人の記憶はあいまいだ

この手で何人、何千人の人と

握手をかわしてきたのだろう

忘れたくない記憶も

消したくない風景も

少しずつ消えて行ってしまう

人が死んだら全てが消えて

また、新しくなるように

温かい手の感触や

小さな女の子が花をくれた記憶

人の心の温もり

それでも、生きていかなければ

いけない

つらいな。つらすぎる

消えてゆくなら記録なんて

作らなければいい

そう思う事なんて何十回あったか

それでも、どうしても記憶が

消えてゆく

なんて、

なんて人の記憶はあいまいなんだ

お客さんへ

もしかしたら

次、会う時

あなたを記憶の中に

閉じ込めてしまっているかも

しれない

傷つかせてしまうかもしれない

なにかで皆さんを傷つかせて

しまうかもしれない

だけど

それ以上に

皆さんを忘れてしまう

自分が苦しいのです

自分が怖いのです

自分がいやになるんです

考えすぎなのだろうか

今日の天気は曇り

太陽が見えず

空が霞んで見える

あいまいな記憶のような空

それでも、人との思い出を

作っていきたい

ダメな自分がいるんです

過ぎ去ってゆく景色と記憶