.Infidelity 背信

7.Before the Battle 戦いの前

8.Vertigo めまい

9.Battle of the Centaurs ケンタウロスの戦い

10.Farewell 告別

11.コンチェルティーノ「Testosterone テストステロン」

-アルト・サクソフォンとピアノ、弦楽合奏のための

12.Ringtone リングトーン-アルト・サクソフォンとピアノのための

13.Night Walk 夜の歩行-独奏アルト・サクソフォンのための

 

録音 ギリシャ

2015年2月15日 Philippos Nakas’ Odeon…1-10

2017年4月2日 Philippos Nakas’ Odeon…11

2017年3月19日 Philippos Nakas’ Odeon…12

2017年12月18日 Tesserakto Studio…13