ひらひら靡くカーテンから薄白い光が差し込み、時折り見える満開の桜

はじめて座る後ろから二番目の席は与えられたわたしの最初の席。

その左斜め前にいた彼は、外を眺める私の視界に入ってきた。




あなたの名前可愛いね!


満面の笑みを浮かべいきなり話しかけてきた前の席の女の子は

私の名前を可愛いといい、わたしの経歴やこの学校への経緯を根掘り葉掘り聞いてきた。



ねぇねぇこの子嶺華って言うんだって!

彼女は彼に話しかけ、私を紹介し始めたんだ。



初めて目が合い、会釈をしたあなたとこれから始まる恋愛なんて私を予想もしていなかった。



あ~そうなんだ。

と言わんばかりに彼はニコリともせず、ただ会釈をしてどこかへ去った。



彼女と彼は同じ中学校の様で、親しいらしい。



入学式が終わり、一通りの自己紹介を終え、分かったのは彼の名前と印象。


正直いって、あまりいいものではなかったよ。