近鉄八戸ノ里駅東商店街は2015年9月28日に閉じてから今なお閉鎖されたままである。

そんな中、東商店街と八戸ノ里駅改札口に挟まれた書店跡地で新たな動きがあった。

 

 

 この書店は16年間の営業を経て、2022年2月10日に閉店した。駅直下の貴重な土地を長く空けておくわけにはいかなかったのだろう。閉店後、耐震化工事、アスベスト除去、水漏れや地盤沈下問題は改善されたと思われる。

 八戸ノ里駅東商店街の跡地利用についてはまだ公表されていないが、2029年の大阪モノレール瓜生堂延伸開業に伴って使途も明らかにされるだろうという噂がある。書店の跡地利用は喜ぶべき事柄だが、八戸ノ里東商店街の辿った歴史は忘れてほしくない。

 気になることがあった。近鉄駅構内売店に勤めていた女性が「悪性胸膜中皮腫」に罹患して死亡した。1979年3月から近鉄不動産(現・近鉄リテールサービス)駅構内売店販売員になり、瓢箪山駅、河内小阪駅、八戸ノ里駅、山本駅、布施駅、鶴橋駅を経て、2000年に退職。発症は2021年5月。死亡年月日は2021年8月2日。

 近鉄リテールサービスは、鶴橋駅構内に「建材はあったが、ばく露する状況かは不明」と回答。アスベストは駅売店の倉庫に存在したものと思われるが、近鉄が黙秘していることにより詳細は不明。メディアも近鉄も風評被害を盾に八戸ノ里高架下商店街という固有名称は伏したままだ。

 文具裁判で勝訴した遺族は「アスベストは、未来への大きな負の遺産です。身近に存在するアスベストを見逃さないで、今後も社会全体でアスベストに対する危機意識を共有し続けて行く事こそが、父の願いです。」とコメントを残した。(2014.2.27)

 更に前文具店長の死後、遺志に基づき解剖したところ、肺組織から一般人の十倍以上の石綿を検出。しかも大気中から検出されることの無いクロシドライト(青石綿)が85%を占めており、専門医は店舗の吹き付け青石綿と中皮腫発症の因果関係は明白としている。命を賭して告発した前文具店長の遺志を、近鉄はどう受け止めているのだろうか?近鉄の隠蔽体質が許せない。 

 また3人目の中皮腫死が報道された2020.10.16付け毎日新聞記事では、中皮腫/塵肺・アスベストセンターの所長が「同じ建物で被害が続くことは世界的にも異例。近鉄は貸店舗に関与した人たち全員の健康診断を実施すべきだ」と話した。

 八戸ノ里駅東商店街のなかではアスベスト剝き出し店舗が、文具・酒屋・うどん屋・ライブハウス・居酒屋等があった。八戸ノ里駅西商店街では、喫茶店・カメラ屋等があったと伝え聞く。そのなかには、劣化したアスベストを手で剝ぎ取ったという事例もあったと漏れ伝わる。アスベスト由来の病気になっても原因が辿れないということがあってはならない。危険アスベストクロシドライト粉塵のばく露拡散は長期間かつ広範囲にわたる可能性がある。2030年にアスベスト使用建物解体のピークを迎えると聞く。知らぬ間にアスベスト拡散が繰り返されてはならない。近鉄はアスベスト跡地に医療モールを設け、何食わぬ顔で臭い物に蓋をしようとしている。

 「驢馬の嘶き」(近鉄八戸ノ里駅東限界商店街消滅の記録」をブログの形で公開したのは、公益通報に当たると思っています。どうぞ情報拡散にご協力をお願いします。

 

 以下、参考資料として安全センター作成資料を添付します。