あるオジサン政治家が、オバサン、美人とは言えない、さらに名前まで間違えて女性政治家を持ち上げた発言が物議を醸している。
まあ、オジサンの発言の良し悪しは言わずもがなだが、それに対する彼女の返しもまた賛否ある。
「大人の対応」「懐が深い」「株を上げた」というご意見がある一方、「きちんと抗議しない事に女性差別されている人々にマイナスのメッセージをあたえる」とか、「政局を考えての発言」とかのご意見もある。
かの女性政治家と全く同世代の私は、彼女がどんな時代に生きてきたかがとても良くわかる。
女性を差別するオジサンたちの心無い発言に傷つき、正直話すのも嫌なこともたくさんあった。
今ではとても考えられないこともたくさんあった。そんな時代を実力と運もあったかもしれないが、今の地位でお仕事をしていらっしゃる彼女は過去にいろんなことがお有りになったと思う。やはりそんじょそこらの女性にはない肝の座った方だと思う。
そんな時代を共有してきたフツウのオバサンの私から見るとどちらのご意見もわかる。
女性差別と声高に声を上げている間に黙々と自分の本来の仕事に邁進する。自分より能力のない男性が先に出世しようが、不当な扱いを受けようが歯を食いしばって自分の実力を蓄える。
方や、不当な差別に声を上げて闘い続ける人もいる。こういう方々の努力のお陰で今の時代、私達の頃よりはちょっとはマシになりつつある。
私の知り合いで40すぎの男性がいる。彼に一昨年子供がうまれた。彼の奥さんはバリキャラで奥さんのキャリアに最低限の支障が出ない時期を選んで子供を儲けた。奥さんは出産の3ヶ月前から東北の実家へ帰り里帰り出産をした。彼も遅れて奥さんの実家へ行き、コロナ下と言うこともあり、リモートで仕事をした。奥さんの出産後彼は認められている当然の権利である産休をとった。産休が空けて仕事に復帰した彼を待っていたのは上司のいじめである。どう考えてもこなせないような量の仕事を押し付けられたり…等々である。
彼はまだ独身の頃別の職場で不当な上司のパワハラと戦って勝利した経験があるそうだ。
しかし、彼は今回はどうしたか… 奥さんも子供もいる現在の彼は、その手の戦いに割くエネルギーも時間ももったいないと考え、さっさと職場をやめ他の職場に移った。
彼は、時代遅れの上司と闘うより2度と戻ってこないかわいいと我が子の成長に関われる貴重な時間を選んだのだ。
彼はまさに私の子どもたちと同世代なのだが、今は男性が子育てする権利を得るために性差別と闘わなけれならない時代なのだと思う。