本日のお品書き
前回は、大前提の話をしましたが、どう感じましたか?
もちろん受け持ち全員の環境を含めた患者全体を見ることは難しいかもしれませんね
そんなときは、経過表を眺めることで理解を深めようとすることもあります
今回こそ
1.フィジカルアセスメント(呼吸音を中心に)
- どれぐらい真剣に聴いてますか?
- どこの場所を聴いてますか?
- 看護に生かせてますか?
聴こえていますか
正直な話、呼吸音聴きますか?
ほとんどいらないかもしれません 聴いてどんな音してるかわかります?
ゴロゴロ ヒューヒュー と なんか音してるけど
こんな時思ったんです
前の勤務の人 どんな風に記録してるかな? ってみると 「副雑音 無し」
無いって!! ブツブツって音聞こえる気もするけど 聞こえ無い?
じゃ どうするって 「副雑音 無し」って書くしか無いでしょ
あまり勉強もしてこなかった私は、呼吸音の種類も分からないまま過ごしてました
自信の無いことは前勤務者のまねをする始末
指摘されても自信ないので
そんなとき、同僚の認定看護師と話をすることがあって、呼吸音について聞いてみたんです
「呼吸音てよく分からないですね。なんて表現して良いか分からなくて」って
そうすると、
「聴診器は病棟にある薄いやつですか?」と聞き返すので「はい」と
例えば 生春巻き をよく切れる包丁でカットすれば 食材が何なのかよく分かる
余り切れない包丁でカットすると やや押しつぶされた感じで食材の境目も分からない感じになるの分かります?
はあー
目が悪い人がめがねをかけずに周りを見るとぼやけてはっきりと見えない
これは分かります?
はあーなんとなく
要するに、よく聞こえる聴診器で聞いてみて下さい と
そうなんです 聞こえていなかったんです
はっきりと聞こえていない音なんて記録できないですよね
それからは、できるだけ聞こえそうな聴診器を探し使うことにしました
そのころ、病棟に医師が持ついかにも高級そうな重たい聴診器が置きっぱなしに
それも数日間置きっぱなし
一回ぐらい使っても良いかな って考えてお借りしました
「なんじゃこれー!」
呼吸音どころか心臓の音!ドックンドックン
呼吸音もスースーと空気の流れる音
どこからかお腹の音?
こんなの聞こえていいの? 聞いて良いの? 聞いてはいけない音じゃないの?
と驚きの連続でした
こんなにも違うんですか 先生さまの使う聴診器は
こんなことを話してくれた医師もいました
「道具を使って聞き逃すことが少なくなるんなら安いもんですよ」と
この違い!
医師は診断の為に聞き逃しがないように道具にお金をかける!
さすが先生やな! と思いつつ
一度別世界を知ってしまった私は、なんとか聴診器を、良い聴診器を、高い聴診器を
買おうと心に決めたのでした
看護に生かせてますか?
医師は診断の為に聴診をします
わずかな聞き逃しが診断ミスにつながるからです
では看護師は診断の必要が無いから聞き逃してもいいですか?
そんなことは無いですよね
看護師は変化をみて記録、報告する役割があります
例えば、人工呼吸器を装着している場合に、排痰を促すために体位ドレナージを行います
気管内吸引だけでは消えなかった音が、右横に身体を向けてしばらくして気管内吸引してその後呼吸音を聞いてみるとゴロゴロとした音が聞こえ無くなったことありますよね
この変化を知ることが重要です
看護師が体位変換や気管内吸引などケアを行うことで病状が変化します
逆に言えば、適切なケアをしなければ病状は悪くなります
今一度 看護に生かせてますか!!