働きながら会計士試験……受かりました!

働きながら会計士試験……受かりました!

会社員をしながら、2009年末から会計士試験の勉強を始めました。

2013年5月短答合格
→2013年公認会計士試験(論文式)不合格
→2014年公認会計士試験(論文式)合格
→2017年度修了考査合格で晴れて公認会計士です!
(2018年公認会計士登録)

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コロナ禍が収まらない状況に世界中に暗いムードが立ち込めています。

 

日本でも経済活動が以前のように戻るには年ベースでの単位が必要になりそうな見通しが広がってきており、早くから自粛に協力されていた個人事業主や中小企業、飲食店の皆様からは先行きの見通せない状況からを悲鳴が上がっています。

 

加えて政府はあまり中小企業、個人事業主の明日をも知れぬ不安などお構いなしなのか、経済支援へのスピード感は牛歩のようですね。牛歩は政治家が得意とするところですが。

 

さて、本題です。

昨今のような不況下では「大企業であればこれまでに溜め込んだ内部留保があるからそれを吐き出してでも雇用を確保せよ」という意見をたまに耳にします。私の前職の先輩も東日本大震災の後に経済が停滞した頃、「内部留保たくわえてんだから、給料下げるとか言うなよ」と会社のことを愚痴ってました。

 

簿記を勉強されたことがある方なら分かると思いますが、内部留保という色の付いたおカネは存在しません。

 

もちろん会計上の留保利益(いわゆる内部留保)があって、なおかつ現金を大量に抱えている会社もあるかもしれませんが、現金は持っていても運用益を生み出さないので正常な会社であれば、利益獲得により現金が入ってきてもある程度は設備投資(固定資産)なり新規事業の投資など次の投資に回すはずです。

 

例えば獲得した利益100円を固定資産投資に回したケースを、順を追って仕訳で書くと、

①「売掛金100/売上100」←100円の利益を獲得

②「現金100/売掛金100」←利益が現金化される

③「固定資産100/現金100」

こんな感じになります。

 

極端な例ですが、上記の他に取引がないとするとB/S上はこうなります。

短期的に払えるおカネなんてないですよね…。固定資産で給料を現物支給というわけにもいかないですし。

 

内部留保があっても固定資産や新規事業の投資などに回すのが正常な経営判断であり、内部留保という利益獲得により生じた現金をそのまま抱えている会社は必ずしも多くはありません。つまり「内部留保≠現金」です。

 

リーマンショックの時も企業は内部留保を吐き出して雇用を確保しろという論調はありましたが、いまだにこういった誤解をされている方がいるのかなと思いました。

 

一般の方ならまだ知らず、政治家でもこんなことを言う人をまれにテレビで見ます。そりゃ、まともな政策なんて出てこないわ。

 

市民は個人事業主や中小企業は言わずもがな、ある程度の会社であっても既に青息吐息です。

 

政治家の皆さん、モタモタしてると取り返しの付かない事態に陥りますよ!