認知症とは…?

▼脳の仕組み

個人差はあるものの加齢による影響は全ての人に現れ、心身のあらゆる部位に老化現象がみられるようになります。
脳の機能・構造についても同様のことがいえ、血管や神経細胞の加齢の変性が認知症の発症原因と考えられています。

大脳皮質には、
①前頭連合野(前頭前野)
②運動連合野
③運動野
④体性感覚野
⑤頭頂連合野
⑥後頭連合野
⑦聴覚野
⑧側頭連合野
⑨視覚野
といった5つの連合野と4つの運動・感覚野があります。これらが連携することで高度な精神活動を行っています。
また、外界から集めた情報を基に反応・判断などを行い各運動器官へ司令を出しています。

▼神経細胞の減少
人間の脳神経は脳全体で数千億個ある神経細胞(ニューロン)とその役割を補助する働きをもつ※グリア細胞から成り立っています。
神経細胞は約70%が大脳皮質に集中していますが、いったん何らかの理由によって消滅した細胞は※再生不能になるという特徴があります。

脳の機能低下には、脳神経細胞の減少のほか、一般に※樹状突起の減少も関与していると考えられます。樹状突起は、さまざまな老化物質が付着することで減少し、脳の不活発を招きます。また、認知症を発症すると情報伝達を行う※シナプスに関与する物質である※アセチルコリンが減少します。

※グリア細胞
不要な化学物質を取り込んだり、栄養物の補給をしたりする。さまざまな形態があり、神経細胞の10倍ほどあると言われている。
   
※再生不能
毎日約10万個減少するといわれる脳細胞は、出生時に約140億個存在し、その後増加することはない。

※樹状突起の減少
個人差により、少なくなった脳細胞を補うように樹状突起が成長することもある。

※シナプス
神経細胞の先端ともうひとつの神経細胞を結び、情報を電気的信号で伝えるところ。

※アセチルコリン
認知症の治療薬である塩酸ドネペジルはアセチルコリンのはたらきを改善するものである。

◎参考・・・アミロイド斑(老人斑)
加齢による脳組織の変化として、茶色い染みのように見えるアミロイド斑の出現と※神経原線維変化が挙げられます。アミロイド斑とは、βアミロイドとよばれるたんぱく質が沈着してできるもので、多くの高齢者にしばし見られることから老人斑とも呼ばれます。
アルツハイマー病患者の脳では、側頭葉を中心に沈着が強く認められていたため、アミロイド斑は従来アルツハイマー病のひとつの原因と考えられていました。しかし近年、国立精神・神経医療研究センター神経研究所においてアミロイド斑はアルツハイマー病の原因ではなく結果であることを示唆する実験結果が得られています。

※神経原線維の変化
リン酸化されたタウたんぱく質の神経内凝集。
非常に溶けにくいタウ細胞からできている。