2012年4月12日午前1時半過ぎ。

前日夕方からの陣痛の末にようやく長男が生まれた。
3600gを超える大きめの赤ちゃん。
夫にソックリでムチムチの赤ちゃん。
夜中に生まれ、私は朝まで病室で寝れずに過ごした。
母子同室の病院だったけれど、出産ラッシュらしく、病室に中々赤ちゃんも助産師も来ない。私は分娩着のまま。 
朝になり、ようやく助産師がきた。
小走りで。 
カーテンを開けながら、「ご主人は?すぐこれる?!」
・・・どういうこと?
悪いことが起きていることだけ分かった。
夫は、出張から朝一の飛行機で帰ってくる予定だ。多分今頃家に着く頃。
すぐに電話して来る様に伝えた。

夫も揃い、小児科医からのお話。
「酸素濃度が上がってきません。」

健康な人で98~100ある数値が87~90くらいしかないとの事。
生まれたばかりの赤ちゃんなら不安定なので、しばらく様子を見るけれど、保育器に酸素を流しても上がってこない。
その場合、肺か心臓の病気を疑う。

何かの間違いだ、大した事はない。と言い聞かせた。 
でも検査をしなくてはならない。
出産した病院にはNICUはない。
NICUのある提携病院へ救急車で搬送された。夫は先にその病院へ向かった。

私はまだ産後6時間くらいしか経っていない為、主治医に診てもらい、母に付き添ってもらいながら長男の病院へ行った。
産後6時間でこんなに歩くと思わなかった。  

しばらくして、看護師さんに呼ばれた。
看護師さんに通された部屋には30代くらいの医師と50代くらいのベテラン風の医師がいた。
50代くらいの方が、心臓の絵の描いた紙を見せながら話し始めた。
赤と青のボールペンで静脈と動脈の血流を説明していた。
病名はたくさんついた。
総称して無脾症候群。
先天性心疾患を伴う病気。
1万人に1人とかの頻度は少ない病気。
予後不良。
先生は小児科医をその病院で9年しているそうだけど、この病気をみたのは3人目でいずれも生後3週間で亡くなってしまったとの事。
心疾患に関しては、色々な組み合わせがあり、長男は極めて難しい症例だった。
とにかく5㎏を超えないと手術は難しいと言われ、毎日搾乳しては病院へ持って行った。
5㎏・・・。
次男の時は1ヶ月検診で、難なく5㎏を超えた。
長男は心臓に負担がかかるため母乳も制限され、結局待てなかった。
5㎏になるまで待てなかった。 
1ヶ月と23日必死で生きる術を探したけれど、体がもたなかった。
長男が頑張って生きた事は、私の誇り。

その後の私たち夫婦は、本当に頑張った。 
夫に支えられ、2人で支えあって今に至る。乗り越えたとかではない。長男の事は自分が死ぬその時まで一生思い続ける。
長男の分まで幸せに生きなくては。
長男の分まで子供たちに充実した人生を送ってもらいたい。

そのためなら、頑張る。